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実は元貴族!格式高い参議院

はじめに


先日、参議院議員選挙の告示がされましたね。みなさんはどの党とどの候補者に投票される予定ですか?昨年行われた選挙は衆議院議員総選挙で今回はまた別の選挙です。日本の国会は衆議院と参議院の二院制で、衆議院と参議院が国会を運営しています。衆議院は解散があり、優越が認められているのに対して、参議院は解散もなく、優越が認められていないのにどうして存在するのかと思われている人も多いかもしれません。そして、タレント議員と呼ばれる人が多いのも参議院です。今回は参議院議員選挙を踏まえて、参議院について書いていこうと思います。ちなみに僕は元貴族の家系でも何でもありません。鳥貴族は好きですが。




解散がないから決まった時に選挙


参議院は議員定数248名の任期6年で、半期(3年)で124名を改選し、全員が一斉に入れ替わることはありません。ですので、今回の参議院議員選挙では124名の選挙をします。参議院で一斉に議員が入れ替わることがないのは、衆議院と同時に選挙を行っている時に災害のような緊急事態があった場合に国会議員が誰もいないという事態を防ぐためです。これを緊急招集と呼び、緊急招集は内閣が参議院の招集を行い、緊急の決議を取ります。そして、衆議院選後に開かれる国会で衆議院に議決内容の承認を得ることになっています。これは憲法で規定されている非常に重要なことなです。しかし、この参議院の緊急招集は一度も行われたことがありません。だからといって今後もそのような事態が起こらないと考えられないことはないです。安易な参議院不要論は危険です。いざというときに必要な議院だと思います。
参議院議員選挙は比例区と選挙区制の併用となります。衆議院議員選挙も比例代表制と選挙区制ですが、衆議院選の比例代表制と選挙区制とは異なります。比例代表制では非拘束名簿式比例代表制を採用しており、当選人の順位をあらかじめ定めない方式です。選挙区はだいたいが都道府県単位となっており、一票の格差を是正する目的で、人口比率に応じて定数が異なります。参議院の選挙区は中選挙区制となっています。以前に少し触れたように一部の地域については合区となります。選挙制度は衆議院と異なりますが、投票時には候補者と政党名を記入して投票することになります。候補者と比例を別の政党に投票することも可能です。
ちなみに参議院は解散がなく、任期が衆議院より長いため、議員の出入りが少なく、参議院に敷かれている絨毯は衆議院と比べて、綺麗と言われています。


参議院の役割


国会は参議院と衆議院の二院で構成されています。参議院と衆議院は別組織で、雇用についても参議院と衆議院で各々していて、国会見学をするときは参議院と衆議院がそれぞれ主催しているので、見学できるところが限られています。国会全体を見学する場合は両議院での国会見学に参加する必要があります。参議院と衆議院で全く同じかと思われるかもしれませんが、実は国会内部も参議院と衆議院で少し異なります。そういったところを気にしながら見学するのもいいかもしれません。


参議院は旧憲法下の貴族院の流れを汲んでいる議院で、良識の府と言われる所以です。国会見学へ行くと参議院に置いているものに貴族院と書かれているものがあります。参議院の議場にのみ玉座が置かれ、天皇陛下が国会開会のご挨拶をされるときは参議院で開会宣言をされます。通常は衆議院議員が参議院の議場へ行くことはありませんが、このときだけは衆議院議員も参議院の議場へ赴きます。参議院のほうが衆議院より格上とされているのです。ちなみにアメリカの上院に該当するのは衆議院ではなく、参議院です。衆議院議員と参議院議員の被選挙権年齢が異なるのもこういった経緯があるからです。
本来、衆議院とは明確に区別されるべき存在であり、衆議院議員が参議院に鞍替えをするようなことはあってはならないことです。衆議院から参議院に鞍替えすることは、本来の参議院の価値を議員自ら下げていることになります。二院制不要論は議員自らが原因となって生んでいるとも言えます。鞍替えを禁止することはできませんが、ころころ鞍替えをするような人に良識が備わっているのかと思ってしまいます。今回もそういう方が立候補をされていますが、衆議院の受け皿のように思っているような気がします。言動を見る限り、彼らに良識はなさそうです。
参議院で否決された法案や予算案を衆議院が再議決したり、衆議院の議決を優先したりして、参議院の力が弱いと思われるかもしれません。参議院の力は非常に強く、否決された法案や予算についても両院協議会を開催して協議する必要があります(法案については任意で開催)。それを踏まえて、衆議院の議決を優先したり、衆議院で再可決をしたりすることになります。衆議院と参議院で議決が異なると時間が異常なまでにかかってしまいます。こういった状態をねじれ国会と言い、時の政権運営に大きな打撃を与えます。
法律的な面だけなく、参議院選の結果はその次の衆議院選挙に影響を与え、政権交代の行方を占うほどです。2007年の参議院選では民主党が与党になり、2009年の衆議院選で衆議院でも与党になり、政権交代が起こりました。そして、2010年の参議院選で自民党が与党に返り咲き、2012年の衆議院選で政権を取り返し、第二次安倍政権が誕生しました。参議院選の結果はその後の政局へ大きな影響を与えます。



最後に

参議院は解散がなく、タレント議員が多く、楽をしているのではないかと思われるイメージがあるかもしれません。参議院に解散がないのは緊急事態に備えるためですが、タレント議員が多いのは他の仕事と兼務しやすいからと言われています。まじめに働いているタレント議員の方は別ですが、政党が客寄せパンダのように擁立し当選させたような議員はタレント議員であろうがなかろうが関係なく、国民をバカにしているとしか思えません。そして、衆議院と参議院を行き来するような議員も議員に相応しくありませんが、知名度だけで通ってしまうこともあります。参議院選は直接政権交代に関わる選挙でないため、各党、様々な話題を引っ張ってこようとします。それが政策ではなく、それ以外の部分で話題になってしまうのは悲しいことです。参議院選もれっきとした国政選挙であり、ふざけた気持ちで立候補するようなものでなければ、投票するようなものでもありません。参議院の本来の役割を戻すのも国民の大きな役割です。参議院をいい方向に持って行くも、悪い方向に持って行くも、我々国民次第です。

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