セリーグ投手個人タイトル 感想

最後となった、セリーグの投手タイトルにについて感想を書いていこうと思います。

投手

最優秀防御率

  1. 青柳(阪神) 2.05

  2. 西(阪神) 2.18

  3. 今永(DeNA) 2.26

青柳が自身初の最優秀防御率のタイトルを獲得した。
また、後述の最多勝、最高勝率と合わせて3冠となった。
青柳はシーズン前半から絶好調で、一時期は防御率0点台をマークするも、終盤少しばててきたのか、結果2点代前半でのシーズンエンドとなった。
それでも昨年の最多勝がフロックではなく、実力で阪神のエースまで成長したのは流石である。
2位の西、3位の今永は青柳とは対照的にいずれもシーズン終盤にかけて、成績をブーストしてきた。
特に西は今期2度目のFA権を取得し、就活シーズンとしてはまずまずの成績を残したことだろう。
矢野監督の後任と噂されている岡田監督との不仲説により、FA移籍が有力視されているが、移籍の有無にかかわらず来シーズンも同様の活躍を期待したい。
3位の今永はキャリアハイとなる防御率2.26をマーク。
今期はDeNAの選手として初のノーヒットノーランを達成し、故障からの完全復活を告げるシーズンとなった。

最多勝

  1. 青柳(阪神) 13勝

  2. 戸郷(巨人) 12勝

  3. 今永(DeNA)/大貫(DeNA) 11勝

青柳が昨年に引き続き2年連続の最多勝に輝いた。
本人はインタビューでオリックスの山本と比べて自身のタイトル獲得を謙遜していたが、十分立派な成績である。
昨年の成績に引き続き、今期のこの好成績で名実ともに阪神のエースは青柳と言っても過言ではないだろう。
前述のとおり西のFA移籍の可能性が噂されている中、来シーズンはさらなる活躍を期待したい。
2位の戸郷はプロ初の2けた勝利を達成。
一昨年、昨年と9勝にとどまり2けた勝利まであと一歩のところで、足踏み状態となっていたが、今期は壁を一つ越えたといるだろう。
シーズン最後の2試合好投はしたが、味方の援護がなく、最多勝を逃した。
昨シーズンはこの悔しさをバネに最多勝を何としても獲得してほしい。
3位はDeNAの左右のエースである今永と大貫がランクイン。
今永のこの成績は予想はできたが、大貫がここまで成長するとは予想外だった。
今期のDeNAの予想外の快進撃を支えた主要因と言って差し支えないだろう。

最多奪三振

  1. 戸郷(巨人) 154奪三振

  2. 小笠原(中日) 142奪三振

  3. 髙橋(中日) 134奪三振

最多勝をあと一歩のところで逃した戸郷だったが、奪三振ではタイトルを獲得した。
奪三振率はリーグ3位ながら、リーグ2位の投球回を投げ抜き、初のタイトルに輝いた。
戸郷を上回る奪三振率を記録し、リーグ1位だった小笠原はリーグ2位の奪三振数を記録。
勝ち星でもキャリアハイの10勝を記録し、次期ドラゴンズの左のエース候補にまで成長した。
さらにドラゴンズには、もう一人のエース候補として髙橋の存在もある。
期待投球回には未達だったが、奪三振率は10.34をマークし、高卒2年目とは思えないほどの完成度の高さを見せつけた。
地元球団だったとはいえ、このレベルの投手を単独指名できたのは、ドラゴンズとしては非常においしいドラフトだったと言えるだろう。
来シーズンは小笠原とともにさらなる飛躍を期待したい。

最高勝率

  1. 青柳(阪神) .765

  2. 今永(DeNA) .733

  3. 戸郷(巨人) .600

青柳が今期3冠となる最高勝率を受賞した。
(正直勝率については、特筆することはないため割愛)

最多セーブ

  1. マルティネス(中日) 39セーブ

  2. マクガフ(ヤクルト) 38セーブ

  3. 山﨑(DeNA)/大勢(巨人) 37セーブ

2セーブ差の中に4人がランクインする大接戦のセーブ王争いはマルティネスがタイトル初獲得となった。
防御率は0.97とセリーグ各球団の抑え投手の中で、最も優れた数値をマーク。
今期で在籍5年目で2020年より本格的にクローザーとなったが、年を追うごとに成績が化け物じみてきている。
最優秀中継ぎには中継転向で覚醒したロドリゲスも控えており、ブルペン陣はリーグ有数の層の厚さだろう。
2位のマクガフは1セーブ差で2位。
昨シーズン日本一の立役者の一人が今シーズンも順調に成績を重ねた。
登板間隔が空くと逆に調子を崩すタイプであるため、何度かセーブ失敗となる場面もあったが、全体を通してみれば十分好成績と言えるだろう。
3位には山﨑と大勢がランクイン。
ここ数年不調で、一時期は抑えの座を三嶋に明け渡していた山﨑だが、今期はシーズンを通してクローザーの役目を全うした。
今シーズンオフでのポスティング移籍が確実視されており、MLBで山﨑がどこまで通用するか楽しみである。
そんな山﨑が1年目に記録した新人セーブ記録に並んだのが大勢である。
(昨年の栗林も同数の37セーブ)
プロ入り前は巨人の1位指名ということもあり、いわゆる地雷枠のような扱いだったが、サイド気味のスリークォーターからの最速159km/hのストレートを中心にセーブを重ねた。
特に新人離れしたメンタルの強さは記憶に新しい。
チームは4位でCS進出を逃したが、休養期間として来シーズンに向けてコンディションを整えてほしい。

最優秀中継ぎ

  1. ロドリゲス(中日)/湯浅(阪神) 45HP

  2. 伊勢(DeNA) 42HP

  3. エスコバー(DeNA) 38HP

最優秀中継ぎにはロドリゲスと湯浅のともに今季から中継ぎの中心に回った選手が獲得した。
昨年まで先発としての役割だったロドリゲスは、中継ぎに配置転換すると先発時の微妙さとは真逆の中継ぎエースに変貌した。
抑えのマルティネスとの160km/hコンビは他球団からも脅威であった。
湯浅のタイトル獲得は今期のタイトルホルダーの中で最もサプライズと言えるだろう。
湯浅の今回のタイトル獲得は独立リーグ出身者として初の投手タイトル獲得となった。
(ちなみに野手としては角中が2012年に首位打者を獲得している。)
シーズン開幕当初から重要な場面を任されるほど期待されたが、さすがに実質初年度には荷が重く、失点を重ねる機会は少なくなかった。
それでも役割に慣れてきたシーズン中盤以降は圧倒的な投球内容を見せつけ、タイトル獲得までこぎつけた。
(余談だが、筆者は富山県出身であり、地元の独立リーグチーム出身者がタイトルを獲得したことは非常に喜ばしい。)
2位3位には伊勢/エスコバーの二人が続く。
特に伊勢は昨年、一昨年からそこそこの投球内容を見せており、シーズン開幕時もビハインド中心ではあるが、中継の一員として活躍していた。
その状況から21試合連続無失点と実績を積み重ね、チームの中継ぎエースまでに成長した。
来期はポスティングで山﨑が抜けることが予想されるため、抑えに抜擢される可能性もあり得るか。

明日以降はMLBのタイトルについて書いていこうと思います。

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