№96【2分で読める】日々の暮らしにクスっとエッセイ『右でカブってさらに右』

ある日のダンナのお土産話。よくある漫画のワンシーンを見たと大興奮。

「道の角でゴッツンこってよくあるよね」
ワタクシ相槌をうつ。
ー　あるね。
「その後、その二人が行こうとする方向にお互いが何回も立ちふさがるのもあるよね」
ー　あるある。漫画の大定番のやつ。
「俺、今朝それを目の前でみたんだよね～」
ー　へ～。
「しかもすごいのが、お互いが右左右左と避けたあとに、右でカブってさらに右だよ？」
ー　仲良しか。それもメッチャ気が合う。右右なんて聞いたことなーい！
「その一人が高校生で『ごめんね。一回止まろうか』って声かけて、無事に二人はすれ違えたってわけ。ちなみにもう一人は中学生」
ー　きた～！　シチュエーションバッチリ！　もうそれ運命じゃーん。
と、こんどはワタクシが大興奮。本当にあるんだ、少女漫画みたいな、そんなこと。これが二人の出会ったきっかけでした、なんてステキすぎる～。とドンドン妄想が広がってウキウキしていたら、ダンナがこう続けた。

「男の子同士だったけど」
ひょーっ！　そこがオチ？　いい話だったのに思ったのと違う～！

ワタクシのドキドキした時間を返せ。
ちぇっ。