見出し画像

第一回『ポンコツ書き出しチャレンジ』総評!


皆さん、みょーです。

あっという間にこの日がやって来ましたね。今日は第一回『ポンコツ書き出しチャレンジ』総評を発表します。

この企画は、僕が考えた「変な書き出し」から始まる5500字以内の小説を募集するもので、仲の良いフォロワーさんから直接の関わりが無かったフォロワーさん、初めましてとなるフォロワーさんまで色々な方が参加してくださりました。

総勢7名。賞もないヘンテコ企画に、これほど人が集まるとは。僕は嬉しくてウキウキですよ。浮き輪が要らないくらいウキウキ(?)



これ以上しゃべるとスベり散らかして取り返しがつかなくなるので本題に入ります。

がんばってテキトーに書いたタイトル画像の画質が悪くて悲しいです。しかもスマホで見ると塗りがきたねーし荒いじゃねーかよ。ポンコツかよ。

いつか書き直します🥺


前置き



この企画のゴールは「参加者の作品を褒めちぎる」です。皆さんが書いてよかったと思うような総評をしたいと思っています。上手くいくかは知りません。皆さんの感性次第(最低の丸投げ)

ということで、感想をまとめていきますが、僕は物語に対する好き嫌いがかなり激しい人間です。『エヴァンゲリオン』は絶対見るなと、仲の良い人から高確率で言われます。合わないそうです。


そんなヘンテコ人間の元に集った皆様に、感謝を込めて感想文をしたためます。好みや見つけた部分によって、感想の文量や熱量に違いが出るかもしれませんが、そこらへんは流石にお許しください。みんな優しいから大丈夫でしょうけども

また順位はつけないものの、僕が特に気に入った作品はハッキリと言います。別企画のグランプリみたいな感じではなく、純粋に一人の読者として好きな作品ということです。今回は三つです。



では、始めます。

順番は適当に決めます。色々気にされても嫌だから、お気に入り以外あみだくじで決める。そして目次も分からないようにする。



講評


一人目


一人目は投稿も一番だった当方128さん。

書き上げまでの速さから意気込みを感じました。そして書きたかったことへ対する工夫、様々なシーンから新しい書き方を試そうという意思を感じました。書き手がどのように悩んでいたかというイメージとして、暗い闇の中を手探りしつつ突っ走るような勢いと挑戦を感じました。


正直に言うと、そうやって広がった世界は不安定で気になるところも多いのですが、それだけ引っかかる部分がある=僕の文章の組み立て方と似てるのかも?という風にも思えました。どうすればもっと伝わるのか、もっと面白くなるのか、課題はあれど未来もあるような気がします。

総評にて詳しく語りますが、人にはそれぞれに合った文章のタイプがあると思います。当方128さんだけの文章、好きな物語がどのようなものか見えたような気がします。欲張りさんなんだから~


企画の一番手になってくれた勇気に感謝。

おかげさまでたくさんの方が集まってくださりました。ありがとうございました!



二人目


二人目は、初めましてで参加してくださったりみっとさん。

ストーリーがかなり好きです。変わり者の松本先生ですが、心の奥に優しさを秘めた熱い男でした。登場人物にも個性があり、それぞれがそれぞれの夢を持っていて短い物語なのに愛着がわきました。お見事。

物語の始まりから終わりまで、とてもバランスよく理解しやすいお話で最後まで楽しかったです。気持ちのいいラストも素晴らしい。おもちゃ箱に好きなものをたくさん放り込んだようなキラキラとしたワクワクがありました。


直すべき点も教えて欲しいとのことでしたので、ぶっちゃけますと具体的な説明が多過ぎるという点がかなり目立ちました。たとえると変な色のガンダムという感じです。

物語のバランスが良く、キャラクターも魅力的。それはお話から自然と伝わります。「もっと書き込んだ方が良いかな?」ではなく、「この文章はもっと削れるんじゃないかな?」という視点で、次回からは引き算を優先させると劇的に良くなると思います。


例えば「煙草を吸う」というワードだけで、火をつけて吸って煙をフーっと吐くところまで読者は想像がつきます。その行動のどこをカットしてどこを描くか、そうした視点で要らない言葉を削りまくってください。

自分の書きたい気持ちと、読者の読みたい気持ちのバランスを取れた瞬間、更に面白い作品が書けるようになると思います。

僕からのアドバイスは、無くても成り立つ言葉をとことん削ってみるです。下書きでもよいので、お試しくださいませ。


勇気を出して参加してくださって、ありがとうございました!次回からは先輩としてふんぞり返ってください!(違う)



三人目


三人目はバジルさんの作品です。

「ザクザクやっちゃってください」とのことでしたので先に言っておきますが、この作品は小説のタブー的なものをしてしまっていました。詳しくはまたの機会に話しますが、それが起きたのも挑戦する姿勢があったからなのかな~、と感じました。


多くのチャレンジと重めな物語。僕のイメージは重たくて冷たい鉄の箱でした。何か意図があって文章のテンションを低く設定しているのだろうと、伝わるものはありました。ただ難しいことであるということ&やっちゃったタブーはそのうちお伝えします。

そして工夫がこもったストーリーと文章量はあっぱれ。ここまで力を込めてくださったことが素直に嬉しいです。

作業量?といっていいのか分かりませんが、参加者の中で最も大変だったのではなかろうかと思います。丁寧な描写とたくさんのアイデアがありました。


描きたかったシーンへの挑戦を見せてもらえたことに感謝です。他の小説も書いている中、快く参加してくださったことも嬉しかったです。ありがとうございました!



四人目


四人目はいまえだななこさんです。

僕がやってる企画は初めてとなります。りみっとさんと同じく初めましてになりますね。いまえださんはフォロワーさんなのですけどもね。


まず一番に「おっ!」と思ったのは視点の切り替えでした。短いスパンで二人の視点が描かれるのはワクワクしますね!徐々に距離が近くなっていく感じは僕の大好物です。ムフフ

良かったところは『王道で突き抜けていくストーリーの気持ち良さ』があることです。物語が始まってから終わるまでのバランスも良く、作者の好みが分かる作品でした。いいね~

登場人物が「おりゃ!」っと前向きに進んでいくことが、読み手にとって爽快だということを改めて感じさせていただきました。参考にしたい!


初めてでも参加してくださったこと、コメントで気遣ってくださったことも嬉しかったです。これからも気にせずに絡んでくださいませ。ということで、ありがとうございました!



個人的ベストスリー 一人目


さて、ここからは特に刺さった記事の感想を書かせていただきます。一人目はみおいちさんです。クレイジー姉さんかと思いきや、青春ど真ん中恋愛小説を書き上げたスゲー人です。

僕自身、そこまで小説を読みこんでいないのでマナー的なものを知らないのですが、ここまで片想い(じゃないけど)の相手について書き込んでも成り立つんだなあとビックリ。書き手の上手さですね!


亜紀ちゃん好き好きボーイのモヤモヤって一歩間違えたら独りよがりナルシストになると思うのですが、亜姫ちゃんの魅力を存分に語ったことで最後のシーンも輝きました。おれも亜姫ちゃん好き(単純)

さっきチラッと言った「人にはそれぞれに合った文章がある」という部分で、みおいちさんは自分の文章を自由自在にコントロールしているという印象を受けました。すごい👏


終わった今だからぶっちゃけますが、どんなハチャメチャストーリーが来るんだろうと身構えていました。とてもとても良い方向に裏切られました。おみそれしまくり。


良い学びと物語をありがとうございました。

企画を盛り上げてくださるみおいちさんには感謝だぜ。



個人的ベストスリー 二人目


二人目はモフ姉さんです。

めちゃくちゃ個人的な都合が入っていますが、そこは許してちょうだい。


まず、僕はモフ姉さんの文章をじっくりと読む機会がありました。過去にやった添削企画です。その際に色々な文章を見て、モフ姉さんの得意不得意や個性を知りました。

そこで感じたのは「小説は向いてないだろうな」でした。それほどにエッセイと小説に差を感じました。だから今回の企画に参加してくださると聞いた時も、正直なところ「大丈夫かな」という気持ちはありました。


で、この作品です。

そりゃ手放しに「めちゃくちゃおもしれー!」とは言えません。気になるところはあります。ですが、僕にこの作品を書けるかと聞かれると答えはNOです。ちょっとかっこつけました。


飛び上がるようなワクワクはなく、思わず笑ってしまうようなユーモアもないです。しかし、じんわりと温かく、静かに沁みるような優しさがあります。これがモフ姉さんの描きたかった世界なのだろうと感じました。

ということで、個人的ベストスリーです。きっともっと上手くなっちゃうのでしょうね~


ところで、芽は早いうちに摘んでおいた方が良いという言葉を聞いたことがありますか?


いつもありがとうございます。また書くことがあれば、モフ姉さんの世界を見せていただきたいと思います。その頃には進化してモフモフ姉さんになっているかもしれない。



個人的ベストスリー 三人目


個人的ベストです。たぶん皆さんも分かってたと思うし、本人も知ってる。この人はもう摘めません。しくじったぜ……

たくさん創作に関する勉強をして来ましたが、を。さんの文章は普段からめちゃくちゃ綺麗です。だから今回の企画でもとんでもないことをするのでは、と思っていましたが、案の定とんでもありませんでした。今からそれを語らせていただきます。


前提として、を。さんの文章は綺麗(二回目)

どういうことかと言うと、必要な情報を読者に見せる順番決めや取捨選択がバリバリにクソ上手いってことです。stand.fmにて本人にお聞きしましたが、やはり読み手がどう感じるかは気にしてらっしゃるとのことです。さすが~


さて、本題に入りますが、誰もが感じたであろう凄さは子どもの視点を描きまくっているということ。

人生で一度は通った子どもならではの感情を、あらゆる方向から切り取っています。冒険したと思ったらそうでもなかったアレとか、目に入った物にとびついちゃうアレとか、迷子から解放された時の安堵から来る涙が出そうなアレとかです。

読者に特定の感情を思い描かせるというのは、簡単に思えてとても難しいことです。それを積み重ねることで多くの人の中に少年の心を思い出させていました。


そして次、主人公の気持ちに変化が生まれ、行動することです。

これって簡単なように思えて、意外と出来ていないことが多いです。自分では出来ている様に思えても、読み手からすると「?」ってこともよくあるのです。

兄貴肌の友人についていって迷子になって、先生に助けてもらって、無自覚に周りの人達を頼りにしていた少年が、最後は『兄』として決意を持って(ポンコツな)目標を宣言する。


いいね~!!!



キリがないのでここで最後にしますが、やっぱり一番ヤベーのは構成。あと皆さんが気づいているかは分かりませんが、この人はあと三段階くらい変化出来ます。もはやフリーザです。フ。さんです(?)


スタートとラストは共に「青い空」です。しかし、その二つは同じではありません。ここに構成の上手さが分かりやすくつまっています。

始まりの空は主人公が見た春の空、広がる青はこれから主人公が知る世界の広さを表していて、読み手をエスコートするように物語の世界へ導いてくれます。

終わりの空は先生が見る夏の空。目に沁みるような青は、子どもの純粋な想いを真っすぐに見られない複雑な気持ちと、綺麗で透き通る憧れのような感情を表しています。深読みだったらすんませ~ん(適当)


を。さんの名前の由来になるほど好きな色の『青』を取り入れるという粋でお茶目な心の余裕もあっぱれです。そして恐ろしいのが「このシーン削れるなあ」というシーンを入れても面白いこと。尚、僕がを。さんに質問したところ、シーンを削れるという自覚があって入れたそうです。戦闘力が高すぎる……

寄り道するシーンがあったとして、それは子どもならではの表現に繋がるのでオッケーだとは思うのですが、もし削っていたら一番盛り上がる部分の純度が上がっていたということです。ボリュームが減らせる分、さらに面白さが濃くなる可能性を秘めているのです。

ふわっと舞い上がるように始まって、しゅたっと着地する。強さを持ったタンポポの綿毛のようなイメージが浮かびました。あっぱれ!


語り切れんので終わりますが、とにかくヤベかったということです。ヤベくてどうしようもない。



総評

伝えておきたいこと



では、まとめに入らせていただきます。皆様それぞれに個性があり、同じ書き出しからここまで違ったものが生まれるのかと、驚きとワクワクが止まない企画となりました。

個人的ベストスリーと銘打ったものの、どの作品も学ぶこと、きらりと光るものはあり、それを考えてくださったことだけで嬉しく思います。色々な理由で参加できなかった方々の中にもそうしたものがあったのだろうと思うと、オラワクワクすっぞでたまんねえぞだってばよです。は?

一応、創作オタクとして気になった点、次回からについても話させてもらいます。


まず思ったのは、みんな真面目過ぎ

けん玉とヨーヨーとリフティングなんて投げ捨てちゃっていいのですよ。なんならポンコツってワードも出さなくていいです。もちろん「いらんことすんなよ」ではなく、粋で嬉しいサービスでした。ただ自分の世界を犠牲にする可能性もあるから、それなら書かずに捨てて欲しいってことです。


実は、投稿のあとで主人公の一人称を訂正した参加者の方がいたのですが、僕は気づいていた上で指摘しませんでした。さーせん(適当)

「こっちの一人称の方がキャラクターに合ってるなあ」と思ったんです。その方が作品が面白くなると感じ、「まあ俺でも良いよね!」ってなりました。

『お題の書き出し』はあくまで『書き出し』です。物語のスタートであって、物語の心臓でも核でもありません。ここは僕のお知らせがよろしくありませんでしたので、改めて説明しておきます。


お題と文字数指定はただの制限であり、物語の面白さを狭めるためのものではありません。「けん玉ヨーヨーリフティングをどう解決するのか」「どうやって文字数を満たした作品を書くか」を競うのではなく、「面白い作品を書くぞ!」を優先して欲しい、ということです。

『書き出しを活かした文字数ギリギリの面白くない作品』

『書き出しから離れていって短いけど面白い作品』

どっちが良いのかは明白です。特定の誰かの作品を批判している訳ではありませんから、過度に落ち込んだりは無しでお願いしますね。この後で語りたいこともあるので。



ということですので、お題の書き出しはあくまで書き出しであるということ、文字数制限は「感想文は八割書きなさい」のような指定ではなく、「長すぎると困るからこれ以上は越えないでね」というお願いです。

ここについては僕が企画の意図をきちんと話せていなかったので、僕が反省して謝罪する部分です。すいやせんっした(適当)


あと、5500字にした理由ですが

「『5』って数字が好きだから5555字にしよう!」

「なんか気持ち悪いから5000字にしよう!」


「書き出しの文字数もあるから500字サービスしよう!」


って感じで決まったもので、特に「短編はこのくらい書くのだ……!」みたいなこだわりも奥深さもありません。



誠に申し訳ございませんでした(土下座)



反省してま~す🦍



感じたこと



様々な作品を読んで、改めて感じた「こうすれば面白くなるんだな」という書き方の知識をまとめておきます。おそらくこれからの創作に活かせると思います。

技術的な話から入りますが、物語の重さと軽さ、気持ちの上下のバランスを考えるという部分を意識すると、今回のようなポンコツ書き出しから始まる物語でも劇的に面白くなると思います。


たとえば、みおいちさんの作品は徐々に亜姫ちゃんの気持ちに対する不安が高まっていきます。読み手の気持ちは下へ下へと落ちていき、ラストで一気に上に参ります。上に参りま~す♪👩(我慢できなかった)

一方で、を。さんの作品は激しく上下するようなハラハラはありませんが、主人公が夏休みの目標について真剣に考える機会を持つことで、物語に確かな緩急がつきました。それがあるからラストのけんちゃんが可愛くなるのです。一緒にけん玉リフティングやろうぜ。


必ずしも「下がってから上げろ」ということでもないのですが、そうした展開のギャップというのは必須だと思います。

そういう点でモフ姉さんが取り上げたテーマはかなり重くて深いもので、その分だけ後の展開に大きな期待がかかってしまうという難しさがありました。ゲームでいうところのハードモードです。そりゃ悩むぜ姉御。

書きたいシーンで読者の気持ちをグッと上げたいのなら、物語が崩れないように丁寧に下げておく。どしっと重たいラストを描きたいのなら、どこかで幸せを感じさせておく。そんな意識を持ってみてください。


ちなみに、僕はラストで下がる作品を面白いと感じたことが一度もありません。そうした物語が好きだという方もいらっしゃるので否定はしませんが、後味が悪い物は、おそらくほとんどの人が好まないはずです。

やるなら相当な覚悟と技術がいると思います。というか、そういう話って物語じゃなくてリアルだと思うのよね。



という話は置いといて、もうひとつ感じたことは『書きたいものと書けるもの』を意識して欲しいということです。

もし「文章をもっと面白くしたい」と思うのであれば、自分の常識と感覚を投げ捨てて、客観的に自分の作品を読み込む機会を持つことが重要になります。それを正しく導いてくれるのが、僕の大好きな漫画家の日本橋ヨヲコさんです。


書きたいと思っているものと実際に自分が書けるものは違う、それに気づけないまま進むとしんどいよ、とのことです。

たとえば、僕が絶賛したを。さんの世界観を真似しても、カチカチ文章の僕には書けません。逆にを。さんが僕のヘンテコワールドを真似しても、絶対にゴリラ的にウホウホ書くことは出来ません。


憧れるもの、理想の物語はあると思います。ですが、本当の意味で「自分だけの特別な物語を書きたい」と思った時、この言葉について深く考えてみて欲しいのです。自分に合った文章が見つかれば、自分にしか書けない文章も見つかるはずです。


逆に言うと、自分に合った文章が見つかってないのに色気を出そうとすると痛い目を見るということです。僕のように。

ズタズタになって「うわー!」ってなるのも、ひと月に一度の風物詩として楽しめるようになりました。


めでたしめでたし



最後に



ということで、第一回『ポンコツ書き出しチャレンジ』の講評と総評とさせていただきます。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。僕もこれから作品を書きます。実はまだ書けていません。



今日は昼までお出かけをする予定だったのですが、最近知り合ったイケメンお兄さんにランチに誘われ、楽しくお食事をさせていただきまして、夕方に帰宅したわけです。

「イケメンお兄さんの誘いを断れる者だけが石を投げなさい」

イエス・みょー


言い訳の神からのお告げでした。



応援よろしくお願いします 心の支えになります