なぜ昨日の会議は気持ちよかったのか
会議の流れと主要なポイント
はじまり
主催者である室長がいう。
「今日は〇〇を決める」「X時X分がきても決まらなければ、明後日のYY時から続きを行う」
議論が活発になった時には、Aさんが言う。
「Bさん、なんか言いたそう!」
「Cさん、文句ありそうだな(笑)」
「Dさん、今日も険しい顔してるねぇ(笑)」
会議の終わりに全員が言う
「やらないといけないことは?」
「やらなくてよくなったことは?」
「いつまでに?」
「巻き込んだ方がいい人は?」
分析
冒頭の宣言(近接動機と回避動機の刺激)
✅「今日は〇〇を決める」【目標提示】
⇒意志統一と「これができたら、自由なんだ!解放される!」と言う近接動機の刺激
「X時X分がきても決まらなければ、明後日のYY時から続きを行う」⇒「できなかったら、明日も束縛される」と言うと言う回避動機の刺激
交通整理【主観 + 独り言 + 巻き込み】
✅Aさんの発言の力【主観 + 独り言 + 巻き込み】
Aさん:「Bさん、なんか言いたそう!」 ⇒ 冗談めかした勝手な決めつけ。
⇒Bさんは、「え、そんなことないっすよ」と冗談で返せる。 かつ 「いや、ただね・・・」と本音が言える。
Aさん:「Cさん、文句ありそうだな(笑)」
⇒Cさんは、「いや〜強いて言うなら・・・」と言いやすくなる。
Aさん:「Dさん、今日も険しい顔してるねぇ(笑)」
⇒Dさんは険しい顔してなくても、言われた側は、「いやいや、そんなことないっすよ」(以下同じ)
✅Aさんの発言はの注目ポイント
Aさんの主観で語っている。
独り言のように言っている。(相手に強制的なターンテイキングを求めない)
とはいえ、相手は自然と「いやいや!そんなこと!」と言わざるを得ない
Aさんがそう感じた(主観)と言うのだから、不満(不安)げな表情や空気を【感じさせてしまった】ことを、B~Dさんは直接否定できない。とはいえ、そう思われているのは嫌だから、「そんなことないですよ!」と発言の口火を切ることになる。これにより、不満や懸念を露呈しやすくなる。
まぁ、いずれもメンバーの仲が良くないとできないが。
着地【フレームワークで秩序を与える】
「会議後のルール化された発言から分析してみる。
「やらないといけないことは?」
⇒行動の明確化 [to do]
「やらなくてよくなったことは?」
⇒「行動の焦点化」「精度の向上」[not to do]
「誰が?」「いつまでに?」
⇒責任の明確化、曖昧な結論の防止[who, when]
「巻き込んだ方がいい人は?」[with who]
⇒忘れがち。上長へのお伺い、専門知識、技術の拝借、関係部署への連絡
✅注目ポイント
会議の目標は「アウトプット、行動」を作り出すこと。またはそのための素地を作り出すこと。上記のテンプレ化されたメンバーの発言は、会議後の「チェックリスト」または「フレームワーク」として機能する。
フレームワークなしでは、混沌とした世の中の情報に秩序が与えられない。【味、価格、立地、雰囲気、店員】と言う観点がなければ、飲食店のレビューが難しいのと一緒だ。
この着地があるかどうかで、まるで結果が違う。
これでも素晴らしいのだが、もう一つ追加したいなと思った。
それは、
[how much, how]である。
自由なやり方で、自由な程度でやらせてもらえる時ほど楽しく、やりがいを感じ、発想豊かなことはない。だから、「僕の思うままにやっていいですか?」「どの程度のところで、伺いを立てるのがいいですか?」を冗長の責任で明確にした方が良い。
すると、上長の責任が明確になり、心理的安全性も確保される。
例えば、私が今やっているエンジニアの仕事だと
「デザインは原案をこちらで作ったらいいですか?」
「使いやすい機能は勝手に追加しといていいですか?」
「配色は、テーマだけ決めて、あとはおまかせですか?それとも細部まで今検討しますか?」
など。
まとめ なぜ会議が気持ちよかったのか
①冒頭に会議目標の宣言があった。
②終わりに、フレームワークによる収束があった。
③それによってアクションプラン(誰が、誰と、何を、いつまでに、どの程度の裁量を持って)が決まった。
その過程で、誰もが発言しやすい交通整理がなされた。交通整理は、強制的なターンテイキングではなく、ある種のセンスあるつぶやきによって「あ、俺のターンになったぞ」と言う自然な感じを作り出すことが重要。機械的なターンテイキングでは、ありきたりな発言しか出ない。「言いづらいことを言いやすく。」談めかして、「お!?なんか不満(不安)があるのかい?YOU、それ、出しちゃいなよ!」みたいなのが伝わる呟きっていいね。
結果として、
意思決定に向けて、参加者が意見を述べやすくなった。
今後のアクションプランが明確になった。
非常にシンプルな理由でした。
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