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山登りの話。


ここ数年、本格的に山登りをしている。

東京に来てからアウトドアサークルや登山サークルに入り、
一緒に山登りしたり、こちらにいる幼馴染と一緒に登ったりしている。
まだまだ多くはないが、関東近郊を中心に登っている。

巷では数年前から山ガールという言葉が生まれ人気がある。

私はもともと自然の多い場所で育ち、
山へ行くことはもう当たり前の生活だった。
家の目の前には山があり、すぐに歩けば裏山、森があった。
それこそ幼稚園から学校の課外活動で山へ行くことも多かった。

だから山ガールというのはどうも自分にはしっくりこない。
いや、もうガールとは言ってはいけない年代なのでなおさらだ。

私が山登りを本格的に始めたのは、
地元である友達に出会ったというのもある。

山へ行くのはいつも母や祖母と一緒だった。
同年代で山へ行ってくれる子は周りにいなかった。
だけど、ある時ワークショップで知り合った同い年の友達ができ、
彼女の趣味は山登りだと聞いて意気投合。
それから一緒に山登りをするようになり、私も道具をそろえ始めた。

本格的に始めるとやはり山はいいと改めて思った。

小さなころから自然のある場所へ出かけるのが家族の日課になっており、
山道を車で走りながら山の自然の風を浴びるの大好きだった。
目にはキラキラと新緑が映り込み、
壮大な木々はいつ見ても気持ちを解放してくれた。


でも当時はさほどそこまで山への想いはなかった。
それこそ10代~20代前半ぐらいは海も大好きだった。
泳ぐのも得意だったし、水の中だといつまでもいられる子だった。
海の近くに住みたいと願ったこともあった。

ただいつからか海への関心は薄れた。
単純に暑いのが苦手になったというのもある。
肌が焼けるのも嫌になったし、体調が悪くなることも多くなったからだ。

20代後半にカナダへ留学し、また山が近くにある生活をして、
冬場はウィスラーへ通い壮大な山々に魅了された。

私のルーツであるのはやっぱり山だなと原点回帰。

山が好きな理由は明確には言えない。
単純に緑に癒されるというのももちろんある。

凛とした空気感。
鳥などの鳴き声と木々や植物が奏でる音。

不思議と気持ちが落ち着くのだ。
リセットされる感じ。


いつからかビジネスの真っただ中にいて、
キャリアもそれなりに積ませてもらっている中で
時々自分がどの位置にいるのか分らなくなることもある。

だからこそ携帯の電波も届かなくなる山はリセットにはもってこいだ。

そして両親のルーツはどちらをたどっても山である。

山へ出かけることも多かった。
父親が運転する車に乗って山道を走っていると、
突然、母の一声で車が止まる。

「 父さん、止まって!」

山道の脇道に止まり、母と祖母は車を降り一目散に山へと入っていく・
そう、山菜などを車で走りながらも見つけられるのだ。
恐るべし野生の能力(笑)で

「 ほんま山の子は困る(笑)」

父さんはいつも呆れながら笑い車からその姿を見ていた。

滅多に車が通らない険しい山道を通っていると、
時々、木が折れて道をふさいでいる時がある。

祖父は車を降りて何も言わずいつもの山道具を腰につけてそこへ向かう。
そしてあっという間に道を通れるようにしてくれるのだ。

山の人はすごい。
たくましい。

足腰も丈夫な人が多いし。

そして土の状態、植物の状態、木の状態。
それを見ながら色々と教えてくれる。
天気だってそうだ。

そういうのを聞き、見ながら育った私には、
山には「生きてく知恵」がある気がしている。


あとは「四季」をちゃんと感じられること。
移りゆく季節を木々や森はちゃんと反映してくれる。

できればちゃんと「四季」を感じられるところで生活をし、
それぞれの四季に知恵を持って生きていきたいと思わされる。


そして東京は数時間電車を乗れば山がある場所に行ける。
それこそ長野、山梨とアルプス山脈だってアプローチしやすい。
もちろん体力もいるので体力作りもしなきゃとも思っている。


これからも私は山に登る。

どんな山でも良い。

季節と共に楽しみながら。

そして生きてく知恵も忘れずに。

Feel the nature.


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