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№85【2分で読める】日々の暮らしにクスっとエッセイ『目撃したお仲間』

ある日の朝、霧のような小さな雨が降ったりやんだり。玄関先でダンナが学校に行くタイミングで子供たちにこう声をかけた。
「虹が出てるよ~」
家を飛び出したワタクシたち。空を見上げると、それはそれはクッキリとした美人の虹がかかっていた。
いい日になりそう。

その後、車で買い物に出かけると、また川をまたぐようにほぼ半円の虹が見える。一日2回も虹を見る奇跡。これはもう、宝くじ買いに行くしかないでしょうと行き先きを追加した。
「ついでに年末ジャンボ宝くじもみてもらおう」

すると、宝くじ売り場の前に列が出来ていた。
「なんとかジャンボもないのに?」
やっと順番が回ってきたと思ったら、ちょっとしたハプニングが起こった。「あれ? 1枚宝くじが通らない」
そう売り場のお姉さんに言われ、ドキリとした。

キレイな半円の虹を見た。それも2回も。
いつもは列になっていない宝くじ売り場に人が並んでいる。ふつうではない。
折り目をつけているわけでもないのに読み取りができない宝くじがある。そんなことある?

ふだんと違うことが、たくさんある。もしかして・・・宝くじ当たってる前兆? ビビらずにワタクシ大金を受け取る気でいますよ。さあ宝くじ売り場のお姉さん「一等でました! おめでとうございま~す!」と言ってくださ~い。と内心お祭り騒ぎのワタクシ。判定の出るちっちゃい掲示板を見守った。長い、沈黙の時間が、やたらと長い。

その時「ピッ」と音がして、宝くじ売り場のお姉さんにこう告げられた。「あ、残念ながら・・・」
ひょーっ!
これは絶対当たりの流れだよね~。
わざわざ一回トラブらせるあたり、余計にドキドキ感が増したよね。ふつうに、はずれでいいじゃーん。

いつもより余計にガッカリしていると、ダンナがこう言った。
「俺も一回同じようなことがあって」
うんうん。
「その時は5万円当たっていたけどね」
うそーん。ワタクシのと全然違う~! 単なる自慢だった~!
ダンナの余計な一言にワタクシ、さらにガッカリした。

よくよく考えたら、売り場に人が多かったのは、虹の目撃したお仲間かもしれない。それをいつもと違うと勘違いしているあたり、おめでたいワタクシ。
とほほ。


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