2分で読める子育てエッセイ№622『これでチャラね』

ある金曜、小5の娘が学校から帰ってくるなり事件の報告。

「お母さん、靴箱にこの手紙とこの見慣れた袋が入ってた～」
 
見ると、それは小2の息子の体操袋。
そして、こんな手紙が添えてあった。
 
「おねえさまへ、持って帰ってあげてください。２年担任」
 
どうやら息子が、校内で体操袋を落としてしまい、それを担任の先生が手配してくださったらしい。
 
お姉ちゃんの帰宅時間が後でよかった～。
月曜日にヨレヨレ、ちょっぴり臭い体操服で体育の時間なんてありえん。

と、ワタクシ、先生とお姉ちゃんに感謝した。ホッ。

 
姉弟アルアル。
ワタクシも、忘れ物して一つ年下の弟に借りに行ったことある～。
お休みの時のプリント、これ持って帰ってって先生に言われたことある～。
同じ学校だと結構便利だよね。

その次の金曜日、娘が風邪をひいてしまい、娘は学校を休んだ。
 
すると、息子が帰ってくるなり
「お姉ちゃんの給食袋持って帰ってきた」
 
と言ったので、娘がサラリとこう言った。
「この間、私が忘れ物を持って帰ってあげたから、これでチャラね」

そうそう。持ちつ持たれつでいいーんでないの？

ワタクシもそこで終わっておけばよかったのに、息子が自主的に持ち帰ります、と言い出したとは到底思えない。

気になったので息子にこう聞いてしまった。
 
「お姉ちゃんの給食袋、どうしたの？　先生が声をかけてくれたの？」
 
すると、息子はちょっぴり眉間にしわをよせ、こう言った。
 
「月曜日に持って行った給食袋、僕のでなくて、お姉ちゃんのだった。持って行ったものを持って帰ってきたよ」
 
さらに娘もハッとし、こう付け加えた。
「そうだ！　給食袋取り返しに行くのをスッカリ忘れてた！」
 
うそーん。
 
娘の給食袋を息子に持たせていたの？
単に、ワタクシがいらん仕事を増やしていただけなの？
お返しでも、これでチャラでもなく？

え～。
 

給食袋アルアル。
一番しょうもないパターンは、母のうっかりが事件を巻き起こす、
これだと思った。

袋に中身を入れ間違えるパターンと、袋ごと渡し間違えるパターン、どちらがお好み？

ごめーん。