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巡り合わせの年

東京にきて3年目の2019年、そして令和元年。もうすぐ終わろうとしている。色々とひと段落して、1人で少し向き合うこの時間。お香を焚いて、部屋を少しだけ掃除した。

夏が終わってから、とてもあっという間だった。いつも毎年、夏以降が異様に早く感じるのは私だけだろうか。

少し前に友達と今年を一文字で表すなら何?という話をした。みんな考えて思いつかなかったけど、私は「巡」だなと思った。

2018年は自分を取り戻し、しっかり生活の基盤を築いて、東京にも根を張ろうと決めて奮闘した。2019年はその根から少し芽が出て育ってきた気がした。

とにかく「出会い」に恵まれた1年だった。5年以上ぶりに会う友達との再会が続いたり、純粋な良い出会いが多くあった。そして私自身だけではなく、兄の結婚、従兄弟、親友の出産などとても良いことも続いた。それはプライベートだけではなく、仕事でもそうだった。いつ芽が出るかなと思いながら地道に続けていたことが、今年になり大きな案件となって実を結んだ。もちろんまだまだだけど、ようやく結果を残せたかなと思う。

春には出会いの場にもたくさん出かけた。そういう時間があったし、何となくそういう気持ちが高まっていたから。夏になり忙しくなって続けられなかったけど、夏は今度は懐かしい人たちとの再会、そして国境を越えて新たな友情もできた。どんな時だって笑い合える仲間との絆も再確認した。私は、どれだけ恵まれていたのだろうと心から感じた。海にもまた原点回帰したのも面白かった。私自身が育まれてきたルーツにもまた出会えた気がした。2018年は前の恋愛で家族ともぶつかり衝突し、親を憎いと一瞬だけど思ってしまったこともあった。だけどまた子供に戻った、彼らの子供に。家族愛を感じ、そしてまた離れていく寂しさも持ち合わせた。私は私で自分の生活をこれからも彼らとは別に歩んでいくんだと。

秋、あの出会いにでかけていた春にまいた種が、大切にしたいと想える人との出会いに結び付いた。本当に予期していなかった形で、ふと、その人は私の人生にさりげなく入ってきた。とても温かな心と共に。冬、誰かをまた大切にしたい、そして大切にされてると想える喜びを改めて知った。そう、こんな気持ちだって思い出した。まだはじまったばかりの2人のいく先はどうなるか分からない。だけど、今はただただこの穏やかに感じる温かな気持ちだけを見つめていたい。今までになかった不思議な気持ちと共に。

どんな結果もすぐには見えてこないし、欲しい物は実は手には入らない。それは欲深く思えば思うほど、物ごとは不思議と遠ざかっていく。だけど逆に、ただ目の前にあることをただがむしゃらにまっすぐにやり続けること。そして自分が持っていたものを改めて大切にできた時、それはささやかながらも納得いく答えがあった。

何よりも大きな収穫は、1人でいることに心から慣れたこと。人はいつまでも孤独だし、結局は1人であることが2人でいることにも、人間関係にも続いていく。その積み重ねなのだと知ったから。きっとこれからも1人でも生きていける、そうそっと想える強さが、今の私にはとても大きな財産だ。

「巡」いろんなことが2019年、令和元年に巡ってきた。本来の自分も紆余曲折してまた巡り戻ってきた。そう、人生って巡り巡っているのだと気づいた。何よりも大きい、私にとってとてもターニングポイントになる1年だったのかも知れない。紛れもなく今の自分が好きだと想える。どこかでいつも何かに躓いていた。何かに囚われていた。こうあるべき、こうしなきゃという概念に苛まれていた。だけど今は違う。どんな自分も自分であり、それは他の誰にも邪魔できない、いや、干渉されるべきものではないのだ。その中で、私は誰かと繋がっていけたらいいとそっと想える。

彼もまた転機の年になったと言っていた。仕事でもそうだし、プライベートでは私と付き合い始めたことも転機だなって。そっかと頷き、私はそれ以上深く聞くことはなく、彼が歩んできた知ることのできない道のりにそっと想いを寄せた。

また自分を取り戻す作業のためにはじめたこの場所。どれだけの人に自分の言葉が届いているかは分からないけれど、ありがたい言葉も頂いたり、繋がれたこと。ここが新たな自分の居場所のひとつとして小さく灯っている。心強い場所だ。

ありがとう、2019年、令和元年。
世界はそれでも悲しいことの方が多く、途方に暮れそうな問題も山積みだ。日々の生活も本当の豊かさに疑問を抱くこともあり、不平不満も降り積もる時もある。時に誰かと衝突し、時に間違いも起こす。後悔だってするし、誰かに傷つけられ、傷つけることもある。だけど今はそっとすべて置いて、たった1人の自分だけを見つめてみよう。きっと、大丈夫だと言ってあげよう。そして、感謝しよう、すべてのことに。

2020年、どんな年になるだろう。多くは望まず、等身大の自分でいられたらいい。あなたも、君も、あの人も、愛すべき全ての人に。たくさんの幸せと希望が溢れる年になりますように。

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