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ラブライブガチ恋曲厳選集2。ユニット曲から「個」を見いだせ、二人の為に書いてみたよ

私はラブライブキャラガチ恋オタクだ。今は遥か真姫ちゃんに狂いに狂い散らかしていた時期がある。今でもトマトを見ると真姫ちゃんを思い出し狂う。

先日無印二期ぶりにサンシャインとスーパースターをすっ飛ばして虹ヶ咲アニメ一期を見た、そしてラブライブ熱が再燃したというわけだ。

そんなわけで今も昔も狂ったガチ恋曲を以前記事にした。

今回はその続きだ。前回書きたいと話をした【ラブノベルス】と【小夜啼鳥恋詩】だけでなく虹ヶ咲から発掘した【Pokerface&お願い!Fairy】と【Sweet Eyes】の解説をする。今回はソロ曲多めであった前回と比べ、ユニット曲から選んでいる。
ユニット曲にもしっかりとガチ恋曲は存在しているということを証明するためだ。ユニットで歌っているからこそ「個」を見出すことに価値があるという話だ。
これは前回解説した【告白日より、です!】の応用とも言える手法である。

力ある考察とは常に倒錯と紙一重である。だからこそ狂い足り得る。

BiBiらしくないからこそ 【ラブノベルス】

結論は…好きだよ
好きになってみてよ

ラブノベルス/BiBi

私は真姫ちゃんが好きである、故にこの狂いは必然。
この曲はBiBiの3人みんなに当てはまる歌詞である。うまいこと3人の誰が言っても違和感のないような雰囲気の歌詞にしている手腕は圧巻と呼ぶ他ない。

【鈍すぎるのよ 天才的だわ本当】

特にこのフレーズからどのような記憶を読み取れるであろうか。私にはいつものように呆れながら髪をくるくるとしながらため息をついている真姫ちゃんが見える。
だが同じようにわなわなと怒り散らかしているにこにーの姿も見えれば賢そうに頭を抱えている絵里の姿も見える。これは解像度の多様性だ。お前の好きなように解釈してくれ、好きな記憶を選んでくれということだ。
人によって見える幻覚は違う、3人で歌っているにも関わらず特定の1人が見える。これがタイトルにもしたユニット曲から見いだせる「個」だ。

BiBiの3人はクール系を売りにしている。だからこそ【ラブノベルス】での可愛さ10000000億点パワー系歌詞が胸に染み渡る。
【夏、終わらないで】や【冬がくれた予感】などの失恋を感じさせるラブソングとして仕上げているバラードや【PSYCHIC FIRE】や【Cutie Panther】のようなデンジャラス独占欲女ラブソングと比べるとBiBiとしては異端な曲に感じるかも知れない。

それは「BiBiの3人」として見た場合である。確かにユニットとして見れば上に書いた曲達のほうがユニットイメージも固まっており「BiBiらしく」仕上がっているといえる。
やはりBiBiといえば私の魅力にお前はもう釘付けだろうといった自信満々な感じや好きになったら火傷じゃ済まさんぞといった危険な女イメージを漂わせている。

だからこの曲はBiBiらしさではなく、個人単位で見た3人の「らしさ」で生きている歌詞である。BiBiの彼女たちはあんな風に祈っちゃったり泣いちゃったりはしないしあんな感じで彼女になりたいなどとは言わない。これは等身大ということを意味している。
だからこの曲はラブソングではなくガチ恋曲と認知することができる。いや、ガチ恋曲と呼ぶに値する。私が言いたいことはこういうことだ。

いつものBiBiな「こんな魅力な私のことを好きにならないわけがない」ではなく「私はこんな好きなのになんでお前は気付かないんだよ」と。ラブノベではそんな恋愛弱者な等身大の彼女達が描かれている。
彼女になってあげるではなく【彼女になりたい】である、これが全てだ。ここに宇宙の真理が詰まっている。アカシックレコードとはラブノベルスのことなのである。

他に特筆すべき点としては【2人のために書いてみたよ】の部分に差し込まれる【ハッピーエンドね】の合いの手。ここはあまりにも賢すぎる。真姫ちゃんが歌っているのだが隣にいる賢い女の賢さにあまりにも引っ張られすぎている。
また真姫ちゃんの歌っている【熱い気持ちとは遠いの】という歌詞は【Darling!!】に通ずるものを感じ解像度を高めることに一躍買っている。
わなわなにキレ散らかすにこの姿はラスサビ【私の恋は実られられぬ】のあとの【られぬ?】の歌いかたから全てを感じ取ることができる。こういった細かな部分の歌い方とパート分けから多くのことを読み取れ楽しくなれる曲である。

結局のところ聴けば聴くほどその魅力に取り憑かれて、分からされるばかりである。これが、この道が「本編」であると。

そして待っている未来、【ハッピーエンド】ね。

「籠のなか」という唯一無二の距離感【小夜啼鳥恋詩】

籠のなか 閉じ込めて?
あなただけのために
歌いたいの今のメロディー

それは恋の詩
ふたりきりの籠のなかで
歌う恋の詩

小夜啼鳥恋詩/printemps

ここまで匂わされてことりちゃんの曲ではない、それは嘘。ことやたらフラれそうなラブソングに定評のあるプランタンの中で最も高い火力を有しているのがこの曲であると私は考える。
限りなく失恋よりの片思いである【Love marginal】と【UNBALANCED LOVE】の二大巨頭。俗に言うメンヘラと呼ばれるような歪んだ愛情を原動力としたガチ恋エネルギーの奔流である【NO EXIT ORION】
上記の曲は恋心の成就に重きを置いている。

対して【小夜啼鳥恋詩】は2人だけの閉ざされた世界で生きたいと願い、実際にそう生きる愛の詩である。
この曲の真髄は「あなた」との距離感、他のラブソングとは一線を画している距離の詰まり方にある。

【いつのまにか籠のなかに あなたも入っていた】

ここだ、ことりちゃんにしか持っていけない誘い攻めの力の波を一身に示している。かよちんやほのかには出せない「個」をここから見出だせる。

【籠のなか 閉じ込めて?】
非常にインパクトの強く力溢れるフレーズからこの曲は始まる。「あなた」の鳥籠に「わたし」を閉じ込めてほしい。普通に読み取ればそうなる。この時点ですでにミスリードに引っ掛かっている、いやもう籠のなかにいる。
籠のなかに閉じ込めてほしいと思っている。しかしいつのまにか閉じ込めてほしいと思っていたあなたも同じ籠のなかにいた。

ふたりきりの籠の中「あなた」もまた籠の中にいるということの重みが分かるか。
私をあなたの所有物にしてください、籠の中に入れてずっと側に置いていてください。ではない。ふたりきりで籠の中、つまり世界から隔絶されて2人きりの世界に閉じ込められたいという意味だ。

そしてここからが真髄である。「あなた」のいる籠の中に入ったのではない。
【あなたも入っていた】のである、あなた"も"だ。つまり惚れて攻めたのはあなた、つまり「こちら側」である。これである。これぞことりちゃんと言うに相応しい力はここに存在している。
やはりことりちゃんは告白させる側、攻めさせる側である。所有物になるのではない、あくまでも同じ目線で生きている。この場合においては堕とした、という方が適切である。
非常に堕落的で破滅的だ、隔離された2人だけの世界へ誘ってくる小鳥の歌声。閉じ込めてほしいと歌いながら籠のなか誘導してくる狡猾さ。

この攻めさせる力、それは繰り返し歌われる【籠のなか 閉じ込めて?】というフレーズからも見て取れる。
閉じ込められたい、という願望だけではない。あなたのことも閉じ込めたい、という歪んだ愛情と取る解釈もできる。だが私はこう思う、ここにある歪んだ愛情とは「閉じ込めたい」ではなく「閉じ込められてほしい」である、と。
「籠のなか」とはそういうことだ。一般的に考えられるような飼い主に与えられる主従関係の空間ではない、2人だけで暮らす閉ざされた世界のことである。庭でも家でもダメである、籠なのである。その世界は狭ければ狭いほど好ましい。

余談であるが「閉じ込めたい」という攻めの願望は【NO EXIT ORION】の中でふんだんに発揮されている。そのため曲の雰囲気とも相まって【小夜啼鳥恋詩】においては適切でないと考える。
故に【NO EXIT ORION】はかよちん寄りの曲であると私は考える。
【冬の星座よわたしに力をかしてください】
非常に印象的なサビのフレーズだ。この歌詞の真の意味が見えるか。星座への問いかけ、つまり夜空への語りかけ、そして星座が見えるということは星が出ているということ。星のある夜、つまり「星空」にわたしに力をかしてくださいと言っているわけだ。
じゃあかよちんだろ。これをかよちん歌詞解釈するのが一番気持ち良いわけだ。以上。機会があれば別のバトルフィールドで詳しく話をする。

【小夜啼鳥恋詩】この曲はやはり「誘い」である。在り方としては食虫植物に近しい。隙を見せるし好きだという想いも隠さない、それに惹かれてほしい。手を取り連れてくるのではなく、こちらへ来てくれるように誘う。
【声にも温度があるって あなたに伝える方法】
これは非常に奥ゆかしく遠回りな愛らしさで溢れる歌詞である。【声にも温度がある】これがとても美しい。触れば温度は伝わるし声そのものに温度は存在しない。でも温度はあるのだ。確実に声に温度はある。

「声」というのは本質ではない、重要なものは「空間」
か弱くてもあなただけに伝わるようなそんな音にこそ熱は宿る。そんな弱々しくも熱の籠もった小鳥の歌声はいかにすれば聴こえるのか。近づくのだ。声の聴こえる方へ。
あなたのためだけに歌うラブソングを抱きしめられる距離へ、2人が結べれるべくして出会う距離まで行く。それが答えだ。

気づいたか? もう手遅れだ。

【いつのまにか籠のなかへ あなたも入っていたの】

独占欲三國志A・ZU・NA【Poker face&お願い!Fairy】

ねぇ!話しかけてよ
もう分かってほしいの
大好きは止まらない!
不器用なことくらい
君は気づいているの?
私拗ねちゃうよ?

Poker face&お願い!Fairy/A・ZU・NA

ようこそA・ZU・NAガチ恋ランドへ。この3人がガチ恋エナジー強めで大暴れであることは虹ヶ咲のことを知っていれば当然分かるであろう。
前回記事で紹介したものも虹ヶ咲からのエントリーは偶然ながら両方A・ZU・NAメンバーの曲であった。歩夢はアニメ、特に1期11話でやりたい放題やっているしその矢印が「あなた」に向いているにじよんなどでの火力の高さは折り紙付きだ。

この曲にはそれぞれの個性を出した歌詞が入っている。更にこの曲から迸るリビドー、その湿度と独占欲は3人に当てはまる。これに覇を唱えずしてどこに覇を見出すのか。
特に私はやはりせつ菜の【ヤダ!】が狂おしいほどに好きであるために彼女のわがままきままありのままエナジーを強く感じ取らざるを得ない。

【帰り道に咲いた 普通の花じゃダメですか?】
このフレーズは言うまでもなく歩夢を意識した歌詞である。特に【開花宣言】と並べて見ると非常に顕著である。
【道端に咲く 私を見つけた人が】
2番のこのあたりのフレーズを見るに非常に分かりやすいであろう。【開花宣言】においては駆け出したばかりのスクールアイドルとして道端にいる私を見つけてくれた人が少しだけ幸せになれるように、と。そう歌っていた歩夢がガチ恋バトルになった途端にこれである。
ここに地味だとか目立たないといった自身を卑下するワードが入っていないことが非常に好感触である。あくまでも道端に咲いた普通の花であるからだ。そこで卑屈になっていないことが歩夢の持つヒロイン力を増幅させており圧倒的なDPSを叩き出している。

【広い草原で 2人だけのダンスを】
こちらはしずくを現しているフレーズだ。広い草原という舞台で2人だけでダンスを踊る。演劇が好きでロマンティックなしずくらしい夢想が垣間見える解像度に満ち満ちた歌詞だ。
そもそもの話であるがしずくのソロソングは概ねどれもガチ恋火力に満ちている。【あなたの理想のヒロイン】を筆頭に【やがてひとつの物語】も「あなた」とのハッピーエンドを意識した作りになっており非常に高火力である。
また本曲最後の【なんて言えたなら!】この部分は【あなたの理想のヒロイン】で描かれている熱い想いを持っているがやっぱり最後の一押しは言えないしずくのいじらしさを見て取ることができる。
しずく要素としては全体的に湿度と執着心が非常に似合う女であるため上記の部分だけでなくわりあい歌詞中全編通して解像度高めであるのがとても気持ち良い部分である。

【ずっと構ってほしくて 私だけを見て 独り占めしたいの!】
もうこれ以上説明の必要はあるまい。
【つまりはいつもいつだってかまって欲しい】【誰より一番私を見てて】なのだ。このダダこねまくるワガママガール、わがままきままありのまま。
その全てを────俺は、受け入れる。

上記のように特に「個」を感じ取れる歌詞はあるが、真髄はそこではない。前述したまんべんなくぶちこまれている独占欲と不器用さと強すぎる愛情、この要素は3人とも当てはまる。これである。
【ラブノベルス】と同じタイプの1つの歌詞から3通りの記憶が見えるガチ恋曲である。
この3人から放たれる徹底的なガチ恋エナジーの放流、これこそA・ZU・NAが持つ真なる魅力だ。それが特にこのパワー系歌詞となればこれが最強というわけだ。
聴けば聴くほどやっぱAZUNAよ、と。自分が思っている以上に彼女のことが好きだと気付かされる。それだけではない、多くのことを気付かされる。
私はまだ虹ヶ咲履修途中であり彼女達のことを本当の意味でよく知らない。曲を聴けば聴くほど新たな発見がありアニメだけでは見つけられなかった魅力を発見できた。
しかし、そんな中でも、だ。

とっくに気付いていたよ「不器用なこと」くらい、ね。

ここは虹ヶ咲、故にガチ恋曲【Sweet Eyes】

Ah恋してる…?(My恋なんだ)
認めなくちゃ…LOVE(このキモチ)
恋してる…!(My恋なんだ)

Sweet Eyes/虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

貴様ついに倒錯したか、言うに事欠いて【Sweet Eyes】がガチ恋曲だと。これは虹ヶ咲全員曲であり抽象的な歌詞が多い典型的なラブソングだろうが。どこに「個」を見いだせる、答えてみろ。
そう思った方もいるであろう。その通りだ、これは前述してきた曲達に比べたら圧倒的にラブソングである。だがここにも確実にガチ恋曲となり得る「個」の存在はある。

忘れたとは言わせない。虹ヶ咲には「あなた」がいるということを。

確かに虹ヶ咲全体曲だが歌詞の中に「あなた」がいる。だからといって何になるのだ。そう思うのも無理はない。しかしこれだけがリアルである。「あなた」という概念は確実に存在している、これが何を意味しているかもう分かるであろう。
そうだ、この曲から見出すべき「個」は歌う側に非ず。向こうが誰に向けて歌っているか、である。それはつまり「あなた」に向けたラブソングと言える。要するに全員であなたのことが好きだよと。
前述してきた曲は「集」の中から「個」を見出すタイプだ。この曲は「みんな」から「あなた」への方向を慈しむものである。この解釈を掴めるものだけが栄光を手にする。

変化球的ガチ恋曲と言える。あるいはその在り方としては恋愛ゲームの主題歌のようなものとも言える。
私が真に特筆したいところは「あなた」がいてスクールアイドルがいる虹ヶ咲という作品においてこのような矢印の方向のラブソングを出してくれるという福利厚生の手厚さである。
あなたちゃんという存在はラブライブという作品において非常に特異な存在である。だからこそ生まれる解像度と自己投影への浸透度は他の追随を許さない。
そのためこのような全体曲のラブソングというものは他のシリーズとは一味違う火力を持っている。これが特筆すべき点だ。他のシリーズでは出せない虹ヶ咲唯一無二の力。ここにはあなたと佑ちゃんと俺がいる。
「あなた」という存在が生む多様性と無限の可能性は言うまでもない。この曲はその象徴、方向性の具現と言っても過言ではない。

だからこそ、ここが虹ヶ咲だからこそラブソングにありがちな歌詞に解像度が宿る。記憶が見える。何気ない日常、感情の機微、それらに色彩が宿る。

────心に「虹」がかかる。

溢れ出す この気持ち 胸の奥 もう止まらない

ユニット曲からでも解釈と考察次第でいくらでもガチ恋エナジーを満たすことはできる。これはどのコンテンツにおいても言えることだ。
だがやはりラブライブは奥深い。そもそものラブソングの数が多く層が実に厚い。特に【Sweet Eyes】には虹ヶ咲ならではの設定を駆使した仕立て方に初めて聴いた際には頬を伝う涙を止めることは叶わなかった。
今回【ラブノベルス】と【小夜啼鳥恋詩】は久方ぶりに向き合ったわけだがやはり無印の曲はガチだと改めて感じた。恐らくしっかり聴いて発掘すればまだまだ血を沸かす曲は多くあるのではないかと思う。それを探すことも戦いだ。

私は無印以来に虹ヶ咲へ復帰したため、サンシャインとスーパースターを見ていない。そのためまずは曲を聴き魂を仕上げてからアニメに向かうのも良いかも知れない。
キャラ印象が朧なままでキャラソンを接種し本編を見ることでさらなる理解と解釈を得ることもできるであろう。いつだって可能性は無限なのだ。
特に最近視聴したサンシャインのMV【あこがれランララン】には圧倒的な衝撃を得た。まだまだ私は強くなれると確信した次第である。
しかと目を開けばこんな時代でもガチ恋エナジーは接種することができる。そんな喜びをただただ感じるばかりだ。

本当にこういった話をする度にただただ私は恋に捕まらまれまれまれまれていることを実感する。ああ、恋してる。その実感だけが肉体をラブライブへと駆り立てる。あんな恋がしたくて愛おしいとシリーズへ触れる度痛感する。
久しぶりにラブライブ熱が再燃したことだし今後もさらなる力と高みを接種していきたい。

この、籠のなかで。

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