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一生聴き続け、生涯読み続けるもの。

一千一秒物語 稲垣足穂
『“大人になってからの音楽の好みは14歳の時に聴いた音楽で形成されている”という研究結果が明らかになった。』という5年前の記事を最近になって読みました。
さらに“17歳の時に聴いていた音楽は一生聴き続ける”のだそうです。

ああ、確かに。
バンドブーム真っ只中に14歳だったわたしは、歌番組に一切出演しないバンドに衝撃を受けました。
かっこいい。
なんてかっこいいの。

今ほど多様性という言葉が一般化していなかった時代。
世のヒット曲には耳もくれず、サブカル少女だのアングラ系だの渋谷系だのと勝手に分類されながらどんどん好きなものを追いました。
スカ、パンク、UKロックを聴き漁り、テクノ、ジャズ、ラテンなど様々なジャンルを聴き齧り、一周まわって最近また元の位置に戻ってきている気がします。
中二病、完全に拗らせた大人です。
一生聴き続けるのはやっぱり17歳の頃聴いていたUKロックなのでしょうね。

本も同じではないのでしょうか。
14歳の時に衝撃を受けた本はその後の選書に大きく影響していると思います。

14歳で夏目漱石に嵌り、夢十夜を読んだ事で出会ったのが稲垣足穂の一千一秒物語です。

夢十夜はどちらかと言うと幻想的。
一千一秒物語は、星新一、安部工房などと並んで古典SF小説とでも分類されるのでしょうか。
星を拾ってポケットに入れたり、黒猫が箒星になったり、月とけんかしたり・・。
瓶に入ったこんぺいとうを一粒ずつ大切に戴くように、1篇1篇をゆっくり味わって読みました。
基本ファンタジー幻想小説好きなのはやっぱり14歳が原点なのです。
ただ、足穂にはそれほど嵌りませんでした。
装丁の美しい物が多いので本はコレクションしましたが、どうも嗜好に共感できず。

17歳の時に読み耽ったのは皆川博子さん。
きっと一生読みますね。
“14歳発17歳着説”すごい

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