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【ネタバレ】ゲーマーだから泣く『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』のクヴァシルの詩に秘められた真実。

はじめに

年末年始にかけて、ずっとプレイしていたゲーム『ゴッド・オブ・ウォー  ラグナロク(以下 GoWR )』をついにクリアしました。前作をはるかに凌駕した迫力あるグラフィックや演出、そして練られた物語に終始感動しっぱなしでした。こんな素晴らしいゲームを世に届けてくれた SIE サンタモニカスタジオ社に向けて日々感謝の祈りを捧げています。

クリアしてからというもの、まだまだ北欧神話の世界から離れたくないのかちょっと放心状態になってしまい、積まれたゲームたちを横目にトロフィーをコンプリートしてしまいました。神々が登場するという点でも面白さという点でも、まさしくまごうことなき神ゲーでした。

PlayStationプレイステーションのゲームにおいて、ゲーム側がプレイヤーに向けて用意したミッションのようなやりこみ要素をトロフィーと呼び、すべて獲得することを略してトロフィー・コンプリート略して「トロコン」と言います。好きなゲームに対してプレイヤーができるひとつの愛情表現とお考えください。

念のためとなるトロコンの証拠画像

さて、トロフィーを獲得していくにあたり、どのゲームにおいても往々にして「○○をすべて手に入れる」といった地道で手間のかかる収集ものがトロフィーとして設けられているのですが、GoWR も例に漏れず「クヴァシルの詩」を全部集めるというミッションがあります。現実でもゲームでもコレクション系が苦手な私は「うわあ、まいったなあ、こりゃあ」と井之頭五郎のような渋い顔をしながらインターネットの力に頼り、やっとのことでその収集を終え、ほかのトロフィーも残さずすべてこの手に収めました。

9つもある広大な世界を端から端まで探索し、ようやくトロコンにたどり着いた私はじわじわと滲む達成感とともに「クレイトス主人公(父)アトレウス主人公(息子)!終わったよ…」とジョジョ3部の最後のようなテンションで、特段意図もなくクヴァシルの詩を眺めていました。合計14作からなる詩集なのですが、各々で内容が連なってもおらず部分的で、「ふむ、それで?」と頭をかしげてしまうような言葉ばかりが綴られています。

クヴァシルの詩「空虚からの日の出」

北欧神話に詳しい方ならなにかしら理解できる詩なのだろうか、と思いながらも、せっかく集めたので一通り読んでいきました。

クヴァシルの詩「生き延びた者たち:第二部」

……あれ?

とある情景が脳裏に浮かびました。それは GoWR のものではなく、『ゴッド・オブ・ウォー』シリーズの過去作でもなく、しかしどこか懐かしさを覚えるような。

少し考えてから、突如トール神の雷撃が頭に落ちたようでした。慌ててほかの詩も読み、うっすらとしていた仮定は、次第に確信となりました。

クヴァシルの詩は、ほかのゲームタイトルを表している。

カッコよく表現するなら、GoWR に仕込まれたイースター・エッグ開発者のユーモアがクヴァシルの詩だったのです。

以降では、クヴァシルの詩のそれぞれがどのゲームについて語っているのかを述べていきます。ゲームに詳しい方は、まず詩だけを読んで、謎解きクイズのようにどのゲームタイトルかを考えてみるのも楽しいかと思います。

ストーリーに関するネタバレは一切ありませんが、もし今後 GoWR をプレイする予定のある方がおりましたら、ぜひご自身で集めてお読みいただくことをオススメ致します。

01. 空虚からの日の出

クヴァシルの知性から生み出された、無慈悲な天才の物語

親愛なる読者諸君へ贈る
金切り声を響かせ大空を翔け
大海を渡り
大地を闊歩する
鉄からできた獣
かの獣を討ち取るは
とある女戦士
出自は誰も知らぬ
血のように赤い髪を揺らし
泥に埋もれた
禁じられし地を探す
うら若き乙女は何者か
その真価は底知れず
彼女こそが人々の救い手であり
怪物どもの討伐者である

『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』クヴァシルの詩「空虚からの日の出」

最初の詩なのもあって、幾段わかりやすく書いてくれているのかなと思います。それでも「別に気づいてくれなくていいよ」という感じがヒシヒシとあり、だれしもが語りがちな世の中であえて多くを語らない大人の背中、粋にもほどがあります。

画面右側に表示されている本の装丁もヒントになりました。この詩は『Horizonホライゾン』シリーズを表しています。

鉄の機械を倒す赤髪の女戦士といえばもうアーロイしかいません。タイトル中に「日の出Dawn」を入れている巧みさも好きです。

2作目である『Horizon Forbidden Westホライゾン フォビドゥン ウェスト』は、一段とグレードアップした美しいグラフィックにスクリーンショットを撮る指が止まりませんでした。10枚くらい貼りたい気持ちをぐっと堪え、特にお気に入りのものをこちらに掲載させてください。

02. 大地で催されし大いなる球宴

あまねく詩人の頂点に立つクヴァシルが綴った詩

軍が編成され
つわものが九人顔を揃える
大いなる戦に備え
十分な休息と食事を得る
宙に浮かぶ球体
手に握られる枝葉
振ればたちまち火花が散る
立ち尽くす見物客
九度昼と夜を迎え
兵は休みなく戦う
自らの力を示さんと
走っては待ちわびる
幸いにもついに時は来た
一方の軍は敗れ去り
一方は凱旋を果たす
敗者は消え去るのみ

『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』クヴァシルの詩「大地で催されし大いなる球宴」

とりあえず野球を指していることだけはわかったためインターネットの力を拝借した結果、『MLB The Show』シリーズだという結論に至りました。

野球ゲームなら『実況パワフルプロ野球』や『プロ野球スピリッツ』もあるのでは? という声が聞こえてきそうですが、おそらくクヴァシルの詩にはひとつのルールがあります。それはソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)社ないしその関連会社が制作開発した独自のコンテンツIPであることです。ですので、世界的に人気のあるタイトルであったとしても、Nintendo Switch の『スプラトゥーン3』は詩集には入りません。たとえ PlayStation でプレイできるゲームソフトであったとしても、スクウェア・エニックス社が手掛ける『FINAL FANTASY』シリーズや『ドラゴンクエスト』シリーズは除外されます。そのルールを説明しているような箇所は詩やゲームのなか含めて存在せず、あくまでも14の詩を推測していく際に私が気づいたものでしかないのですが、ゲーマーの魂がそう断言しています。

03. 生き延びた者たち:第二部

まごうことなき才を持つクヴァシルが記した心揺さぶる詩

生きる意味とは?
死ぬ意味とは?
唯一の違いは
見届ける者の目だろうか
病が体を蝕むとき
憎しみが心を曇らせるとき
狂気と正気の線引きは
いったいどこに生まれる?
髭を蓄えた容赦のない父親と
血のつながらぬその娘は
殺戮にまみれた一生を歩み
ついぞ気が休まることはない
善きものと共に
悪は滅ぶ
その両者の違いは
時と共に忘れ去られる


『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』クヴァシルの詩「生き延びた者たち:第二部」

「病が体を蝕む」という点からウイルスが想像でき、「髭を蓄えた容赦のない父親」と「血のつながらない娘」、そしてタイトルに「第二部」とあることから、『The Last of Usザ・ラスト・オブ・アス』シリーズだと考えられます。

現在パート2までリリースされていますが、双方ともに最高傑作のゲームで、感情がめちゃくちゃになります。もともと涙腺が弱いという前提はあれど、詩を読んでいるだけで涙が出てきたほどです。

下記はただの宣伝なのですが、パート2をクリアした記念に私が書いたレビューです。ありがたいことに多くの皆様にお読みいただき、10万を超える異常値のPVとなりました。改めてこちらに再掲させてください。

04. 道具と歓喜

クヴァシルが綴る兄弟愛の物語

鋼鉄と毛は
思いもよらぬ友情で結ばれ
共通の目的を持ち
壮大な結末に向け
共に歩む運命にある
両者は互いから引き剥がされ
仇敵は追い打ちをかけんとする
そして新たな味方も現る
数々の世界を救い
その背には仲間の姿
知恵ある二つの機械と
残された二体の――

(原稿はここで途絶えている。ページ下部の署名は判読できない)


『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』クヴァシルの詩「道具と歓喜」

気づくひとはすぐさま気づくような内容だと思うのですが、恥ずかしながら私はこちらのゲームをプレイしたことがなく、「道具」や「毛」といった表現、そして装丁から推してようやく『ラチェット&クランク』シリーズではないかという結論を出しました。

「原稿はここで途絶えている」となっているのは、『ラチェット&クランク』のオマージュなのかとても気になります。近いうちにプレイせねばなりません。

05. 余生の奔放

本作はクヴァシルの才器の結晶であり、理解できぬ読み手は無知であると言えよう

棒切れ、縄
ヤニ、黒
皮膚、手形
赤子、泣き声
雨、悪臭
死、浜辺
幼虫、美味
爆弾、排尿

『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』クヴァシルの詩「余生の奔放」

いかにもシンプルイズベストといった風で、一見すると無味乾燥な単語の羅列なのですが、刺さるひとにはすべての言葉が突き刺さるのではないでしょうか。

コジマプロダクション社が世に送る『DEATH STRANDINGデス・ストランディング』です。先日続編が発表されたことでも話題となりました。

デスストDEATH STRANDINGと言えば安部公房の小説『なわ』であり、また装丁がアメリカ合衆国の地形をしているのも大きなヒントとなりました。

06. 寝起きのひらめき

本作を通じ、クヴァシルは読み手に物語を紡ぎ出す手法について説く

ひらめきは寝起きに来る
横になってまどろみ探検家を待て
妖精が創作欲をもたらし
音楽が鳴り響き、喜びはたまた恐怖が訪れる
空想に満ちた世界の中で
終わりなき創作に身をやつせ
この世に存在する唯一の枷は
己の想像力のみ

『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』クヴァシルの詩「寝起きのひらめき」

こちらは体験版をほんの少しプレイしただけで本当に恐縮なのですが、装丁のふわふわしたキャラクターから推測しました。『リトルビッグプラネット』シリーズを制作したメディアモレキュール社の新作『Dreams Universe』です。

プレイヤーがゲームそのものを作れるというまさしく夢のようなゲームです。その内容も詩とリンクしていると感じました。

07. 壁の中の妖精

クヴァシルが記す、絵の力を示す物語

筆を携えた心優しき少年が
絵の具の乗りそうな壁を見つける
描き出された遊び心溢れる妖精は
見る者すべてを喜びで満たした
がらんどうだった町は
いまや色彩と笑い声で溢れている
少年は単にきっかけを生んだのではなく
正真正銘の英雄だ
その使命は我が家を守ること
海から波が打ち寄せ人がどこかへ去ろうとも
彼は創造力という武器を手に
青、赤、紫、黄緑で余白を彩る

『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』クヴァシルの詩「壁の中の妖精」

「筆を携えた心優しき少年」と読んだ瞬間にピンと来ました。度々の未プレイがゲーマーとして本当に心苦しいのですが、ずっとプレイしたいと思っていたゲームです。『アッシュと魔法の筆』です。

これを書いているまさにいま購入しました。詩とゲーム体験がどう重なっていくのかとても楽しみです。

08. 天体の構成

ほかならぬクヴァシルの手によって綴られた、考え方の幅を広げる実験的な詩

どうか見渡したまえ
向きをあらため
鋼鉄の友を導きたまえ
さもなくばその者は滅ぶ
友に救いの手を差し伸べよ
ただならぬ緊張の中
感覚を研ぎ澄まし
新たな次元へ足を踏み入れよ

『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』クヴァシルの詩「天体の構成」

「実験的な」や「鋼鉄の友」、そして装丁から推測しました。PlayStation がVR や 5 といった新たなゲーム機を発売するときに登場する(と私が思っている)キャラクターのASTROです。

「感覚を研ぎ澄まし、新たな次元へ足を踏み入れよ」という文言は、なんだか PlayStaion 5 のコントローラーである Dual Senseデュアルセンス を指しているようで好きです。

09. 地図に記されていない場所を追い求めて

俗な創作物の名手、クヴァシルが残した十四行詩

冒険のかぐわしき香りは人を惹きつける
多くを持たぬ男が一人
勇気と機知と一族の指輪を携え
宝を得ようと旅に出る

仲間や友を引き連れ
男は遠く離れた地まで巡った
立てた計画は得てして頓挫するが
それでもうまくいくのが旅の不思議

古代の遺跡で神秘を求め
手にするは長く眠りについた財宝の山
だが男は厄介な場面でしくじり
触れるものすべてを台無しにする

危機と隣合わせの興奮はいまもそこにある
その手でつかむ覚悟はあるか

『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』クヴァシルの詩「地図に記されていない場所を追い求めて」

これはもう「碇シンジくんが乗るのはエヴァンゲリオンですか?」レベルの易しい問題でした。遺跡で宝探しをするゲームといえば『アンチャーテッド』しかありません。3 の時代から、ずっと PlayStation を支えてきた名作群です。新作が登場する度、グラフィックの華麗さに心を奪われていたように覚えています。

同名を冠する映画が少し前に公開され、映画『スパイダーマン』シリーズでスパイダーマンを演じている俳優トム・ホランドが主演を務めたことで個人的に大注目を集めました。

10. 旅路

かの詩人クヴァシルが、憂いと共に綴った詩

一人旅とて傍らには誰かいる
離れ離れだが手は触れられる
長い襟巻を棚引かせ
共に芸術を描こう
沈黙でもって語り合い
世界を巡る旅へ出よう
鳥のように滑空し
砂漠にその名を刻むのだ

『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』クヴァシルの詩「旅路」

こちらも文言・装丁ともにわかりやすく、『風ノ旅ビト』がすぐ浮かびました。知る人ぞ知る『flOw』や『Flowery』、『Sky 星を紡ぐ子どもたち』を手掛けてきたThatgamecompany社が制作したゲームで、美しいアートや音楽による体験に魅了されたひとも多く、現在でも不動の名作として知られています。

本来ゲームにあって然るべきの文字がない、不思議な体験をさせてくれるタイトルです。

11. 東方の冥き道

詩人クヴァシルが手を加えた、東方の地より伝わる物語

果たし合い 男三人 道を逸れ
流るる風が 紅葉を揺らす


『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』クヴァシルの詩「東方の冥き道」

14の詩のなかで最も短い詩ですが、それでも充分に情景が伝わってきます。中世日本の対馬を舞台に元寇を描いたゲーム『Ghost of Tsushimaゴースト・オブ・ツシマ』です。「冥き道」という表現がたまりません。

手元に変なスクリーンショットしかなくて恐れ多いのですが、トロコンしたほど大好きなゲームです。

12. 未来に存在するとある組織

クヴァシルの手による、読む者を惹きつける物語

石から生まれし剣
骨から成る毛皮
炎を吹きだす細枝
怒れる血濡れの狼
鎧なき騎士
人智を超えた戦い
消えかけた望み
来たる暁に備えよ

『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』クヴァシルの詩「未来に存在するとある組織」

これは本当に難解で、はばかりながら三度目となるインターネットの力を集めてようやく「これか!」と唸りました。ヴィクトリア朝の英国とアーサー王の騎士団を掛け算したゲーム『The Orderジ・オーダー: 1886』です。

”炎を吹き出す細枝”は銃を指しているのだと思います。ハンドルを回転させてエネルギーをチャージさせてから撃つ架空のロマンチックな銃があり、それを愛用していた記憶があります。英国浪漫が余すところなく溢れ出ていて大好きなゲームなのですが、終わり方がややぶつ切りだったのが寂しくてずっと続編を待っています。

13. 紅

私、クヴァシルが綴る、血みどろの惨劇

殺戮と死
傷と溜息
血と退廃
斬撃と叫び声
注入と屈折
思案と反芻
炎は立ち消え
殺しは蔓延る
月は紅に染まり
怒れる町人は吠える
この街は監獄だ
ならば抜け出すまで

『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』クヴァシルの詩「紅」

多くの方が「みなまで言うな」という感じではないでしょうか。数多くの名言とミームを生み出し、いまなお血に酔った狩人たちの熱が冷めやらない不朽の名作『Bloodborneブラッドボーン』です。マジェスティック!

開発を手掛けたフロム・ソフトウェア社の新作『ELDEN RINGエルデンリング』の世界的熱風により、『Bloodborne』を新たにプレイするひとも増えていると聞きます。ヤーナムの血を受け入れたまえよ!

14. 死者はまたがらない

クヴァシルが油と腐臭について書いた詩

鋼鉄の馬
そして油と革
共に立ち向かう仲間たちは
崩れ落ちる
だが再起せんと
夜明けとともに立ち上がる
未来は今なお失われず
昨日は過ぎ去り過去のもの

『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』クヴァシルの詩「死者はまたがらない」

「鋼鉄の馬」はバイクを、「腐臭」はゾンビを意味しているだろうことから、この詩は『Days Gone』を指していると推測できます。

1996年に『バイオハザード』と出会ってからというものゾンビが大好きとなった私は、当然このゲームを発売日当日に購入し、GoWR 同様にクリアしただけでは飽き足らずトロコンまでしました。大量のゾンビが地を埋め尽くす世界を、自分色にカスタムしたバイクで駆け回れるこの快感。最高でした。

14の詩の最後が、まさかこのゲームを語るとは思ってもおらず、得難い感動が総身を走りました。『Days Gone』をプレイしていて本当によかった。

おわりに

クヴァシルの詩が指し示す14のゲームの説明は以上となります。

常日頃から「ゲームが好きでよかった」と思う毎日を過ごしているのですが、まさか GoWR のプレイ中にほかのゲームへと思いを馳せて、鮮やかに甦った記憶に泣くことになるとは想像だにしていませんでした。繰り返しとなりますが、開発会社の SIE サンタモニカスタジオ社に心から厚い感謝を申し上げます。

GoWR をプレイ中またはクリア済みな方はぜひクヴァシルの詩の収集を、未プレイの方はぜひ GoWR をお手に取っていただければと思います。詩集はあくまでも GoWR に散りばめられた真髄的面白さのうちの極小部分でしかなく、骨太なゲームをお求めの方にはオーディン神にかけてオススメできます。前作までのあらすじもゲーム内でおさらいできるので、これが初めての『ゴッド・オブ・ウォー』シリーズでも大丈夫です。

私が初めて北欧神話に出会ったのは『ファイナルファンタジー4』の武器である「ラグナロク」でした。それが本来なにを意味しているかも知らず、最強の武器として愛用していました。私たちが親しんでいるファンタジーものは、その多くが英国の小説家トールキンによる『指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)』を源流としています。そして『指輪物語』は、北欧神話を理解・分解・再構築したものだと聞きました。あの歴史的大作『進撃の巨人』も、北欧神話の要素が随所に見受けられます。北欧神話は現代のエンタメに必要不可欠であり、たくさんの物語に色濃く脈々と継承されてきています。

その北欧神話の源泉そのものの魅力を、どこまでも体験できるのが GoWR です。ゲームって、本当に最高ですね。

お読みくださりありがとうございました。


どうでもいい追伸なのですが、クヴァシルってめちゃくちゃヘビーゲーマーだなと思いました。


▽ミリアッシュは東京都府中にあるイラスト制作会社です▽


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