23:ファンタジー知識に差のある読者向けカスタマイズ
<前の記事→22:おまけコンテンツをデジタル資料庫に>
「言ノ葉ノ森」のサイト内小説に仕込んだ「カスタマイズ機能」については、以前の記事で説明した通りですが……
<参考記事→12:小説の文章をカスタマイズしてもらいたい>
カスタマイズのパターンをそれほど多くは作れない以上、どの小説にどんなカスタマイズを仕込むのかについては熟考しました。
(……というか、そもそもカスタマイズありきで小説の内容を決めていった部分もあります。)
児童文学風ファンタジー小説「夢の降る島」に仕込んだカスタマイズは、ルビのON/OFFと、ファンタジーレベルの強弱です。
ルビのON/OFFは文字通り、フリガナを付けたり外したりする機能です。
このルビのON/OFFについては、他の小説にも付いている機能だったりするのですが、ファンタジーレベルの強弱変更は「夢の降る島」独自のカスタマイズ機能です。
このファンタジーレベルの強弱で何が変わるのかと言うと……ズバリ、マニアック度が変わります。
「ファンタジーが好き!」という人間にも、様々な「層」があるということを、皆さま考えたことがありますか?
普段からがっつりファンタジー作品に親しみ、エルフだとかドワーフだとか錬金術だとかギリシャ神話だとか、そういう知識に精通している方々もいれば、ファンタジー知識の上限がディズニープリンセスやジブリ……ギリギリのところでハリー・ポッターやロード・オブ・ザ・リングという方々も存在します。
普段からマニアックな知識が大好きな人間は、自分がマニアックであることに気づかず、そのディープな知識をさらっと他の人に話して「何を言っているのか分からない」という顔をされたりするものです。
ですが、広いネットの海でたまたま自分のサイトを訪れてくれた読者様が、どんな「層」の人間かは分かりません。
あまりにディープな知識を書いていけばドン引きされるかも知れませんし、逆にあまりにライトな知識だけで書けばガッカリされるかも知れません。
だったら、そんなファンタジー知識のマニアック度も、読者自身に選んでもらえば良いのではないか……そんなことから思いついたのが、ファンタジーレベルの強弱機能です。
……とは言え厄介なのが「カスタマイズによって小説の内容自体を変えてしまってはいけない」ということです。
ストーリー自体に影響を与えない程度に、雰囲気を変化させる……これがなかなか難しく、結局カスタマイズと言ってもそれほど中身が変えられていない気がします。
ただ、用語解説の中身については、ファンタジーレベルの強弱によりだいぶ内容が違っていたりします。
「ウンディーネ」や「ユニコーン」の解説など、レベル弱だとわりと一般的な説明なのですが、レベル強だと語源やユニコーンの使われている紋章のことなど、プラスアルファの知識が入って来ます。
オリジナル用語についての解説もレベルの強弱で内容が変わってきたりします。
(「空織のドレス」についての解説など、レベルの強弱どころか、+ルビのON/OFFで計4パターンの解説(+後の章で1パターン追加して合計5パターン)があったりします……。)
(↑これは5パターンあるうちの1つの画像。)
<次の記事→24:専門用語や時代がかった文章が苦手な読者向けカスタマイズ>
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