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だいたい夜はちょっと…

 秋の夜は、きのこ帝国の『金木犀の夜』を聴きたくなる。ただでさえ、人恋しくやりやすい季節なのに、余計感傷的になってしまう。

 
 
 木曜の夜中は特にそうなる。理由は明白だ。TVerで『silent』を観るからである。


 
 僕は基本的にリアルタイムで放送中のドラマはあまり観ない。学生の時は話題についていこうと、必死だった。だが、AmazonのprimevideoやNetflixなどのサービスが浸透するにつれて、テレビを観ないと話題についてこれないという状態に陥ることはなくなった。煩わしさが半減され、生きやすくなった。
 話題になったドラマはあとでチェックはしていた。年間多くのドラマが放送されても、後々まで話題になるものはほんのわずかである。
 後から観た方が本当に面白いドラマを観ることができるのも理由の1つだ。
 そんな僕がsilentだけは毎週欠かさず観ている。YouTubeでたまたまタイムラインに出てきたsilentの予告動画を観て、これは観ないといけない!と確信した。
 俳優陣の演技力はもちろんだが、僕は言葉の使い方に惹かれた。耳が聞こえなくなるからこそ、言葉に力を入れているような気がした。
 
 第4話を観て(まだ観てない方は読むのをやめてください。今言っても遅いか笑)、誰の言葉かは覚えていないが『笑わせてくれる人より、笑いのツボが同じ人と一緒になるといい』みたいな言葉を思い出した。
 紬がおすすめしてくれる音樂や映画も、相槌しか打てない奏斗。想だったら「これもいいよ」とか言って新しい音樂や映画を勧めて、2人の世界に浸れるんだろう。
 耳が聞こえなくなっても、笑顔で会話をしている2人を見て、主成分が優しさで出来ている湊斗は2人の邪魔をしちゃダメだと感じたのだろう。
 付き合っているとふいに、元恋人の影を感じてしまうことがある。過去はどうしようもないから気にしてもしょうがないと普通なら流すことができる。
 だけど、湊斗の場合はそうはいかない。元々紬と想と同じ高校で、2人の関係を知っているからこそ紬の相手は僕じゃないって思ってしまうんだろう。知らなければ苦しくないのに…

 結局紬と想が結ばれるんだろうけど、それまでに繰り広げられる人間模様を毎週楽しみにしている。

 

どうでもいいふりしても
きみが好きなアイスみつけて
深夜のコンビニで急に引き戻される

きのこ帝国『金木犀の夜』

 湊斗の場合はコンビニのアイスじゃなくて、ファミレスのハンバーグで紬を思い出すんだろうな。

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