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メルボルンでは日本語は暗号にならない

現在私は図書館の会話・飲食OKスペースにいる。

向かいには少年が座っていて、熱心に勉強していたかと思いきや友達と電話を始めた。

英語圏に行けば日本語は暗号になる。

私の中のワーホリあるあるとして、ここだけの話は英語ではなく母国語でするというものがある。

例えば言語交換イベントでヤバい人がうろついていたら、英語ではなく日本語で「あの人は問題児だから気をつけて」と助け舟を出す。

当本人には「anohitoyabaikarakiwotstukete」という意味のなさない音として聞こえる。

これが実に便利。

その警告、受け取ったわ!ありがと!と言わんばかりにうま〜く距離を置く。

異国の生活は助け合いだ。

そんな感じで、日本語は海外では便利な暗号。だから海外にいるときは心置きなく日本語でトークできるぜと思っているのは私だけではない。

向かいの席に座っている少年は、暗号を使っていることをいいことに、図書館の飲食・会話スペースで友達といろいろな話をしていた。

あいにく、私はその暗号を全て解読できている。

話題は就活状況の探り合いから始まる。

海外にいる少年は、日本にいる同級生が次々と進路が決まっていって焦っているようだ。

わかる。わかるよ少年。

出遅れたって思ってるんだよな。

SNSを見て「決まりました☆」の投稿に心をザワつかせてるんだよな。

私も7年前くらいにそういうことあったよ。

がんばれよッ…!と心の中でエールを送る。

かと思いきや

今度はインスタに投稿されている同級生の女子の服の薄さに興奮しているらしい。

うっすいな〜これ!⤴︎


と画面を引き伸ばして喜んでいる。

もう就活のことはどうでもいいらしい。


すまない少年よ、聞くつもりはないんだ。

ただその暗号、全部耳に届いてしまうんだ…!!

向かいの席に座っているのが同胞であり、るんるんと記事を書いているとも知らずに、少年はエンドレスに色んなことを話し続けた。

彼はコテコテの関西人で、話がおもしろい。

今度は

金貯めて、日本帰って豪遊しよ。
クックック…!!


と企み始めた。笑

聞き入ってしまって何もできなくなってしまった。


ああ、もう帰ろう。


メルボルンでの日本語は暗号にはならないかもしれぬ…と危機感を覚えた夕方なのであった。


The journey will be continued…

書き続ける糧になります。大事に使わせていただきます☺︎