2分で読める子育てエッセイ№547『驚きの白さ』
夏が終わり、夏グッズを片付けることにした。
一番頼りになる小5の娘が、デッカイ浮き輪の空気を抜き始めると、遠巻きに見ていた小2の息子もお手伝いし始めた。
「イチ君(息子)は、その空気がでるところをギュッと持っててね」
とお姉ちゃんの的確な指示があったに違いない。
娘が少しずつ浮き輪をクルクルと巻いて、二人で上手に空気を抜いていた。
娘がやってくれていたら安~心。
去年までは、孤独にワタクシがやっていたのにな。
ワタクシすっかり嬉しくなり、子供達にお任せして、その場を離れた。
しばらくしたら、こんどはダンナが忙しそうにウロウロしはじめた。
「あれは・・・どこだったかな?」
と何かを探している様子。
忙しそうなフリしているワケではないよね?
「これを丁寧にしておくと、来年まで穴が開かず保管ができるから」
と子供達に言っているのが漏れ伝わってきた。
今年の夏が始まった時、去年買ったプールに小さな穴が開いていて、十分元がとれないまま買い替えた。
保管の仕方が甘かったらしい。
「去年、雨ばっかりで思ったほど使えなかったのに!買い替えなんて」
来年こそ、全部、難なく使えるようにしておきたい。
その意気込みが並々ならないうちのダンナ。
どうやるのかな。
なぜかちょっぴり嫌な予感。
様子をみにいったワタクシ、メッチャ驚いた。
ジンベエザメの形をした大きな浮き輪が、なぜか驚きの白さに。
「これからフライにしま~す!」
といわんばかりに粉まみれ。
二枚おろしを連想させる、ぺったんこ姿がまた、そこそこおいしそう。
そのうえ子供達の手はさらに白く、ふざけて遊んだ息子の頭はまさかの白髪。一気に30歳ほど年をとったようになったので、シャンプーした時に「パフっ」と粉が舞い散った。
※※※
粉の正体は、ベビーパウダー。
ビニール同士がくっつかないようにするらしい。
結構タップリ粉をつかったね~。
これが適量かどうなのか知らんけど。
やってみないと分からない。
来年の夏、また同じ状態で使える事を願って、箱に詰めた。
来年の夏、夏グッズをみたワタクシがいうことはきまってる。
「ねえ、今日の晩御飯、魚のフライにしとく? デザートはでっかいドーナツがいいかな。」