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第13話:手放す=誰かの役に立つ。気持ちいいサステナビリティ 〜ブックオフオンラインの「キモチと。」

モノへの思い入れがわりと強い方だと思う。
買ったり手に入れたりした場所はもちろん、その時の自分の試行錯誤した気持ちや店員さんの応対、シチュエーション、入れてもらった紙袋も覚えていたりする。
それをどんな気持ちで使っていたかも覚えているから、愛着がわきすぎるせいで全然モノが捨てられない。

自分のモノはまだいい。自分で管理できるから、まだ手放すのが心苦しいモノは思う存分手元に置いておける。

でも難しいのが子どものモノ。
服や靴、おもちゃ、スキー、自転車…。
戻ってこないあの幼くかわいらしい時間が、そのモノを見るたびに映写機が起動するように鮮明に思い出してしまうから、サイズアウトしたり使わなくなったりしても全然捨てられない。
いや、手放すことはできるのだけれど、ごみ袋に入れるのがニガテなのだ。思い出をごみ袋に入れるようで。
ミニマリストに聞かれたら一笑に付されそうだ。



思い出がごみになる感覚が嫌なだけでなく、捨てた先も気になる。
自分の領地である家から出してしまえば、あとはごみ収集業者さんにおまかせ&その先については知らんぷり、というのはちょっとわたしには居心地が悪い。
わたしの捨てたモノとごみ山の画がリンクしてしまう。
モノを手に入れたからには、手放すところまで責任をもつべき段階に、わたしたちはいると思う。
だから、基本的に「捨てにくい」ものは無意識的に買わないようにしている気がする。
分別が難しそうなモノ、電化製品、大型のモノ、高額なモノ。
ソファは初任給で買ったものを使っているし、洗濯機も15年間使っている。

「譲る・売る」を超える、「寄付する」

そんな「捨てられない」わたしが好きなのは、知人友人へ譲ることとフリマアプリ。
捨てられない思い出を、誰かの役に立たせてもらうことで昇華させている。
でも、もっといいサービスを見つけたから、わたしみたいな人にはぜひとも使ってほしい。
それは、「キモチと。」というブックオフオンラインのサービス。

ブックオフオンラインでは、不要になった本やおもちゃなどを買い取ってくれるわけだけど、この「キモチと。」では、その査定額を寄付してくれるのだ。
寄付先はたくさんあって、このサイトにずらりと並んでいるからぜひ見てみてほしい。
町を元気にしようとか、途上国の子どもの教育への寄付とか本当にいろいろある。
自分にとっては不要のモノが誰かの元で役立つだけでなく、その収益金が寄付されるのであれば、わたしは喜んで手放したいと思った。
(しかも送料は無料なのだ。とてもハードルが低い。)

そこで、さっそく子ども達の本やおもちゃ、DVDをかき集めて段ボールに詰め、ネットで集荷依頼をした。
わたしがせっせと詰める懐かしのおもちゃを目にした子ども達は、一瞬別れがたそうな顔つきになったけれど、「これを必要な人に売ってくれて、そのお金を寄付してくれるんだって」と言ったら、誇らしげに、かつわりとあっさり手放してくれた。

計5つの段ボール。


わたしは、児童労働を撲滅するためキャンペーンをやっていた「シャプラニール」を寄付先として選んだ。
子ども達の本やおもちゃだから、世界のどこかの子どものために役立ったらうれしいと思った。

お手軽であることはサスティナビリティの条件

こうした企業はぜひとも利用したいし、応援したい。このサービスを考えついてくれた人にはお礼を言いたい。
わたしひとりがリサイクルショップへ持っていき換金し、それを寄付することだって理屈上はできるけど、
心理的な数々の壁に阻まれて、思いついたとしてもやらないと思う。
実際わたしはやったことがなかった。
でもこうしてサービスにしてくれたおかげで、わたしは単なるお手軽な利用者になることができる。
このお手軽感が、サスティナビリティにはえらく必要なことだと思っている。

買い取ってくれるのは、本やおもちゃだけでなく、ブランドバッグやゲーム、スマホ、一眼レフなど多岐にわたる。

「捨てる」がニガテな方は、ぜひ利用してみてほしい。

後日談。わたしの手放したモノはどうなった?

後日ブックオフオンラインからメールがきた。
わたしの送ったモノが査定され、寄付金額が決まったとのこと。

4216円が、無事寄付されたそうだ。
わたしのお財布から4216円を取り出して寄付することと、こうした取り組みを利用することでは、金額上は変わりがない。
けれどその金額以上に、わたしの中には誰かの役に立てたという満足感と、モノを最後まで利用しきれたという自負が残った。
幸せな体験を、させてもらったと思う。

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