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小諸Wine Day


少しご縁もあったのと至上命題である日本のワイン産業を知るという意味でも片道3時間かけて小諸まで行ってまいりました。

小諸という東信州、東信地区は千曲川ワインバレーという一帯に属し、キッコーマンが母体であるマンズワインが先陣を引っ張っていく地域です。
Wine Dayの趣旨自体はこれからの千曲川ワインバレー及び、小諸のブランディングをどう行っていくかということでした。
結果的に細くでも長くファンを開拓していくかということが町全体でワインを産業として継続させていくために必要なことではないかということで、その小さなモデルケースとして、長野で出張シェフをしておられる三石温士さんのお話も聞かせていただきました。
三石さんにはすでに「ファン」という層があり、さらに地域でハブ人材的役割もこなしているとのことでした。

Wine Dayの前半の講演についてはそれぐらいにして、本題の小諸のワインに関して。
マンズワインの小諸は「採算もある程度無視して実験的にいいものを作ろう」といった風土のところ。
マンズレインカットというブドウ用の病気を回避する用の特許や、日本では挑戦的な品種であるピノノワールの植樹などと日本のワイン業界の先端をひた走る。
そのあたりからも山梨と比べてやはり長野は全体的に攻めの姿勢が感じられる。

ちなみにマンズワインの小諸メルローは手摘みにさらに7人での選果を行っているらしい。7人による選果なんてのは常識的には採算度外視と思わずにはいられない。
しかし味わいはそれにふさわしいものとなっているので、少し値は張るが機会があれば飲んでみてほしい。これが日本のハイエンドワインかということを感じてもらえると思うだろうから。

話を戻すが山梨に比べると独立開業型の新規参入も多くここのところ右肩上がりにワイナリーの数は増えている。
一方で、これは山梨の醸造家が言っていたことでもあるが、長野は山梨ほど横のつながりがないのかもしれないとも思った。
というのも開業した彼らには哲学や信念が強くあり、自分は自分というスタイルをより確立しようとする意志があるからだ。また栽培地が大きく広がってしまっているというのも一つの要因だと思う。
そういった意味では千曲川のように一つの地域でブランド化を図って色んなレイヤーの人と横につながっていこうという流れはとてもいいものだと思う。

最後に、今回訪れたのは先のマンズワインとTerre de Ciel
Terre de Cielは家族経営の畑で4haほどだそうだ。醸造所もあるわけではない。話としても時間の関係もあり、地形等々の触りだけ。
そこで感じたのは小諸にはまだまだワイナリーが数多くあるわけではないということだ。長い歴史の中で畑地として重宝されてきたが、まだまだ足りないものも多い。
千曲川ワインバレー全体で見てもワイナリーの数は10前後だ。一方でアルカンヴィーニュやリュードヴァンといったところも名を連ねる。

日本のワイン地図がまだまだ頭に入っていない自分には今回はいい勉強になった。

そしてそこには確かな足跡とこれからに向けての胎動があった。
これからの小諸、千曲川、長野ワインに乾杯。

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