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大事なのはどこにいるかじゃなくて何をするか

採用側だけでなく、採用される側も淘汰

冒頭に少し触れた学部や専攻(文系)の質問をする面接官や会社の人の質問が的外れな理由は、欧米のスタイルだけを真似して根底を理解していないことがあるからです。学部の質問ではだいたい「弁護士になりたかったの?」と聞かれることが多かったです。欧米で学部を聞くのは「どういった理由でその学部を志望し、どういった目標を持っているのか」を聞くのであって、将来ありきの質問ではありません。それを勘違いして学部や専攻の質問をするときに、将来ありきで学部選択をしたという前提に立っていることに気付かずに質問していることが多いです。将来ありきの学部選択という発想は高度経済成長期の発想で今の時代にはそぐわない発想だと思います。今の管理職(40-50代)の人は高度経済成長を知っている世代から直接教わった世代なので、その人たちが引退して今の20-30代の人が中心になるとそういった考えもなくなっていくのではないかと思います。
大学全入時代で大学の名前で判断をしなければならないのは事実ですが、名の知れた大学に通っているというだけで、すべてうまくいくというのは大きな間違いで、そこで何をしたかが重要だと思います。「大学で学んだことは役に立たない」というのが今の日本の定説です。これも大学で学んだことを軽んじている要因ではないかと思います。であれば、大卒として採用する必要はないと思います。
しかし、実際そんなことはありませんし、大卒枠は存在しています。だからこそ、「なぜ、大卒を採用するのか?」や「学んだことを評価できる人材が企業側で育っていないだけではないのか?」や「専門学校卒採用と大卒採用をなぜ分けているのか」を学生ではなく、今働いている社会人が考えるべきだと思います。会社として、採用している人がどのようなことを学んだかを把握して、会社運営をどのようにするかを考えるべきだと思います。入社してからどうするか決めるといったようなことは止めるべきですし、そういった会社は今後を新しい人が入らず、廃業を迫られることも考えられます。人手不足と言われる会社はおそらく採用であったり、教育に欠陥があったりすると考えていいと思います。企業に厳しいように思うかもしれませんが、採用される側にとっても厳しくなり、包装紙だけでなく、その中身をしっかり確認されることになるでしょう。そうすることで、会社だけでなく、社会全体として新しい競争が生まれるでしょうし、外国とも戦っていけるのではないかと思います。

最後に

日本は学校名にこだわりすぎていて、学校で学んだことを重視していない名ばかり先進国のように思われるかもしれませんが、実は学んだことを重視しています。それは専門学校卒の人です。専門学校を卒業している人は何を学んだかが重視され、学校名はあまり重視されていません。それは欧米の考え方とよく似ていて、そのスキルをもって何ができるかが問われます。
さらに専門学校は欧米の大学同様、毎日勉強漬けで休む暇がないそうです。入学は大学より簡単と言われますが、入学すると普通の大学と比にならないほどハードだそうです。今後の日本社会は専門学校のように、大卒や院卒の人を学校名で評価するのではなく学んだ内容を評価すべきだと思います。専門学校は専門分野により特化し、大学は学問に特化すべきだと思います。そうすることで専門学校と大学の住み分けもでき、大学に通う重要性が今以上に増すと思います。
採用は企業戦略と言われるほど重要です。コロナ禍を切り抜けるためにも従来の採用だけでなく、新しい視点での採用というのを考えるべきだと思います。どんな環境下でも残る企業は大きな変化に柔軟に対応したから、規模の大小に関わらず、今でも残っているのです。学んだことから得たその哲学がその会社にどのように貢献できるかを今後見極めていくことが重要になっていくでしょう。

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