№47【2分で読める】日々の暮らしにクスっとエッセイ『将来100歳になった母に』
ある日、近所に住む両親とワタクシの家族でお茶していたときのこと。
母が主治医の先生に言われたという話をあーだ、こーだと言っていた。
その話の内容をザックリまとめると、小さなことにクヨクヨしたり気分がふさがないよう、母は自分の趣味を持つとか、出かけるキッカケを作って、気分転換が必要なんだとアドバイスされたらしい。
母は70代。父と共に健康に大きな不安はないし、自分のためにたっぷりと時間が使える時期。
ワタクシがnoteを楽しむように、暑い夏でも、家でできることは何かないかと思い、
「気になるものはないか」
と母に根掘り葉掘り、聞いてみた。
すると母が「若い頃に楽器を習っておけばよかった」と言い出した。
そしてすぐに
「でも、今さらね~」
とも。
大チャーンス!
どこかで聞きかじった、100歳近い、どこぞのおばあちゃんの後悔したエピソードを使うときは、絶対にいま!
「60歳を過ぎたとき『楽器を習いたい』といったら、家族に今さらと言われて始めなかったらしいよ。でも、それをすっごく後悔しているって。もうすぐ100歳、こんなに長生きするんだったらやっておけばよかった~、だって」
もし60歳で始めていたら、100歳でその道40年の大ベテラン。
40年も楽しめたのに?
モッタイナ~イ!
ワタクシも他人事ながら、やっておけばよかったのに、と心から思った。
そこでワタクシ、今は子供たちが使っていない、持ち運びが超簡単な電子オルガンとワタクシが子供の頃に使っていた楽譜を実家に持って行った。
「今は誰も使ってないから、ゆっくり練習してね。分からなかったら(長い間やってなくてメッチャアヤシイけど)ワタクシが教えてあげるから」
昨日、母を訪ねたらリビングの片隅に電子オルガンコーナーを発見。練習途中の楽譜が開かれていた。
「途中までだけど、右手でこの曲がちょっとだけ弾けるようになったよ。右手と左手をバラバラに動かすのは、すっごく難しいね」
と母はいい顔で笑っていた。
これで、将来100歳になった母に
「反対された」
などと恨み言を言われずに済むと、思った。
ホッ。
そして、わが家のスペースが空いてラッキー!などと、要らん一言を言わない自分をしっかりと褒めようと思った。
ニヤリ。
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