43才から始める身体づくり~世界に方眼紙ができた
話は前の回に戻る。
あの時から頭の中がごちゃごちゃかつ空っぽであった。
年末に向けて掃除はしなきゃいけない、臨時の用事は入る、作業所と療育を1週間達成するだけの心身の体力はない…まあまあ、口癖の
「しんどい」
を家の中ですら3歩ごとに言い、外にに出れば1歩ごと、もう面倒で布団から出ずに過ごす日々である。
1週間で3kg太る始末だ。
人間としてまずい。
そこで、療育の先生が講師をしている
「方眼ノートの使い方講座」
に参加してみた。
さ参加料金が私の金銭感覚からすればべらぼうに高いが、何しろ講座のウリが
「人生が変わる」
である。
人生が変わるなら、まあ、その月の家族の食費の半分弱ならば、安いものだろう。
で、そんな重い頭と身体を引きずって講義を受けた。
講師が療育の先生なのでスッと入れたのもあるが、6時間の講習で教え込まれたものは。
A4の方眼ノートに枠や見出しを作って、課題や企画の要素を極力シンプルかつ効率的な要素の構成にする、というものだった。
物事を肉付けするより削ぎ落として考えるタイプの自分にとっては、ずいぶんと思考がブラッシュアップされる1日だった。
それから今で3日目なのだが、2日目の夕方まで、身体の内側から外側まで硬くなり、動かなくてもミシミシときしむような感じに陥った。
どれくらいかといえば、受講した次の日にはラジオ体操第一第二を2セットして、さらに風呂に3回入ったくらいである。
痛いんだもの。
それでもポジティブな要素はあって、目が光を和らげる機能がずいぶんと成長したようで、散歩をしながら
「曇り空というのも案外やわらかい色をしているのだなあ」
くらいは感じていた。
2日目には人生最大のダルさと甘いものへの欲求で困った。
寝ながらバナナとチョコレートを食べて過ごす、熱をだした保育園児状態である。
そして夜半である。
後れ馳せながら
「こ、これにはストレッチが必要なのでは…?」
と、いきなりバランスボールに乗ったり座ったり、蹴り飛ばしたり、持ちながらスクワットなど、オレンジ色のバランスボールとの蜜月を過ごすこと1時間半だろうか。
右手の中指に、フッ、と、緑の蛍光の線が見えた気がした。
すると、身体に次々とその線が入っていき、最後には
「なんかわからんが、良く身体の構造のCGに使われてる緑の線の人体(下の図を参照)」
が組み込まれたのである。
よくよく考えると
「方眼ノートの考え方がからだそのものにも伝搬して、脳があたまに枠を作ってくれたんか?
余分な部分と上手く神経が通ってない部分にも線や枠が入って、動きや身体のある場所がわかるようになってるのかな…」
とは推察ができる。
読者のかたが置いてきぼりでも、わからんでもしょうがないです。
実際に書きながら自分が
「私が言葉を選べないのに、他人に自分のからだの中に緑の線ができた感覚を伝えることはできんよ…」
と思ってますから!
人に向けて語るならば。
格闘ゲームでポリゴン処理して、点の集まりだったキャラの身体を面の処理をしたら、俄然動きかたが良くなったのは皆様知ってますよね?
あのポリゴン処理のことを
「フレームワーク」
と呼ぶんですけど、方眼ノートは
「頭のフレームワーク」
だったのかな、だから、処理が軽くなるんだな、と思います。
それでは皆様、さよならッ、さよならッ、さよならッ
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