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№130【2分で読める】日々の暮らしにクスっとエッセイ『無期限ですけど』

ワタクシの父は定年退職してからすでに十数年。今はたま~に仕事している非常勤の会社員。ふだんは家から歩いて20分ほど離れたところに借りた畑で家庭菜園をするのが日課。丁寧に作ってくれたおいしい野菜をしょっちゅう分けてくれるので、中1の娘と小4の息子は野菜が大好き。

ある休日、ワタクシの実家へ家族で遊びに行ったときのこと。
お昼をちゃっかりゴチになったあとしばらくして、父が申し訳なさそうにこう言った。
「せっかく来てくれたのに悪いけど、じいちゃんボケ防止に部活に行ってくる」
その場にいた、全員の頭の上にハテナマークが飛んだ。
「部活?」
「じいちゃん、毎週土曜日に囲碁に行ってるんだ」
囲碁、これも定年退職してからすぐに始めた父の趣味。
「なかなか勝てない先輩がたくさんいるんだよね~」
そう言って、学生が部活に行くようにメッチャ楽しそうに出かけて行った。

健康に気をつけ、楽しそうに日々過ごしている父。ワタクシの子供たちの成長を一緒に見守ってくれるとても心強い存在。そして、子供たちには超あまあま。

「お姉ちゃん、この間の学校のテストすっごく頑張ったって聞いたから、おじいちゃんからご褒美」

なにかにつけて子供たちにお菓子やお小遣いを用意してくれる。うれしいのは本心だけれども、娘のワタクシ、ちょっぴり複雑な気持ち。

ワタクシが子どもの頃、父から小遣いなんか一回も貰ったことありませんけど? 今からでも遅くないよ? 無期限ですけど。

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