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AIC生ブログ|「農」への取り組み ~半年間を振り返って~ (by山本)

マイファームが運営する社会人向け週末農業学校「アグリイノベーション大学校(AIC)」の現役受講生が綴るブログシリーズ、今回は山本さんの第4回目をお届けします。

今回は春から農業を学び、その魅力をどうにかして伝えたいという思いで始めたブログ活動。その半年間を振り返り、自分自身を見つめ直します。

▼前回までの記事はこちら▼

皆さんこんにちは。
アグリイノベーション大学校12期生山本創士です。

早いもので、アグリイノベーション大学校に入学してから半年が経ちました。農業の道に進みたい!という思いで入学した当時は、実際に自分に何ができるのか、どのようなアクションを起こしていくのか何も分からない状態でした。

今回のブログでは半年間を振り返りながら、入学当時から今までの「農業」について学んだこと、感じたことを書いていきます。

半年で何を学んだか

私が一番成長できたと実感しているのは、作物栽培における技術面です。

アグリイノベーション大学校大阪農場で、実際に農場に出てプロ農家の先生に教えて頂いています。実習に行く度に新しい発見がたくさんあり、日々学ぶたびに野菜を栽培することの奥深さを痛感しています。

例えば、潅水作業(野菜の水やり)ひとつにしても、夕方には乾いているくらいの潅水量が理想的だそうです。知る以前の私は、潅水作業の回数を減らすために夕方にたっぷりあげていました。

しかし、日が落ちてからの潅水は根が伸びるのを抑えてしまうんだそうです。植物の根は夜に水分を求めて伸びる習性があるので、すぐ近くに水分があれば伸びようとしないですね。

植物生理を理解するというのはとても大切なのです。

農に対する考え方も変わってきた

講義の中でも驚きがあり、少しずつ農に対する考え方も変化しています。
私自身、入学前は、農薬=体に悪影響があるものとざっくりと悪いイメージを持っていました。

しかし、勉強していく中で、慣行農法(化学農薬や化学肥料を法律によって定められた基準の範囲内で使う一般的な栽培方法のこと)でも日々のモニタリングの中で計画的に散布しないといけないこと、有機農業ではあらゆる資源を利用してその作物に適した環境を整えてあげないといけないことなど、どちらも簡単にできる事ではないことを学びました。

また、第3回目のブログで太陽光熱処理について書きましたが、この技術は有機農業・無農薬栽培だけでなく慣行農法にも使用されています。他にも太陽光熱処理のようにどちらの農法にも共通する技術はたくさんあります。

そういった点では、慣行農法と有機農業の違いは化学農薬を使用する、しないの違いだけで、栽培技術に大きな違いはないのではないかと考えるようにもなってきました。どの農法でも農業をされている方は日々、作物が成長するのに好適な環境を整えることを考えながら栽培しているんですね。

悩まされる時間が増えた

農法にも様々あります。
農家一人ひとり栽培方法に特徴があります。
私も実際に学んだ栽培方法で自分なりに考えながら作物栽培に取り組んできました。

この半年間でトマト、ナス、キュウリ、サツマイモ、ニンジンなど合計20種類くらい育ててみました。

病気にかかり途中で枯れてしまうオクラ。
虫に食べられ葉がレース状になってしまった小松菜。

栽培すればするほど悩まされる時間も増えました。
ニンジンを梅雨明けに収穫後、ほとんどが土の中で腐ってどろどろになっていた時はショックでした。

栽培計画は難解なパズル

栽培面以外での悩みは、いつどこにどんな菜を育てていつ収穫するかなどの栽培計画を考える事です。

小さい圃場の中で、何種類もの野菜をどこにどれだけ植えるか考え、各野菜に合わせて土づくりもしないといけない。

まるで、難しいパズルを解いていくようです。

体を動かすことが好きな私には苦手なことでした。
結果的に、予想より植える野菜の種が多かったりして、ほとんど計画通りにはいきませんでした。AICで学ぶことで、頭では分かっていてもそれを実際に行動に移すというのは非常に難しいという事を肌で感じているところです。

しかし、それを乗り越えて無事に育ってくれた野菜を見るととても元気が出ます。

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サツマイモから学んだ出口戦略の経験値

野菜は基本的には自分達で食べるように栽培していましたが、サツマイモ栽培に関してはもう少し挑戦しました。

私の祖父が所有している5~6年利用していない農地を使わしてもらい土壌改良から始めました。数年利用していないので、一面草が覆い、土もとても固い場所です。

まずは草刈りから始めました。
耕運機で耕し、定植。

収穫は地域の幼稚園に芋ほり体験をしてもらうことを考えて栽培していました。コロナの影響下、当初はぎりぎりまで粘って人数制限や時間を分けての開催などできる限りの対策をして、収穫時期に子ども達の笑顔が見られるように実施できればと考えていましたが、断念せざるを得なくなりました。
その為、今年は地元の直売所で販売することにしました。

もともと芋ほり体験用に大きい芋を作ろうと定植していました。
大きい芋が多く、直売所に来るお客様のニーズに合っていないサイズなので販売するには工夫が必要です。

野菜一つ販売するのにもなかなかうまくいかないですね。
それでもくじけず挑戦していきたいと思います!

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これからのこと

半年が経過し、今後どうしていくのかは正直な所まだぼんやりとしています。栽培から販売まで百の仕事ができて「百姓」といわれる農家になることがいかに難しいかを日々感じています。

そんな中でも畑で作業をしている中で、近くを通った方に「とてもきれいに作っているね」と言われた時は、その一言だけでも頑張ろうという気持ちになります。

農家になるのは何年先になるかわかりませんがが、今できることを少しずつ、ひとつずつ、頑張ります!


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書いた人:山本創士さん(アグリイノベーション大学校12期生)
中学卒業後、農芸高校へ進学。大学では洞窟性コウモリの生態についての調査研究を通して、人と自然との関わりについて学ぶ。現在、大学校にて新規就農を目指し勉強中。


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