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2分で読める子育てエッセイ№687『子供心に』
小6の娘と絵本の話をしていたら、こんなことを教えてくれた。
「お母さん『トラウマ級の絵本』ベスト3って知ってる?」
え? なにそれ。どこ調べなの?
もしかしたら、娘の嫌いな絵本の、独自ランキングなの?
よくわからんけど、面白そうなので娘に続きを訊くと、昔、ワタクシも何度か読み聞かせしたことがある絵本の名前が挙がった。
ひょーっ!
ここには名前をあげる勇気はないけれど、それは「夜は早く寝ようね」というしつけ要素強めの絵本。
娘は子供心に
「なんて絵本を読み聞かせるんだ。おばけをつかうなんて」
と思ったらしい。
「言えばよかったのに」と思いつつ、確かに娘の言う通り、寝る前にワザワザ怖がらせる必要もない。
それなら読み聞かせした後、すやっ、と気持ちよく夢の世界に行けるような絵本にすればよかったとワタクシ大後悔した。
それを聞いて、ワタクシ思い出した絵本がもう一冊。
これは当時、なかなか寝ない子がスヤスヤ眠ると有名になった絵本だった。
でも、正直イラストがワタクシ好みでないうえ、結構なお値段。
何回か本屋で見かけては、購入を先送りしていたけれど、結局
「うちの子、すぐに寝ちゃうんです」
などという口コミが気になり、好奇心に負け購入した。
買ったからにはすぐに試してみたい。
その日の夜、なかなか寝ない娘に読み聞かせをしてみた。
しずかに静かにそれを聞いていた娘。
「イイ感じ?」
ワタクシ頑張って続けた。
すると5ページくらい読んだ後に、娘にまさかの言葉をかけられた。
「お母さん、これ全然おもしろくないから、もう寝るね」
うそーん!
初めてもらった、娘のド直球の感想が「おもしろくない」。
しかも、面白くないから寝るなんて。
こんなの初めて!
ところが、ワタクシも心のなかでこう思ってた。
「この絵本全然つまんな~い! もう読むのやめていい?」
結局その絵本は、捨てることなくすぐに売りに行った。
その後、娘はしっかりと自分好みの本を把握し、今ではすっかり読書好き。
いろんな意味で、めでたし、めでたし。
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