№54【2分で読める】日々の暮らしにクスっとエッセイ『もう気まずいったらありゃしない』
休日、家族で買い物に出かけた。
ちょうどお昼に差しかかり、フードコートでご飯を食べることに。
注文した料理を待っていたら、片手に赤ちゃんを抱っこして、もう片方に赤ちゃん用の椅子を持っている人が近くにやって来た。
どうやら、使い終わった椅子を片付けに来たらしい。
重ねようと一生懸命頑張っているのだけれども、片手だとうまくいかない。
ワタクシ近くにいたので
「私、やりますね」
と言って椅子を受け取ると、その人から丁寧なお礼の言葉を頂いた。
その人を見送ると、ワタクシ受け取った椅子を重ね始めた。
ところが思ったよりもうまくスッポリとハマらない。
「あれ?あれ? こんなもんなのかな」
しばらくやってみたけれど、変化なし。
一応重なっているし、誰も困らない程度。
これでヨシとした。
※
しばらくしたら、係の人がもう一つ、椅子をもってやってきた。
「え? その椅子も重ねちゃうの?」
絶対無理だと思いながら見ていたら、それはそれは気持ちよく、あっさりすっぽりと椅子を重ねていた。
それはまるで、とんがりコーンの三重奏。
「うそーん。そんな感じにキレイにハマる? ホントに? 丁寧にお礼を言ってもらったのに、全然役に立ってないじゃーん」
ワタクシ、思いっきり、代わりにやります詐欺をしてしまった。
もう気まずいったらありゃしない。
いまの心境は「赤ちゃん用椅子積み重ね選手権両手部門」予選最下位で敗退。
とても、もう一回やってみる気にもならなかった。
とほほ。
サポートありがとうございます! 迷わずお菓子を大人買いしますよ?怒りません? ありがとうございま~~~す ε=ε=(ノ≧∇≦)ノ