№44【2分で読める】日々の暮らしにクスっとエッセイ『ぼんやり』
いつもお世話になっているスーパーは、チャージ式の独自のカードを発行しているところがほとんど。
特に食品は、出費の中でもコンスタントに出ていくものだから、最高のポイントゲッターはスーパー。
こうして、ワタクシも財布の中にスーパーだけで4~5枚、なかなかのカード持ちになっている。
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でも、ひとつ困るのが、どのカードにいくら残っているのか、残高が分かりにくいこと。
大昔、カードの表に残高を表示するタイプのカードをいくつか見かけたけれど、コストの問題なのか、トラブルが多かったのか、今はそんな便利なものは見かけない。
一時、スマホの電子マネーに切り替えていたものの、ワタクシの性に合わず、1か月でやめてしまった。
さて、この難題をどう切り抜けていこうか。
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ある日、母とスーパーに行ったら、母が残高を確認するといって、小さな紙を取り出した。どうやら母の手書きのメモ。
「こうやって書いておかないと、どのカードにいくらあるのか分からなくて」
その後、母は家に帰ってレシートを見ながらそのメモを丁寧に書き直していた。ちょっと手間だけど、このアナログが一番確実らしい。
「なるほどね」
ワタクシもちょっとマネしてみることにした。
ところが、残高を把握してしまったばっかりに残念な事態がおこった。
支払った後、
「え! 思ったよりも残高残ってた! もう1回おやつに買いにいくぞ~」
というイベントがもれなくゼロ。
だって、残金しってるもん。
なんか、メッチャ楽しみが減った。
「やっぱり今まで通り、残高を覚えてない方がお得な気分だったな~」
ぼんやり覚えていることが、日々の暮らしにちょっとした楽しみを増やすことだと気がついた。
これは、貯金箱に入れた小銭がいくらなのかワクワクしたり、ヘソクリをたまたまみつけたことの類似品だと気がついた。
ぼんやり、悪くな~い。
サポートありがとうございます! 迷わずお菓子を大人買いしますよ?怒りません? ありがとうございま~~~す ε=ε=(ノ≧∇≦)ノ