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【もういちどルミナス】パスパレの到達点にしてスタートライン【バンスト2章感想】


【もういちどルミナス】それは宇宙の真理である。私はSwitch版のバンドリでストーリーを追っているパスパレのオタクだ。故にシーズン2より先の話は知らない。だがバンドストーリー2章までは辿り着いている。そしてこの感動を書き記さざるして生を全う出来ないわけである。私の中でバンドリシーズン1における全てのストーリーにおいてこの【もういちどルミナス】が最強である。そこにはパスパレの重要なイベントの全てが詰まっているからだ。
そしてなによりもパスパレには後述する【あゆみ続けた道、彩られる未来】がある。他のバンドと圧倒的に一線を画する絶対要素が【あゆみ続けた道、彩られる未来】なのだ。【もういちどルミナス】このストーリーは普通に読んでも当然楽しく素晴らしい。
だが真に楽しむためには2章へ至るまでに存在する4つのバンドストーリーに潜む伏線とキャラの掘り下げを知ることがなお良い。なのでまずはその4つの説明をした後、本題に入る。無論、1章も重要な話となるのでそちらの説明も適宜挟んでいく。
2章の後に訪れる麻弥の重要なイベント【ジブンアイディアル】はこの話の後にくるストーリーであり個人的に大好きなストーリーなのでまた別の記事で詳細を説明する。もしかもしかすると追記で書くやもしれないが。


2章までに存在する掘り下げのイベスト

【あゆみ続けた道、彩られる未来】

言わずとしれた最強の神イベント。2章へ至るまでで最も重要なイベントになる。
1章で「アイドルになる」という1つの夢を叶えた彩が「あゆみさんみたいなアイドルになる」という新たな夢を手にする話である。この明確にして絶対的な「夢」を手にすることが今後のイベント、そして2章においてとても重要である。
「アイドルになる」という漠然とした目標を達成したその先にあるどんなアイドルになるのか、という次の目標と大きな夢を得るということに繋がる。ここにしてもう、目標と夢はグラデーションで繋がっているという要素が示されている。それを真っ先に彩が実践しているのだ。だから2章においてみんなはその言葉にしっくりきた、無意識のうちに最も身近な存在でそれを達成した彩と一緒にいたのだから。
そのストーリーをやるために必要だから、彩とあゆみさんの話をパスパレのメンバーも知って聞く必要があったのだ。

メインは彩の掘り下げでありメンタル面へのバフであり、各々のメンバーの原点を追うという重要な話である。各メンバーごとの原点の話において特に千聖の原点がなにか、という話がひいては千聖のパスパレを経てどういう変化をしていくのかという伏線となる。ここを千聖の原点としよう、という提案が2章において千聖の本音と変化に繋がるということだ。
このストーリーで彩に付与される「絶対に諦めずめげない」という属性の強化は2章において大きな要素となる。1章の時点でどんな時だって前向きで夢を叶えるためには努力と根性という思想を持っていた。それがこのイベントで強化されるのだ。これが非常に重要な部分となる。2章において絶対に諦めず心折れない彩の姿に説得力を生んでいるのだ。
多くのストーリーにおいてそういったキャラの説得力としてはそういう人間だから、そこが長所だからという形の納得をさせられがちである。そこに対して彩に関してはあゆみさんとの約束がある、という絶対に心が折れないことに対する説得力と成っているのだ。それが2章における彩の圧倒的に強いメンタルの裏付けになり、そして一度心折れかけた際の立ち直りに必要な心の支えとなる。これは絶対に必要なストーリーである。

2章でイヴが彩を励ますために思い出させた「あゆみさんとの約束」

【あゆみ続けた道、彩られる未来】を有するパスパレだけに許される最強にして至高の説得シーン。やはりアイドル活動といえば"あこがれ"

あの場面で彩を立ち直らせるという点において絶対の説得力を出す言葉はこれ以外にないのだ。元々持っていた「アイドルになる」という夢だけでは足りないのだ。アイドルをやめるわけにはいかない理由としてあゆみさんとの約束がその説得力となる。
このストーリーでは今後の彩、ひいては2章におけるメンタル面での強化として圧倒的に影響を残している。2章以前での最重要課題イベントストーリーであり、シンプルに話が面白く熱い。憧れであり夢であったMarmaladeの解散を受け入れる、という話がパスパレの解散を受け入れられないという話へ繋がる。Marmalade、あゆみさんがなぜ解散を受け入れられたかということがまだパスパレとして進むことを諦められない彩との対比に繋がる。まだ道をあゆみ続けている途中の為、解散するわけにはいかないという必然性に繋がる。あゆみさんを超えるアイドルになるのが夢である為、これを成すまでやめるわけにはいかないという必然性に繋がる。

このイベントをパスパレにおける掘り下げとして1章直後に出してくるのはあまりにストーリーの構成が巧いと言わざるを得ない。2章においてもあゆみさんとの話は重要な要素として出るためそれをしっかりと万人が見て最強のイベントとなるストーリーに仕上げてきたのもまた流石と言わざる得ない。

また、ここでパスパレメンバーの原点がなにかという話題が上がる。それはすなわちなぜアイドルを初めて、どうしてアイドルを続けているかに繋がる。ここではっきりと千聖には他のメンバー、特に彩と違ってそれらがない。ということが明確になる。これが2章において大きな伏線となる。

あまりにも鮮やかにして美しい、王道の伏線回収。力の解放とはこのように分かりやすくかつ溜めがあるものこそが圧倒的な破壊力を生む。


パスパレはバンドリの他のバンドと違い唯一自分たちの意思で結成されたバンドではない。事務所により集められたメンバーが彩という存在を通じて寄せ集めのバンドからパスパレという1つのバンドに成る。というストーリーがメインである為、各メンバーのなぜ音楽をやっているかという原点には触れられない。そこへ触れるストーリーというのがこのイベントである。

それだけでなく日菜や麻弥といった明確な夢のない側のメンバーと彩とイヴという夢のあるメンバーとの対比に繋がり、これが伏線となる。

また、Switch版においては実装されていないがこのイベント楽曲である【はなまる◎アンダンテ】の歌詞がまた非常に後の展開も加味すると圧倒的に熱い。
サビの【大丈夫だよ背中は ぬくもりがわたしをぴったり守ってくれているから】この部分はボーカルとして一番前で歌う彩をみんなが後ろから支えているというパスパレの関係性を現している。
更に2番のサビである【ひとりじゃないとこんなに笑い声ちがうよ】という歌詞は後述するパスパレとしての特性や2章の展開においてかなり強めの付加要素となる。そもそもがパスパレメンバーは全員元々1人で活動していた、ということを加味するとこの歌詞の威力は言うまでもない。

"""""今は"""""


【つぼみ開くとき】

言わずとしれた神イベントである。千聖が本当の意味でパスパレのメンバーとなる話である。ここでは間接的に千聖に夢がないということに対する伏線がある。
それがどこかというと夢を追う姉を応援する妹の役に本気でなりきれない。どこか客観的に見て演技的に見えてしまうというシーンである。自分に夢のない、また夢をみることのできない千聖だから夢を追ってもらいたいと願う役に本気で入り込めない。これは伏線であり、2章を見てからここへくると胸にくるものがある。千聖の稽古を見学にみたみんなの中で、ただ一人彩だけが千聖の演技に違和感を覚える。これは千聖と真逆であり、いつか自分があゆみさんのような夢を与えるアイドルになろうと決意した彩だからこそ気付ける違和感である。千聖の演技が自然体なものでなく、ぎこちないものに見えるのは本気で役になりきれていないから。本気で夢を見て、与える側である彩はそこの本気じゃない部分が引っかかった。だからあの場面で違和感を感じたのだ。これらの伏線は2章のストーリー路線が最初から決まっており、それに沿ってこれらのイベントストーリーが作られているように感じられた。もちろん単体で素晴らしいイベントストーリーでもあり、これら単体の話が集まって1つのストーリーで真価を発揮する。この構図はパスパレの在り方そのものである。

このイベントにおいて素の自分を見せることで千聖の中でパスパレのみんなが仕事仲間から友人であり仲間に変わる。これが2章においては仕事としてでなく、パスパレの一員としての感情を優先させる展開への布石となる。
また、演出家の監督からすましているだけない本気の千聖が見てみたいという発言が出る。ここでさりげなくではあるが本気の千聖というものをこちら側へ意識させることで、2章における千聖の本気の叫びに対するカタルシスに繋がる。
素の自分を見せて自分にもできないことがある、ということを見せることが次のイベントである【What a Wonderful World!】に繋がる。どう繋がるのかというと、できないことがないように見せていた千聖と本当にやってできないことがない日菜との対比という形になる。それがひいては凡人と天才の差という話へ繋がっていく。

【What a Wonderful World!】


言わずとしれた神イベントである。1章からずっとブレずに天才というキャラであった日菜へのさらなる掘り下げである。このストーリーにおける掘り下げはかなり特殊である。
日菜も天才ではあるが一緒の時間を過ごすうちにだんだんとわかってきて自分達と同じなのだと思う、ような話ではない。その真逆である。日菜のことは誰も理解できないしされることのない孤高の天才であるという特異性の強化となる。これが非常に面白い。分からないから楽しい、分からないことが楽しいという要素は唯一無二でありやはり2章にて響いてくる要素となる。
他人のことは分からないし自分のことも他人から理解されない。理解されないという点においては他人もパスパレのメンバーも変わらない。だが、パスパレのメンバーは理解してくれようとする。それが嬉しいのだと、日菜はそう言う。これは2章における麻弥への説得にも繋がり、ひいてはそれのアンサーにとなるイベント【ジブンアイディアル】にも繋がる。これはそのまま日菜がパスパレのことが好きな理由へも繋がり、2章においてパスパレへの関心を失うきっかけにもなる。

このストーリーで重要な要素としては、パスパレのメンバーは日菜の中で他の人と違うということだ。
更にここで日菜の天才故の特異さがスポットされている。日菜は本物の天才であり奇特な人間である。それを存分にこのイベントで味わうこととなる。それが2章における日菜のパスパレ解散に対するリアクションに繋がる。彼女は普通の人間とは違うのだと。
パスパレが好きだから、面白いからパスパレにいる。だからパスパレがつまらなくなればパスパレにいる理由はない。誰よりもパスパレに興味を持って視点を向けているからこそ、2章におけるパスパレの変化に誰よりも機敏に察する。そして自分がパスパレの方を向いているからみんなの心がパスパレの方を向いていないことも察することができる。
分からないことこそが楽しい。だからみんながパスパレに向いていないということが分かる、という状況は楽しくない

みんながパスパレのことを諦めてることが分かっているから楽しくならない。そしてみんなが諦めているから解散しちゃってもいい、と言える。


この構図を理解する必要がある。彼女の行動原理と何が好きか・面白いと感じるかをこのストーリーで理解する。そうすることであのシーンで納得と恐怖を存分に味わうことができるのでイベントとしてこのストーリーは絶対に欠かせないものとなる。

【譲れない想い、燃えるブシドー】


言わずとしれた神イベントである。このイベントにおける布石となるのは2点。イヴのパスパレへの愛と、イヴにも彩と同様に確固とした夢があるということだ。
2章においてはパスパレメンバー間における夢の有無というのが大きな要素となる。憧れの存在と目指す先、それがあるかどうかということで分け目となる部分がある。
自分の信念を貫き仲間を大事にするという自らのブシドーを重んじる姿、そしてパスパレのことが大好きであるという思いが2章において重要になる。2章においてなぜイブがあそこまでパスパレのみんなで活動することに拘るのかということに対する裏付けになるからだ。また、イヴが重要な決定をする際にあくまでもパスパレみんなでの意見を大事にしているところもそういった部分の掘り下げにもなって面白い。
イヴに関しては日菜・麻弥・千聖と違い、彩と同じく自分の中で夢と憧れが確立されている為、そこに関して夢を見つけるという過程が存在しない。だからこそある意味でパスパレに対して唯一感情的に向き合える重要な人物である。
そしてこのブシドーという自分の中で絶対的な憧れがあるから、2章内において唯一折れかけた彩を立ち直らさせることが可能になるのだ。

また、上記のイベント楽曲、後にくる麻弥のイベントである【ジブンアイディアル】においても基本的に彩+メインのキャラのデュエット形式を取っている形が多い。【ゆら・ゆらRing-Dong-Dance】【Wonderland Girl】【ぎゅっDAYS♪】。それがこのイベントにおける曲【天下トーイツAtoZ ☆】はデュエットではなくみんなでまんべんなく歌っている。このイヴのイベントであえて全員で歌う曲をイベント楽曲にするこの理解度には頭が下がる。

【もういちどルミナス】という到達点でありスタートライン

上記の重要なイベントがあり、パスパレは2章という佳境を迎える。このストーリーは上記で散りばめられた伏線、展開を踏まえての話となっている。そしてその核となるのが一番最初に説明した【あゆみ続けた道、彩られる未来】となっている。このイベントに存在する要素は2章において重要な対比要素となっている。

夢を手にするというゴールにして新たなスタートライン

2章に存在する大きなテーマとしては「夢」と「自分たちの意思」である。
まず前述の通りパスパレは自分達の意思で集まって結成したバンドではない。事務所によって集められたバンドである。寄せ集めでバラバラだったメンバーから1つのバンドとなったのパスパレ1章である。
事務所によって結成されたパスパレが、2章においては事務所の意思で事実上の解散を迫られる。それが最後には全員の意思でパスパレを続けると宣言するまでに至る。
2章終盤における合同ライブにて、まだ活動休止が視野に入っている状態であるにも関わらずメンバー達がこれからもパスパレは続くからよろしくと宣言する。これは事務所によって道を決められ続けてきたパスパレが自分達の意思で道を決めるという自立の現れであり、これからもパスパレであり続けるという決意表明である。
このパスパレメンバーがみんなと一緒にアイドルを続けたいと思い、自分達で行動するまでに至るまでが描かれていることが2章の真髄である。そして、その背中を押すものが彼女たちの夢である。
パスパレ、特に彩とイヴには夢があり、他のメンバーには現状ではアイドルとしての夢がない。それに対して各々が自分の夢について考え、各々なりの結論をストーリー中で出す。
そして最後にパスパレとして1つの大きな夢を手にする。これが2章における最大の成功であり、到達点であり、ここがパスパレのスタート地点となる。

合同ライブにおいて、パスパレメンバーは納得のいく結果を得ることが出来ない。この彼女達にとっての失敗がパスパレとして1つの夢を手にすることに繋がる。ここにおいて素晴らしいものは、夢を叶えることが成功となるのではなく、夢を手にすることが成功となる。一見すると歪な構図である。だが、これにより初めてパスパレは集団として同じ方向を向けたということになる。これが大きいのだ。寄せ集めのメンバーが2章になって真の意味で全員同じ方向になれた。これがパスパレにとって一番の成功なのだ。事務所のスタッフから見ると成功と呼ぶに相応しい内容であったがそれで満足できない、それほどまでに高い理想であり夢をみんなで手にしたということがプレシャスなのだ。

ここから
"こう"なる。最強とは即ちこれのことを言う。

誰かがその夢を叶えるまでの話ではなく、みんなで1つの夢を手にするまでの話なのだ。これが一番大きな成功である。そこの認識を間違えるとこの話の着地点がわからなくなる。このパスパレとしての成功がなにか、得られたものの大きさが何かというところをしっかりと抑えておきたい。パスパレとしての本当のスタートラインがここになる。1章で結成させて立ったステージとはまた別のスタートラインになる。1章においては休止を経てパスパレとしての結成を迎えた。それが2章では解散の危機を乗り越えてみんなでもういちど辿り着いたスタートラインになる。だから、もういちどなのだ。もういちど輝く場所へ立つ。輝きを取り戻す。そういった意味で「もういちど」というタイトルの素晴らしさが際立つ。元々持っていた輝きを見失ってしまってからのもういちどでありバラバラになったパスパレがもういちど集まって見せる輝きである。この流れがあまりに素晴らしい。
全員の原点がなにか、なぜアイドルをやっているか。どうしてパスパレとして活動しているのか。その話が事前にあるから事務所の意思でなく、自分達の意思でもういちどパスパレとして活動していこうという流れが五臓六腑に染み渡るのだ。アイドルとして、パスパレがなくなってしまうかもしれない。だからもういちどパスパレの5人でアイドルをやりたいという想いがある。1章のラストでパスパレはグループとしての始まりを成す。それが2章においてはもういちど新たなスタートをきるところで終わる。このタイトル回収の芸術点の高さには流石に言及せざるを得ない力がある。


パスパレに残った彩とイヴの必然性

2章中盤において5人でいると狭かった練習場で2人きりになってしまう。そこであの彩が弱気になってしまう。それを立ち直らせるのがイヴであり、あゆみさんとの約束である。
ここでイヴがいることには必然性がある。それは前述した憧れと夢があるか否か、である。あの時点だと日菜・麻弥・千聖に夢はない、厳密に言うのであればそれを持っているがそうであると認識していない。
この場面において夢のない人間の説得は力を持たない。あゆみさんとの約束があるからアイドルを諦めてはならないと言えるのは彩と同じように夢を持ってそれに向けて努力を続けてきたイヴだけなのだ。
ここで【譲れない想い、燃えるブシドー】でのストーリーが活きてくるのだ。イヴがどれだけ確固たる夢を持ってそれに向けて努力をしているかを見せることが重要となるのだ。それだけでなく、イヴがいかにパスパレのことが好きであるかということがあのシーンでのカタルシスへ繋がる。更に元々1人で仕事をしていたイヴが1人は寂しいからやはりパスパレに解散してほしくないとの言葉に重みが出るのだ。
夢の話とパスパレへの想い、その両方を兼ね備えているイヴがいるからあの狭い練習場での話ができるのだ。ここが非常に大きなポイントである。
1章において彩は多くの出来事に対して1人で乗り越えざるを得ない状況が多かった。そこでそんな彼女の直向きな姿に惹かれることが肝となる。それが2章において彼女は1人ではない。励まし合える仲間がいるのだ。
1人じゃないとこんなに笑い声違うね】ここにきて【はなまる◎アンダンテ】の歌詞が活きてくる。これがまた染みるのだ。

「あなたが夢を見て、私が道筋を作る」という究極の一撃

上記のセリフは2章において最も力のある言葉であると思わないか。私はそう思う。
なぜならばこれは千聖の変化、ひいてはパスパレという集団の行く先としてあまりにも1つの区切りとして究極が過ぎるからだ。
1章において彩と千聖、ひいては彩とパスパレとの関係は違うものであった。夢を叶える為には努力と根性、あなたはそれでいいのかもしれない、そんな彩でいろ。千聖はこういうスタンスであった。更にパスパレメンバーとしてもそんな彩がいるから、彼女が魅力的だからパスパレとしてやっていってもいいかも。という流れであった。
それがどうだ、これなのだ。2章においても彩のスタンスは変わらない。夢を叶えるために必要なものは努力と根性。そこはブレない。だが周りは変わっていた。特に千聖の変化が顕著であろう。夢を追うことにまっすぐで賢明な彩と自分を比べて夢も見れないつまらない人間であると卑下する。
彩は千聖と違い自分の中にずっと追っている夢があり、それに向かい続けるだけの心の支えとなる約束がある。

「あなたが夢を見て、私が道筋を作る・・・そんな風に、パスパレを前に進めていくのもいいかもしれない」
この言葉はパスパレ全員での夢を手にするというゴールがあるからこそ深みが沸くのだ。彩の夢がみんなの夢に、そしてパスパレの夢になる。それを示唆する言葉である。2章としてのゴールはここで確定的なものとなる。
目標と夢はグラデーションで繋がっている」この言葉の意味はここで現れる。今までアイドルとして明確に夢を持っていたのはパスパレで彩だけだった。だが、みんなが無意識のうちに仕事として持っていたアイドルとしての目標はあった。それは千聖にも。そんなアイドルとしての目標が夢へと昇華された瞬間である。
持っている夢のために生きてきた彩と夢を見るという生き方を選んでこれなかった千聖、2人の道が真に交わったのがこの瞬間だ。同じ場所でアイドルをする、という今までの関係性が同じ場所で同じ目標を持つアイドルという関係に変化したのだ。そのことが分かるのがこの言葉なのだ。
夢を叶えるためには努力、あなたはそれでいい。そう言っていた女があなたが夢を見て、私がその道筋を立てるというまでになったのだ。この変化においてはやはり前述してきたイベント群における積み重ねがあるからこその力を発揮している。
パスパレのことを自分のキャリアの一貫としか見ていなかったし自分の原点がなにかすらわからなかった千聖の変化がよく分かる。それは前述したイベントにおいて上記の要素が伏線として機能しているからこその火力が出るのだ。この2章以前までの豊富なイベント群による掘り下げと伏線から繰り出される破壊力がパスパレの大きな魅力の1つだ。
本当の意味で彩と千聖が手を取り合うことになるこの部分は、彩に対して「夢を与えるアイドル」になった、という形で歩んできた軌跡と成長を感じさせる。この宇宙全ての根幹には「あゆみ続けた道、彩られる未来」があるのだ。

パスパレは光

【もういちどルミナス】この圧倒的な力の奔流は流石に凄まじかった。考えれば考えるほどなにかまだ語っていない部分があるのではないかと思える。真に震えるべきはこれで終わりではないということだ。実装はされているとの3章【TITLE IDOL】では一体何が起こってしまうのか。そしてそれに至るまでにどんなイベントストーリーがあるのか。武者震いは尽きない。
【ゆめゆめグラデーション】【POWER OF LOVE】【Winking☆Cheer】辺りは歌詞を見ているだけで過呼吸になるほどのものがあるのでここらに関連するストーリーがあるのかというところも気になってならない。そしてなにより【TITLE IDOL】はもう歌詞の時点であまりにも強さのなんたるかを体現しすぎているし全面に押し出されている【あゆみ続けた道、彩られる未来】の圧が凄まじすぎて聴けば泣くので最近はまともに聴けていない。あまりにも楽しみが過ぎる。早くSwitch版に追加がきてほしいと願うばかりである。

パスパレの話が先へ進めば進むほどこの【もういちどルミナス】のスタートラインがじわじわと効いてくる。そしてなによりも最初期に【あゆみ続けた道、彩られる未来】というイベントがある、というアドバンテージが効いて後の全てに重厚さを出してくる。今後更に強いイベントが出れば出るほどこれらのイベントの強さが更に際立つのだ。このアド取り構図が完成しているのが圧倒的にパスパレの強いところだ。
【もういちどルミナス】本当にこのストーリーは素晴らしい。読めば読むほど過去のイベントとの繋がりが見え、キャラに深みが生まれる。
これからどんなストーリーが待っているのか私には何も分からない。だが分からないからこそ楽しい。分からないことというのは楽しいのだ。だからこそ、分からない先のことへ想いを馳せるこの時間もまたかけがえなく楽しい時間となるるるるんのだ。

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