#8 コロナウィルス入院記-DAY3
隔離病棟生活3日目。
目覚ましもないまま相変わらず5時に起床。熱は37度と下がってきた。
アルコールやタバコや糖分のない、ここではごくあまり前のルールに、「ここはインドか?」と精神を試されているような気がする。朝の一言はいつもネガティブだ。
毎日こっそりボールペン字を練習していたせいか、看護師さんやスタッフの方に字を褒められることが多く、それは、毎度の食事よりも嬉しい一瞬だった。
相変わらず食欲は湧かず、病院の気遣いなのか、ご飯にソースを添えていただいていたのだが、この日も野菜とスープしか食べることができない。きんぴらや酢の物の匂いも分からず、食感と僅かな味覚で判断するのみだ。
「誰かが作ってくれた物なら、食べられるのかな。アーンして貰えたら食べれるのかな。テレビを観ながら、映画を観ながら、なら、ながらご飯でも食が進むのかな」なんて考えつつ、考えても惨めなだけだと我に戻る。
この日の敗因は、たまたまKindleにダウンロードしてあった「パラサイト〜半地下の家族」を観てしまった事だ。映画の感想はともかく、入院中に観る作品ではなかった。入院中のパラサイトは絶対にお勧めしない。
膨らみきった寂しさから、今まで(聞きたくても)聞きづらかった、退院予定日について医者に問うてみた。-「症状によるとは思いますが、退院の目処は一般的に何日ほどなのでしょうか」。
ところが、たいていのことはそうであるように、お医者様の回答はアッケラカン。症状に改善が見られるようなら、まずは、状況次第で一般の個室病棟に移動するという点。また、2度のPCR検査で陰性と判断されてからの退院なので、目安としては、早くて5日から7日が一般的だそうだ。
「まだ先は長そうだなぁ、またあの痛いPCR検査かぁ、嫌だなぁ」と、消灯の時間を待つ3日目の夜だった。
眠れない4日目に続く・・・。
追伸
映画「パラサイト」は、帰宅後精神が落ち着いてからもう一度鑑賞しました。個人的にアカデミー賞はどうなんだろう、、、という感想ですが、星は4。ラスト問題は脇においても、冴えないおじさんが暴走する系の作品は好みです。
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