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推しがいる世界はいつだって明るい

20代も最後の歳になり、最近少しずつ自信を持って言えるようになった。
わたしには、人生をかけてやりたいことがない。

大学生になった18歳のときから、やりたいことを必死に探してきました。
大学には優秀な人ばかりいて、みんなそれぞれ何かしらやりたいことを持っていたような気がします。
就職してからも、みんなやりたい仕事やプライベートでの趣味を持っていて、上司と面談をする度、転職をする度にやりたいことを聞かれては、それっぽいことを言ってごまかしてきました。

やりたいことを持っていて、それに一直線に向かえる人になりたかったし、今でも羨ましい気持ちがあります。
一点のゴールに向かっていけるから、しんどいことがあっても耐えられるんだろうなと思っていたのです。

でも最近、世の中には他人のやりたいことを支える役割を担う人の方が大多数で、それも胸を張って良いのだな、と思うようになりました。
偉業を達成した人にスポットライトを当てたり、能力がある人同士をつなげたり、彼らが一直線に前に進めるように道を整備したり…それも立派な生き方だなと心底実感しているのです。

そうはいっても現実の日々はしんどいことも多い。
真っすぐな努力だけでは解決できなかったり、思い通りにいかなかったり。そんな時に両足でしっかり立っているためには、娯楽、エンタメが必要なのだと、最近やっと実感しています。

強い信仰を持っている人が比較的少ない日本では、現実を生きるためのファンタジーを供給するビジネスがとても盛んです。
アニメ、マンガ、アイドル…などのファンタジーが、エンタメとしてたくさん世に出ています。

しんどい時にネガティブな時間から逃れられるのは、没頭すること。
やりたいことがある人にとっては、没頭の対象は「やりたいこと」なんだと思います。
でもそれがないわたしたちにとっては、エンタメを没頭の対象としても良いのかもしれません。

明日に希望を持って明るく生きていくために、エンタメは必要不可欠。
推しがいる世界はいつだって明るい…!

しかしそれが娯楽の範囲を超えて、依存になって自分の生活の質が落ちたら台無し。
その距離感はなかなか難しいけど、周りに迷惑がかからなければ、自分の未来を暗くしないさじ加減であれば良いのかな、と今は思っています。




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