見出し画像

歴史・人物伝~松陰先生編⑥獄中で教え、学び合う松陰や囚人たち

歴史・人物伝~松陰先生編の第6回です。

ペリーの来航を狙った渡航作戦に失敗し、密航の罪で国元に返された吉田松陰は野山獄に収監されます。そして、松陰の密航に付き従った一番弟子の金子重輔が亡くなってしまい、意気消沈してしまいました。

野山獄は監獄とはいえ、比較的自由がきき、家族との面会も可能だったようです。また囚人とはいっても、比較的身分の高い人たちが入っており、そうした人たちは様々な教養を身に着けていたのです。

藩主に講義をしたほどの松陰ですので、その講義を聞きたいと思う人がいても不思議ではありません。金子の死で落ち込んでいた松陰は勇気づけられ、やがて獄中で「孟子」の講義を始めます。

ここから、互いに教え、学び合う「獄中勉強会」に発展していきます。囚人だけでなく、看守までその輪に加わるほどでした。また、後に松下村塾の講師となった富永有燐とも出会っています。

その中に、唯一の女性だった高須久子がいました。久子は、若き才能のある松陰に興味を持ち、松陰もまた、自分が持っていない短歌や俳句の感性がある久子に尊敬の念を抱いていたと思われます。

松陰は約2年半で野山獄から出て、自宅幽閉処分に切り替えられるのです。


noteでは連載コラム、エッセイをほぼ毎日書いています。フリーランスのライターとして活動中ですが、お仕事が・・・ご支援よろしくお願いいたします!