№129【2分で読める】日々の暮らしにクスっとエッセイ『余計な仕事が増えた』
ある日、冷蔵庫にチーズの箱があるのに気がついた。それは片手に収まるくらいの小さな箱。賞味期限も気になるので食卓に出したらしばらくして
「え~~」
という残念そうなダンナの声が聞こえてきた。
何ごと? ダンナに訊くと
「これ、どうぞ」
と、そのチーズの箱を手渡された。
「ワタクシの好みじゃないから自分で食べたら?」
とカパッと開けたら、中には空気がたっぷりと入っているだけだった。
「え? 空の箱を大事そうに冷やして冷蔵庫の場所をとっていたの?」
呆れてダンナを見ると、食べる気満々だったダンナは複雑な表情を浮かべていた。
「なんでそれを捨てなかったの?って怒られそうな・・・自分で自分の罠にかかったの?ってバカにされそうな・・・。もうチーズを食べる口になってたのに・・・ないの?」
誰かを驚かせようと思ったら、驚いたのはダンナ自身。それは自分で掘った落とし穴に忘れて落っこちたくらい、うそーんの話。今後は凝りて、ゴミはさっさと捨ててほしい。
そう思ったとき、ワタクシハッとした。
「いま冷蔵庫にある、他の中途半端な箱や残り物・・・、もしかしてもしかすると空気だけ? えーっ!」
ダンナのせいで余計な仕事が増えた疑惑。
とほほ。
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