№23【2分で読める】日々の暮らしにクスっとエッセイ『ひたひたの汁で食べたい』

ある天気のいい日、玄関先でご近所のUさんと長話。
Uさんはワタクシの母と同い年。気軽にしゃべれるし優しいUさんは、ワタクシの第3の母だと思っている。


この日の話題は「ひたひたの汁で食べたい」。

「うどんが好きで汁まで飲み干したいのに、塩分制限のせいで汁の量が超少量。ああ、ひたひたの汁に入ったうどんが食べたいって、主人に言われるの」

と、Uさん。


うどんの汁、全部飲むの? と思ったものの、スキだと言われたら仕方ない。


塩分制限のため、味の工夫をしてみたものの、薄味すぎて口に合いにくいらしい。結局はいつもに近い味にして、量で調整するようになる、という事だった。


そんな話を聞いているうちにワタクシ、ふと、よく通っていたラーメン屋さんのことを思い出した。



ここのラーメン屋さんはスープが美味しくて、病みつき系。
でもスープが濃くて多くて、いつも全部は飲み切れない。


ところがある時期、このお店が器を変更した。
シュッとした小さめの逆さ富士系の形に。

すると、ワタクシの飲み切りピッタリサイズ、無理せず飲み干せる量のスープになっていた。

「お残しゼロ、罪悪感ゼロはいいけれど、汁が減量でお値段そのままなの?」
と思った記憶が。

そこで、Uさんにこう言ってみた。

「底が丸い器から、逆さ富士のような器に変えたら、もしかしたら汁の見た目が増えるかも」

Uさんの顔がパッと明るくなった。

「確か使っていない、そんな形の器があったはず。試してみる」

後日談が楽しみで仕方ない。


ところがワタクシ、その話をしていてハッとした。


「ワタクシのお気に入りのティーカップも、逆さ富士型。もしかして、ダンナより飲んでいる量が少ないの?」


なんか腹立つので、おしゃべり終了後早々に、大きいマグカップを奥の方から出してきた。








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