美白に対する人種差別論争について

先日Yahoo!ニュースで、米国のJohnson & Johnsonが、美白製品に対して「白い肌を推奨している」という批判が殺到した背景から、一部の美白製品をアジア全体、中東の一部の国々での販売中止を発表したというニュースが上がった。

このニュースに対して、多くの人々が怒りの声をあげている。

例えば、このニュースのコメント欄では、

(https://news.yahoo.co.jp/profile/comments/15926135387362.eec0.14393)

といった声や、

といった、「美白は差別ではない」という声がたくさんがあった。

実際に私もインスタのストーリーでも言っていたが、「美白になりたい=白人になりたい」というわけではないし、「美白製品が白人主義を促している」という批判している人々こそが差別をしているのではないかと思う。

最近の出来事によって、人種差別に対して過敏になっていたり、過激になっていたりして、何でもかんでも人種差別に物事を繋げてすぎではないのか。

美白になりたい人、日焼けた小麦肌になりたい人、なりたい美は人それぞれで、それを目指していけばいいと思う。

しかしながら、これは日本ならではの考え方であって、
他の国々では、歴史的・社会的背景などを考慮すると
J&Jの決断や「美白製品は人種差別だ」と批判する人々の考えは
ある意味間違ってはいないのかもしれない。


Skin Bleaching(肌漂白)について


アジア(特にフィリピンやインド)、アフリカ、アメリカ、カナダ、ヨーロッパの国々などではSkin Bleaching(皮膚漂白)またはSkin Lighteningが問題になっている。

注)ここではアジア、アフリカ、ヨーロッパと大きく取り上げているが、中には日本のように Skin Bleachingが問題になっていない国々もあることも忘れずに!

Skin Bleachingとは化学物質を含むクリームなどを肌に塗ることで肌のメラニン色素を薄くすることだそうだ。

アメリカでは、黒人のセレブリティーでSkin Bleachingを行っている方々もいる。

ニキ・ミナージュ

リアナ

ビヨンセ

Kojic Acid Soap. "Skin Bleaching Celebrities: The 5 Most Extreme Cases." Accessed June 20, 2020. https://www.buykojicacidsoap.com/skin-bleaching-celebrities/.

などが例にあげられる。海外の有名人に疎い私でも知っている方々がSkin Bleachingを行っていることに驚きである。写真を見比べると、明らかに肌の色が明るくなっていることがわかる。

Skin Bleaching製品の中には水銀などの有害な化学物質を含むものがあり、国によっては違法となる水銀の量を含んだものが売られている。

ここで多分「なぜ危険を犯してまでSkin Bleachingをするのだろうか」と疑問に思うだろう。

最大の理由は、「肌の色が白い方が美しい」という社会の美の基準や肌が白いことによって社会的利点を得られるからではないだろうか。

Refinery29の短編ドキュメンタリーでは、フィリピンのSkin Bleachingの問題について取り上げている。フィリピンは昔から肌が明るい女性は美しいとされていた。しかし、スペインやアメリカなどの植民地になったことによって白い肌が美しいという考えがさらに強くなった。動画内のインタビューに答える女性たちは、肌の色が白い方が、異性にモテたり、職に就きやすくなったりするなど、様々なアドバンテージを得られると言っていた。さらに、中には肌が白い方が社会的に有利だと母親や祖母が子供にライトニングクリームなどを勧められた女性もいた。

イギリスのBBC NewsやカナダのCBC Newsの動画では、多くの黒人やアジア人が周りの人からの「あなたは綺麗だけど、もし肌が明るければもっと美しいと思う」などの肌に対するネガティブな評価によってSkin Lighteningをするようになったと語っている。さらに、家族や親戚、友達がSkin Lighteningをしていることによって自分もはじめるケースも多い。

BBC News

CBC News

このように社会の美の基準によって、多くの人々が自分の肌を傷つけてまで、肌を明るくしている。

それでは、その美の基準はどこから来ているのか。

私が思うには、企業の広告やテレビにに出てくる俳優など
メディアによる影響だろう。

2017年のグローバル・インダストリー・アナリスト社の調査によれば、美白用製品の市場は、2024年までに310億ドル(約3兆3480億円)を超えると見られ、アジア太平洋地域の成長が著しいとされている。
https://newsphere.jp/national/20190201-4/2/

美白製品は企業にとっては大きなマーケットであり、肌の色が暗い人が多い国で、日常に溶け込む雑誌やテレビ、ネットの広告を大量に使って、「肌の色が白い人は美しい」という社会の美の基準を作りあげることによって企業は莫大なお金を得ているのだ。

面白いことに海外と日本の美白についての広告と比べてみると、美白の定義が違うことに気づいた。

日本の広告は「美白は透明感やくすみのない肌」と主張しているものが多いが、フィリピンやインドなどの広告は肌の色自体を明るくする商品を売り出している。

例えば、CBC Newsの動画のこのシーンがわかりやすい。

CBC Newsの動画内の序盤に流れるCM集を見ると面白いぐらいに ”white skin”を強調していることもわかる。

このように国によっては企業による広告が、自分の生まれてきた肌の色を
変えてまで得る肌の白さを強調することによって、「肌が白いことは美しい」という社会の美の基準になるだろう。

自分の生まれてきた肌の色、自身の人種を象徴する肌の色を変えることはある意味人種差別なのかもしれない。

思いのまま勢いで書いたので内容がまとまっていない部分が多いが、日本では米国企業のJ&Jに殺到した批判はとても偏っているようにに見えるが、他の国々の事情を知ると案外納得できる部分もあるのでは。

締め切り間近の課題をたくさん抱えながらも、このネタを書きたい一心で約2500字の文章を夜中の2時に書き上げたmiharuでした。


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