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#8『インサイド・ヘッド』

梅雨開けしましたね!
長かったなジトジト期間。
例年よりも低気圧によって体調が優れないと感じる日が多かったように思います。
と言いつつも、あの頃の憂鬱さは何処へ、今はもっぱら暑うううって言ってる日々。夏が好きだからいいんだけど。

忘れちゃうんだな、人ってのはね。

喉元すぎればなんとやら、ですね。

このコロナの日々も私の6歳の甥っ子が大人になった時は「そっか、覚えてないか、大変だったんだよあの時は」って昔話になるんだろうなっていつも想像したりしています。その時にはもっと良い世の中になっていますように。

では、
#try_of_girl
#土曜は映画の日
今週のお題映画
『インサイド・ヘッド』
今日は長いから(笑)さっさと行ってみよう!!本当に長いので暇な時に読んでねー(笑)



『インサイド・ヘッド』原題は『Inside Out』ですね、2015年公開のアメリカのアニメーション映画。アメリカでは2015年6月19日、日本では2015年7月18日に公開された。そう私の誕生日なんですねぇ!これ誕生日に観に行った記憶!んで感動しまくって速攻で2回目観に行きましたね。これめちゃくちゃ脇の話ですけど、これまた大好きなピクサーの『トイストーリー』の3と4も私の誕生日前に日本公開したんですね、いつも「ピクサーからの誕生日プレゼント」って思ってワクワクして劇場に向かってます毎回。

同時上映は『南の島のラブソング』ピクサーの長編映画第1作である『トイ・ストーリー』の全米公開から20年後にあたる2015年に本作が公開されたため、「ピクサー長編アニメーション20周年記念作品」とされている。ちなみに、原題の"Inside Out"は「裏返し」という意味。第88回アカデミー賞長編アニメーション賞など多数の賞を受賞しています。


あらすじ

アメリカのミネソタ州にライリー・アンダーセンという女の子が生まれた。と同時にライリーの頭の中には、ヨロコビという感情と、少し遅れてカナシミという感情が生まれた。やがてライリーの成長と共に、曲がったことが嫌いなイカリ、嫌なものを遠ざけるムカムカ、心と体の安全を守るビビリという感情も生まれる。彼ら5つの感情はヨロコビをリーダーとして、現在11歳であるライリーの頭の中にある「司令部」で彼女の人生を幸せにするために日々奮闘している。


これは、あなたの物語

私の人生ベスト5本に入る勢いで大好きで折に触れて何度も見返している映画です。この映画キャッチコピーが「これは、あなたの物語―」なんですけど、DVDには収録されていませんが劇場版では映画が始まる前にピート・ドクター監督が映って私たちに「これはあなた達の物語です」って一言お話してくれる、なんてシーンもありましたね。日本のテーマ曲ドリカムさんの「いとしのライリー」事件もありましたが(笑)これは時間があったら話します(笑)

さてこれがなぜ「私たちの物語」なのか。本当にこの映画めちゃくちゃ良くできていて、あ、私はピクサーの人たちを狂人集団だと思っていて、むしろもうバカじゃん!!って思うくらいすごい人達だと思ってるんだけど(笑)物作りに対してのこだわり方とか大好きすぎるのですが。この映画のすごいところ1つ目は、作品の構造が何重にもなっているところ。11歳の女の子ライリーの成長物語という視点、5つの感情が脳内で困難を乗り越えながら冒険するという視点、この時点で2つね。感情たちはライリーの頭の中で起きてることなのでもちろん相互関係にあるんですけど、それぞれの物語が存在するんですね。それから、これは単なる感情の説明とも言えるから普通に私の頭の中でも起こり得ることなんですね、だから私のお話なんです。誰にでも当てはまること。それから、親の視点もあるんですね、ライリーの両親が子を見る視点もある。ちなみにヨロコビがライリーに、はたまたカナシミに起こす行動や思うこともこれ親目線と言えるんですね。
こうやって普通にストーリーを追って楽しみ感動して、でもそれが自分に跳ね返って来て、自分の過去とかを反芻して、私は子供いないけど甥っ子と姪っ子が大好きなので2人のこと考えたり、その母である姉のことを考えたり、自分の両親のこと思ったり、もう感動や思いが何重にも何重にもなる。それがこの映画のすごいところで、「あなたの物語」の意味なんですね。


自分の成り立ちを目に見せてくれる

脳みその話を可愛くポップにかつめちゃくちゃ分かりやすく上手に描いてる。これがほんとうにすごい。それで、細かーーく観ていくと冒頭5分に私が好きなところ、感動が詰まってるので、マニアックにその説明を。冒頭で何故そんなにワクワクするのか突き詰めました!まず、ライリーが生まれた時に暗闇から光とともに現れるヨロコビ。産まれた時にいるのはキラキラと光放つヨロコビだけなんですねぇ。この時にヨロコビが押すボタンは1つなの、大きなボタン1つこれを押すとライリーがニコニコ笑うっていうシステムなんだけど。ニコニコ笑うと両親の喜びも嬉しくなる、喜びが相互に影響しあっているということ。そしてその喜びが大切な思い出となって脳内に金色の(黄色はヨコロビ色)ボールが作られる。それが記憶になる、という仕組みなんですが、時折「特別な思い出」という特殊なボールが出現します。このボールは特別な場所に保管されて、その場所から「性格の島」が作られる。自分にとって特別な出来事が自分という人となりを形成するという仕組み。
これがね、この仕組みを5分くらいで説明するんだけど、これって私たちが知らずに、というか理解せずに経験している、体感してきたことだと思うのね。私の大切な出来事、思い出が私の性格を私という人物を作り上げてきた、っていう。今まで何となくふんわり感じてきたことを映像にして説明してくれることが「わぁ!すごい!そうなの!!」というワクワクに繋がってると思いました。ほんとうにワクワクするのここ。


5つの感情の役割

そして2人目に現れるのがカナシミちゃん。カナシミ本当に可愛くて大好き、人気でしたよね。ちなみにディズニーシーでカナシミのコスプレしたのがインスタに上がってます(笑)ははは(笑)そして次がビビリ、安全を守るのが得意。ムカムカはライリーが嫌な目に遭わないようにしてる。イカリは曲がった事が大嫌い。っていう説明があったのちに、「そしてもう紹介したよね、カナシミ。でも何をしてるのかよくわからない」と。これで物語が始まるんだけど。ビビリの「今日も死ななかったね文句なしの1日」ってセリフが好きなんだけど(笑)5人でライリーを守ってるんですね。

これ気づいたんだけど「喜び1 vs 所謂負の感情4」なんだよね。5人で1チームだからvs構造じゃないんだけど、でも数だけだと負の感情の方が多いんだなって。つまり大切な感情なんだなと思いました。守るためには負の感情が必要なんだなと。最近「怒り」について考えているところなので勉強になりました!

でもね、これ司令塔はヨロコビなんですよ。これは元々持ってるその人の性格っていうことなんだと思うんだけど、司令部5人の中でもまとめ役リーダーがいて、これパパやママの頭の中は違う感情が司令塔なんだけど、ライリーはヨロコビ。何か出来事があるとヨロコビがまず動いたり頑張る。だからここで「ライリーは優しくて人の為にポジディブであろうとする子」ということが分かる。これは感情の問題じゃなくて、ライリー自身の性格に由来するんだと思う。(なぜヨロコビが司令塔かは描かれていない。性格は環境由来もあるけど生まれつきもあるよねやっぱり、と考える。)でも5人とも目的は「ライリーを幸せにすること」だから敵対はしないし互いの意見も聞くんだよねそれが面白い。


引越しから一転…

ここでライリー一家の引越しが決まります。このお話、監督のピート・ドクターが娘に起きた変化、今まで元気にごっこ遊びしてたのに突然シャイになった、などが気になって物語を着想したとのことなんですけど(どこかで引越しを機にって記事観た気がするんだけど見当たらない…)ライリーは引っ越し先で困ったパパとママを助けるために元気に振る舞う、ヨロコビが沢山仕事します。でも、ある時から突然カナシミがいつもと違う変な行動をとり始める、カナシミも「ごめんなさい、私どうしちゃったのかな」と。変な行動というのは特別な思い出のボールに触ると金色がカナシミ色のブルーになっちゃうんですね。それをダメダメ!触らないで!ってヨロコビが止めるんだけど。これ、今回観てて発見したのが、いつからカナシミが変な行動とり始めるのかな?って。それがね、引越しのトラブルで荷物が届かないってなった時にカナシミが「ここは私が…」ってカナシミボタンを押そうとした時にヨロコビが「ちょっと待って」ってカナシミを制して「来るときにピザ屋があったね!」って話をすり替えるんですね、ママ達の気持ちをほぐす為なんだけど。たぶんここからなんだよね。つまり!ヨロコビがカナシミを押さえ込んだ時からちょっとずつおかしくなるんですね。

んで、何故触っちゃったかってこれも明確には描かれてないんだけど、私が考えたのは「過去のキラキラした大切な思い出が今の私にとっては悲しい出来事になっちゃった」ってことなんだよね、カナシミちゃんが思い出ボールをブルーにしたくなったんだと思う。そういうことってあるよね。思い出を美化するのと反対に、あまりに美しくて嫌に思ったりすること。そういうことなんじゃないかなぁと。

カナシミの日本語吹き替えは大竹しのぶさんなんですが、本当お上手だし可愛い。製作チームが「カナシミの中にも感情がありその表現の仕方に苦労した」って言ってるんだけど、大竹さんはそれを見事に。カナシミの中の喜びが可愛いんだよね必見です。

そしてここで事件が起きます、転校した新しい学校での自己紹介の時、ミネソタでのことを楽しく話してたのが突然思い出して悲しくなってクラスメイトが見てる中で泣いちゃうんですね。この時脳内では、ヨロコビとカナシミにいさかいが起きてもみ合ってる中で誤って2人と、性格を形成している特別な思い出ボール5つが思い出の保管場所に送られちゃうんです。司令部から2人と5つが無くなってしまった。するとライリーはぽっかり感情が無くなってしまったかのように呆然とし始める。この表情がアニメーションと思えないのよ、すごいの。んで、2人が特別なボール5つを抱えて司令部に戻る、というお話なんですが。ここまでが長い(笑)ごめんね(笑)

戻る中でヨコロビがカナシミの必要性に気づいていく、という話なんだけど、その気づいていく過程や、気づいた結果にとるヨロコビの行動、そしてその先に待っている結末、言わばライリーの人生。それを是非見届けてください。

視点の話に戻るけど、最後によく分かるのが、ヨロコビのカナシミに対しての行動や気づきは親からの子へのそれと重なるところがあって、子供に託すとか子供を信じるとか、つまり子離れの話にもなってるんだね、これ。まじですごい。

生きること、成長すること、大人になることってどんなことかが全然言葉や台詞では説明されないけど、至る所で感じることができます!


言いたいこといっぱい!

もう言いたいことだけばーーーーと言いますので(笑)これ以降は気になる方は観た後にチェックしてみてください!

ビンボンというライリーが小さい頃絵で書いた架空の生き物、たくさん遊んでいたお友達がいるんだけどその話は絶対にしたいけど、そろそろ終わらなきゃだけど(笑)もうずっとお呼びがかからないビンボンが、このストーリーの中で取る行動がどんなことを意図しているのか。ここはストーリーとして普通に感動するんだけど、これは自分の過去に対する、なんというか、懐かしむ気持ちと悲しむ気持ちと…もう本当にここはすごいから!みて!(笑)

忘れろー!おじさんと勝手に呼んでるお掃除屋さんとトリプルデント♪の話もしたいし、もうすっごいこの現象共感するし(笑)

「事実」と「意見」がそれぞれ入った箱が2つ、「考えの列車」に乗っててそれをヨロコビがぶちまけちゃって戻そうとすると「ごめん!でも見分けがつかないね…」「みんなそうだから大丈夫」っていうピクサーギャグも好きだし

ライリーの性格の島である「正直の島」が崩れてその結果「考えの列車」が止まっちゃうことも今回発見したし

ヨロコビ自身が光源になってて、彼女の影(アニメーションで生き物として成立させるための影)を表現するときに光源だから影は光で。ヨロコビが近寄るとカナシミの顔に光が当たるんだけどその表現の仕方とか、つまりそれは近さの表現であるってこととか、

ライリーがピーマン食べるのを嫌がるシーンがあって子供の嫌いなものとして日本版ではピーマンなんだけど、字幕版見たらブロッコリーに変わってて仕事細けえええええ!って叫んだ(笑)アメリカではブロッコリーなんだって!

私が心のことや感情とか考えるということにすごく興味があるから尚更なんだと思うんだけどものすごく面白い作品です。是非見てね!


次回

8月8日(土)
20:00頃配信予定

次回は『万引き家族』
やっちゃうよー!

#try_of_girl としてはこれが最終回です!









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