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中年女性、感覚統合療法で身体をつくる~こだわりと感覚過敏

よく
「発達の人はこだわりが多い」
と言われる。
自覚はあるような、ないようなで、むしろ
「感覚が許容できる範囲がえらく狭い」
というのがしっくりくる。
許容範囲外のものに遭遇するとその場で固まったりプルプルしだす人もいる。
それくらい嫌だったり、許容できるものは
「ライナスの毛布」
の如く、いつも手放さずにいたり、いつも同じものを使って安心感を得る。

……発達障害って臆病じゃね?と思った人もいるかもしれない。
いや、そーではない。
自分の一線がものすごく太い頑固者になる時だってある。
これだって、本人としては変えたい、変えたくないの繰り返しで納得できたり、どうしても無理なものがある。
ごめんね、書いててややこしいと思う。

で、である。
何でこだわるかといえば、感覚に由来するものが多い、と思う。
布の感触が綿100%でないとかゆくてしかたないとか、ある特定の色にたいして、異様な忌避感を持つとか。

私で例えようか。
私は触覚過敏が強くて、ものの触り心地はもちろん、温度まで気にしてしまう。
たとえば食事などは、食べて一番美味しい温度があって、自分が手をつけなかったら自分のせいだけど、一口すすった時からぬるいと、もう、その日一日を絶望的な気分で過ごす。

で、グラタンやドリアは大抵チーズが皿の真ん中までグツグツいうまで火を通してあるため、私にとって安全牌だ。
普通に、好きな食べ物としてあげるくらい好きでもあるが、まあこの安心感によるところは多い。

発達障害やその傾向についてメディアが取り沙汰す前後。
8年結婚生活をしていて、かつ、DVやモラハラを受けていた元夫から、ある日

「何でお前は外食でどこ行っても、グラタンやドリアしか食べないんだ!」

と怒鳴られたが、

「が…外食したのに、特にステーキとか、ぬるい焼き加減だと、すっごく損した気分になるのが嫌だ」

という気持ちは、叱られる内容からして理不尽だわ、回答は理解し得ないものだろうから、黙っていた。
そもそも外食で頼むメニューに文句言われる筋合いは、いくら配偶者とてないのではなかろたうか…と、当時を振り返って思う。

自分にとっては単純明快な理由ではある。

これは服装も同じで、着心地のよかったものの色違いとジーンズを着回して生活していたら、今度は友人から

「顔やスタイルは悪くないんだから、もう少し服装のパターンを変えなさい」
「メイクしたら?」

と言われたが、自分が納得いく感触の衣類でないと、不快で叫びたくなるし、不器用者が震える手でやるメイクは、皆は喜ぶのだが、私自身は顔に何かが塗りたくられてる感触がとても気持ち悪くて、結局
「なにもしないをする」
になってしまった。

でもさほど後悔はしていない。
後悔するより前に、自分の美しさを外見だけで炸裂させる時期が過ぎてしまったから。

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