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赤ちゃんに安全な寝室のすゝめ

こんにちは、助産師Suiです。
今回は赤ちゃんの安全な寝室環境についてお話します。

どんなベッドが良い?


世の中には色んなベッドがあってパパやママも「どれを購入すればよいか…」と悩まれるテーマですよね。

サイズも使用年齢もベッドにより異なりますので、最終的には家の間取りと相談して決められると良いと思います。

しかしベビーベッドに関する事故は毎年多数あり、転落や窒息のリスクがあります。ただこれらのリスクは、ベッド環境を整えることで最小限にすることができます。

消費者庁によると、2019年6月および9月にベビーベッドに挟まれて、生後8か月の乳児が窒息死する事故2件も起きました。

6歳以下の子どもが主に就寝時などに大人用ベッドやベビーベッドから転落することにより、負傷又は窒息する事故報告が、医療機関から消費者庁へ寄せられており、平成 27 年1月から令和2年9月末までに、計 912 件の報告がありました。

中でも0歳児534 件1歳児160 件と多くを占めていました。

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_041/assets/consumer_safety_cms204_20201113_01.pdf

このような悲しい出来事を減らすためにもベビーベッドは国が定めた安全基準に適合していることを示す「PSCマーク」が付いているものを購入すると良いでしょう。

購入する際は「PSCマーク」がついていること、製造年月日の確認新基準に基づいて製造されているかどうかの確認をしてみましょう。
製造年数が古いもの、アンティークベッドのような古い寝具を使う場合は安全性を確認する必要があります。

安全なベッドの条件 1)

  1. ベッドの柵の間隔が6センチ以下(これ以上の間隔では新生児の頭部が挟まる可能性がある)

  2. ベッドマットは固くベッドの間に隙間がない

  3. ベッドマットから測定して高さが66センチ以上さらに柵が壊れていないか木製の場合は棘等ないか

ベッドにつけるベッドバンパー(ベッドーガード)は買ったほうがいい?


ベッドバンパー(ベッドガード)はベッドの内側の柵に結びつけて取り付ける赤ちゃんを守る緩衝材としての装飾品です。

かわいいデザインのものも多く、親心としては「けがしないように」という心配も働いてつい購入してしまいがちな商品です(実際に私もなんとなく買ってしまったことがあります)

実際、寝返りなどで柵にぶつかったとしてもたんこぶができることもほぼないでしょうし、窒息のリスクに比べれば‥という印象です。

特にしめ縄のような大きい感じのベッドバンパーはベッド内のスペースを狭くし、且つ弾力もあり大きいため窒息のリスクが高そうな印象です・・・。
また、この商品は実際に赤ちゃんを衝撃から守ると言うエビデンスはありません。

【ベッドバンパーを使うことのリスク】

  1. バンパーやガードのパッドは柔らかいため赤ちゃんが窒息する。

  2. マットレスとバンパー(ガード)の隙間に赤ちゃんがはまって動けなくなり窒息する。

  3. ベッドバンパーについているパッド紐が、赤ちゃんに絡まることで窒息する。

また赤ちゃんの月齢が進むとバンパーを足がかりにしてベッド柵をよじ登るようになるので安全ではありません。

またベッドガードを使用し窒息したケースの事例がこちらです
https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/injuryalert/0070.pdf

結論としてベッドバンパーの購入はおすすめいたしません。

赤ちゃんに枕は必要?

よく赤ちゃん用の枕の広告に「絶壁頭を予防」と謳っているのを見かけます。

私たち大人も枕を使っているので、つい無意識に赤ちゃんにも枕は必要かな~。絶壁頭になってほしくないし‥と購入しちゃいますよね。
しかし、医学的にドーナツ枕・円座枕で予防できたというデータもありません

またアメリカ小児科学会のSIDS(乳幼児突然死症候群)のガイドラインでも4カ月未満の乳児だけでなく4カ月以上の乳児でもベッドに毛布や枕などの柔らかい物があるとSIDS(乳幼児突然死症候群)リスクが高まると述べています。

向き癖や頭の形が気になる場合は安全な状況で見守りができる中での「うつぶせの時間=tummy timeをとる」ことも良いといわれています。

1日あたり3~30分前後を目安に行ってみましょう。2)

完全ミルクの場合は、非利き手で抱っこしがちなので向き癖がつきやすいと言われています。

そのため、交互に抱いてみるなどすると良いでしょう。

ベッド環境をさらに安全にするためには?


ベッド内には赤ちゃん用の敷き布団赤ちゃん用の軽い掛け布団のみにしましょう。軽い掛布団の代用にスリーパーも良いと思います。

アメリカ小児科学会もスリーパーの使用を推奨しています。
実際に赤ちゃんはよく布団を蹴って布団が足先にまで追いやられるケースもあります。

スリーパーの方がそういったことを防げますので個人的にもオススメです。
また、ベッド内に大きなおもちゃぬいぐるみ分厚い毛布柔らかい枕クッションは窒息の原因になるためベッドの中には入れないようにしましょう。

ベビーベッドに赤ちゃんがいるときは必ず柵を上まで上げましょう

予想にしないことが起きるのが子どもとの生活です。
「まさか〇〇なことは起きないだろう」と思っていた矢先にその想像していたことが実際に起きることがあります‥。

子どもとの生活は想像の斜め上の出来事の連続です。

だからこそ、防げる事象は親の見守りや環境を整えることで、ある程度リスクを最小限に減らしていきましょう。

なにか起こってしまった時、私たち親はひどく自責の念後悔に囚われます。

そんな思いは最小限にしていきましょう。

それでは、今回は以上となります。
また次の記事をご覧いただけたら嬉しいです!!
それでは、助産師Suiでした!

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引用文献
1)正常です で終わらせない!子どものヘルス・スーパービジョン 阪下和美 東京医学社 第1版第1刷
2)須賀健一,向き癖、くぼみ,with NEO 2019,6 VOL32 NO6 22-26
参考文献
・乳幼児突然死症候群(SIDS)診断ガイドライン
・厚生労働省 SIDSについて ⇒ https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/sids.html


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