ヤムーの大冒険 第1章 第32話 大木ベンチキャンプにて〜31日目〜
「またジャック・グロウかっ、チキショウ!
触るものみな傷つけてやがるなぁっ!このディッチ様がやつのクチバシを一生つつけねぇようにしてやるよっ!」
5年間奉納しているミッケでさえガブライズを見たことがないとは、どういうことなんだろうか?
「とにかく、ガブライズ族についてひとつ残らず情報を出せっ!他は?」
「あっしが奉納している食糧は小松菜や芋、菜の花、魚、木の実などでやんすが、ガブライズは絶対に口にしないと聞いています。奴の手下が食べる為の食糧だそうでやんす。」
「えっ?じゃぁガブライズは何を食べてるんだ?」ヤムーは聞いた
「ガブライズは肉やパン、パスタ、米など人間が食べるものしか食べないそうでやんす、、あっ!ただ一つ、チャオチュールに限っては猫の食べ物を食べるそうでやんす。チュルチュル吸うやつでやんす。」
ヤムーは首をかしげた。
あまりにも話が異次元過ぎているので、すんなり受け止められないのである。
「他の情報は?」
「たぶんでやんすが、外の世界はジャック・グロウに一任しているでやんす。だからガブライズはもうここ数年、外の世界には出ていないみたいでやんす。」
「ただの引きこもりじゃねぇか、クソ猫ガブライズはっ!」
「あっしもビッグストーンタウンの中のエントランスにしか入ったことがないでやんすが、尋常じゃなく広いでっせ。」
「えっ、ビッグストーンタウンの意味がよく分からなかったけど、あの石の下に広い街があるってことかっ」
「そうでやんす、エントランスの奥にビッグストーンタウンの入り口があるのですが、その先は入れた者はいないでやんす。」
「そのエントランスには、何人くらいの警備がいるんだ?」リッキーが切り出した。
「そうでやんすねぇ、ざっくり〜50人くらいでやんすかねぇ」
「マジかよ〜!俺たちエリザベスとメリーを抜いたら10人だ。お前を入れて11人。エントランスで派手に暴れるしかねぇなぁ〜マット。わっはっはっ。」
ヤムーは天井を見つめたまま考えていた。
「リッキーさん、明日ミッケが食糧を奉納する時に、我々も一か八か攻め入るしかないですね!」
「まぁ、命の保証はなさそうだが、、それしか選択肢がなさそうだね」
リッキーの表情は落ち着いていた。
「待ってくんせーよ、まさかあっしも攻め入る一員に入ってないでやんすよね?」
「弱猫めっ!テメェなんぞに意思はねぇんだよ!
問答無用で特攻隊長だよ。それとも、今死にてぇか?」
「ひぇ〜わかったでやんすよ〜、ディッチさん勘弁でやんすっ」
「わっはっはっ、わっはっはっ、」
最高に緊迫している場面だが、ディッチとミッケの掛け合いでみんなが笑った。
「話は決まった。みんな明日はついにミッケの後ろに付いて食糧を運ぶ人手として潜入を試みる!
チャッピー、チャーチル、ケリー、パギンスは今から追加でもっと沢山の食糧を集めて来てくれ。
リッキーさん、マットさん、ボッツ、ディッチは今すぐ作戦会議に入る。ではそれぞれ解散!」
明日はついにガブライズ族のビッグストーンタウンへの突入が決まった。
チームヤムーの未来はいかにっ?
【お知らせ】
ここで第一章は終わりです。
ここまで読んで頂いた皆様、誠にありがとうございます。
ここまで先を決めず、とにかく思いつくままに描いてきました。
第二章も先を決めず、思いつく限り描いていきたいと思います。
もしよろしければ、第二章もご愛読よろしくおねがいします。
では第二章でお会いしましょう!
マイスカーより愛を込めて。
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