つむじ

雑貨カフェchabrick/カフェオーナー/大阪市鶴見区/ 読書と電車旅/音楽とサッカ…

つむじ

雑貨カフェchabrick/カフェオーナー/大阪市鶴見区/ 読書と電車旅/音楽とサッカーが好き /猫好きの犬派/なかなかのポンコツでロクでもない大人

最近の記事

春が近づいてくるとくるりを聴きたくなる。

雨の日曜日、退屈な休日。 くるりでも聴こうかな。 犬を洗って、それからパンを焼こう。 どちらも湿気の多いこんな日には不向きですけれども。 パンの発酵を待つ間、本を読む。 5つのバンドのフロントマンが語る 『バンドとは何か』 ウェブサイトの記事を紙で読む贅沢。しかもハードカバーだなんて。 マイヒーロー、バンドの人たち。 ずっと憧れの人たちから、溢れ出る言葉を一滴も零さないように、全身全霊に沁み込ませてゆく。 インタビュアーの奥野さんと同じように 『ああ、』と納得して受け止め

    • 世界の終わりを見たくはないか

      木曜日の子ども 重松清 ひとことで言う。 この本、しんどい。 読み始めた事を後悔したぐらい。 それぐらい引き込まれてどんどん読んだ。 きっと普段は、現実から逃れるために本を読んでるのだと思う。 今回読んだこの本は、7年前に中学2年生で事件を起こした少年たちと、現在中学2年生の主人公の息子を取り巻く物語。 現状と重ねてしまう部分もあり、逃げ場がない。 子どもと大人のちょうど境界線。 今も当時の気持ちは忘れていないつもりでも やっぱり“わからない大人”になってしまったのかな

      • 一生聴き続け、生涯読み続けるもの。

        一千一秒物語 稲垣足穂 『“大人になってからの音楽の好みは14歳の時に聴いた音楽で形成されている”という研究結果が明らかになった。』という5年前の記事を最近になって読みました。 さらに“17歳の時に聴いていた音楽は一生聴き続ける”のだそうです。 ああ、確かに。 バンドブーム真っ只中に14歳だったわたしは、歌番組に一切出演しないバンドに衝撃を受けました。 かっこいい。 なんてかっこいいの。 今ほど多様性という言葉が一般化していなかった時代。 世のヒット曲には耳もくれず、サブ

        • 5千70年かかりました。

          『約束の果て』 高丘哲次 ファンタジーノベル、大好きです。 好きなのですが、何冊もにわたる超大作物が多くてなかなか読み終わらないのです。 それはそれで読み応えがあって良いのですけれど。続編も楽しみですし。 この物語は1冊で完結します。 それでいて何冊も読んだかのような満足感。 5千70年もの歳月が一冊にぎゅっと凝縮ですよ。 ストーリーも壮大で映画のように楽しめるし、何よりも風景描写が素晴らしいです。 文章から、草木や花の香りがたちこめ、草原を吹き抜けるように風が巻き起こり、

        春が近づいてくるとくるりを聴きたくなる。

          最果さん。

          『グッドモーニング』 最果タヒ 2年前の忘れもの。 というよりも借りたまま返せずにおります。 知らなかった詩の世界を教えてもらいました。 ただ、読んだだけではわからなかったのです。 鉄なのかアクリル板なのか石なのか。 冷蔵庫の中にあるそれは、触れてみるとほんのり温かい。食べてみるとぐにゃりとしていて、いつまでも口の中に残る。 酸っぱい気もするし苦い気もするが、全て気のせいで無味で冷たいのかもしれない。 そんな印象の詩。 とにかく論理的に理解しようとするものではない気がしま

          最果さん。

          今こうして歩いている。

          『城の崎にて』 志賀直哉 JR西日本のサイコロきっぷで餘部を引き当てたので、城崎温泉にも立ち寄ってきました。 もう去年の秋の事ですけれども。 実は鉄道好きだったりもします。 温泉街のお土産屋さんで見つけたのが、 “本と温泉”レーベルの注釈付き2冊組の豆本です。 城崎温泉でしか購入出来ないそうです。 限定、大好物です。 冒頭のこの一文で、すっかり自殺未遂を起こしたのだと思い込んで最後まで読み進めていました。 作品中の小さな生物の生死の描写を全て、“自ら死ねなかった自分”と比

          今こうして歩いている。

          こころ、4周目。

          『こころ』 夏目漱石 初めて読んだのは中学2年生、14歳ですね。 人生で最初に衝撃を受けた小説です。 (いや、最初は幼い頃に読んだ人魚姫かな。そのお話はまた今度。) 『吾輩は猫である』『坊ちゃん』しか読んだことのなかった漱石のイメージがガラッと変わり、この本をきっかけに、あらゆる日本文学を読み漁る日々が始まりました。 それまで日本文学なんて、真っ当なことが書かれているだけのつまらないものだと思ってましたから。 幻想文学なんぞどっぷり浸かりました。 学校帰りにWAVEの書籍コ

          こころ、4周目。

          あたまぱっかーん

          『ビブリオバトル出てみたら?』 好きな本の話をしていたら、友達から言われたのです。 え‥無理無理! 読んだ本の紹介をする? 趣味嗜好やあたまの中を 全て曝け出すようで躊躇するわ。 ヲタク変態がバレる! なんて、つい先日までは思ってたのですけどね。 どういうわけか、今、こうしてnoteで本の感想や、その本にまつわるエピソードなんかを書いていこうとしています。 わたし、大阪でカフェを経営しています。 住宅街にポツンとある小さなお店。 抜きん出た特徴も無いお店なので、まずは店主

          あたまぱっかーん