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みゃこいち(myacoichi)
2023年11月3日 16:30
「流石にそれは恥ずかしいから、やめて」 勇気を出した、苦肉の策は結局拒絶されてしまった。 だが、百花は顔を赤くしているので、完全に失敗だったわけではないだろう。 しかし、作戦の評価はかろうじてマイナスを逃れただけだった。 その後はそれぞれ、風呂に入り自室へと篭った。 どれが正解なのか分からず、僕は天井と睨めっこをしながら考えた。しかし、考えはまとまるわけがないし、ふと冷静になった時、自
2023年11月2日 17:00
百花は真剣にアニメを見ていたが、僕としては少し青春の傷を舐められてしまうような感覚だった。 もしも、新しく家族ができるとすれば、最も可能性がある父の再婚を考えていたからだ。 そしてそこに連れ子がいたとしたら……と、このアニメを見ていた。 僕の勝手な妄想だ。それが現実に、さらにまさか忘れようとしていた初恋の相手が義妹になるとは、思いもしていなかった。 その元初恋の相手が僕のベッドに座って、
2023年11月1日 17:00
中学二年の秋。僕は初恋を失った。 そもそも、好きとは言えず、無邪気に惹かれて一人で騒いでいただけだったが、中学二年の夏休み明けに、惹かれていた女の子に凡そ恋人と呼ぶ人物が隣にいたからだ。 それからと言うもの、僕の中学生活は打ちっぱなしのコンクリート壁のようにグレーで、空に浮かぶ雲のように白くて、僕の伸びた前髪のように真っ黒だった。 高校の進学先は、クラス中の進路の話に聞き耳を立てた成果