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RPG感を大切に、国ごとに「特徴」を作る(そして、ちゃんと冒険する)

個人的に、RPGをやっていて一番楽しかったのが、初めての町や城に入る時でした。

町や城ごとに、それぞれ違った「特徴」があり、「次はどんな町なんだろう?」「どんな構造の城なんだろう?」とワクワクしたのです。

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そんなワクワク感を、自分の小説でも再現したいと思っていました。

なので『囚われの姫は嫌なので、ちょっと暴走させてもらいます!~自作RPG転生~』では、国ごとに特徴があります。

「部」も国ごとに分けていて、第1部が地元&これから始まる冒険の簡単な案内パート、第2部が大帝国(古代遺跡の上に建つ迷宮都市)、第3部が機械王国(天空高くそびえる塔)、第4部がエルフの郷&鬼族の郷となっています(第5部は魔界、最終部は聖王国の予定)。

物語というものは、長くなればなるほどワンパターン化し、マンネリに陥りやすいものです。

しかし、舞台が変わり、新しい設定や新しいキャラクターが登場すれば、自然と物語がリフレッシュします。

それに、国から国へと移動することで「冒険している感じ」も出せます。

問題は、舞台が変わるたびに「新しい国の設定」を考えなければいけないということなのですが…

自分の場合、「どんな国だったら楽しいか」「どんな国に行ってみたいか」で、設定を決めています。

『囚われの姫…』は、「男子高校生と女子中学生が作った自作RPGの世界が舞台」という設定のハチャメチャコメディなので、どんな国や展開も「アリ」なのです。

「こんな国があるわけない」といったリアリティーは、まるっと無視しています。

住民も迷うような迷宮都市が、途中からそのままダンジョン化するのもアリですし…

機械王国の王城が「天空へと伸びる塔(建設中)」で、その上層階に機械系モンスターが出没するのもアリです。

鬼族が突然「花嫁争奪バトルロイヤル」を始めて、主人公一行が巻き込まれるのもアリなのです。

むしろ既存の物語の「テンプレ」に無いような、意外性のある国や展開を目指しています。

それと、全体のバランスを見て、国同士の特徴がカブらないように、なるべくバラエティーに富んだ設定作りを心がけます。

何より大切なのは、作者本人が興味を持てる(おもしろく書ける)要素を詰め込むことです。

最初はとにかく燃える(萌える)イメージを書き出して、それを何とか1つの舞台にまとめられないか試行錯誤します。

たとえば第2部の創作イメージは「大帝国!」「ヤンデレ皇子!」「迷宮都市!」でした。

第3部は「スチームパンクSF!」「天空目指して建設を続ける塔!」「マイスターヤンキー王子!」で、第4部は「エルフ!」「水着回!」「鬼姫!」「国語のテストの役に立つ伏線回収!」です。

(よくこれで1つにまとめられたものだと、我ながら思います…。)

作者本人が「こんな舞台だったら楽しい!」と夢中になれれば、自然と設定作りもはかどります。

中には、詳細に作り込んだ関わらず、物語にはちょこっとしか出せない設定も出来てしまったりするのですが…。

たとえば第3部では、国に7人しかいないS級マイスターを「七星匠」と呼んでいて、それぞれが「塔」を工房にしているのですが…

それぞれの塔の名を、北斗七星の星の名に設定したものの、出て来る七星匠の数が少な過ぎて、全部の塔名は出せませんでした…。

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中には、出せなかった設定がもったいなくて、スピンオフにしてしまったものもあります。

『囚われの姫…』と同じくアルファポリスさんに載せている『囚われの皇妃の回想』がそれなのですが…

囚われの身でありながら女帝気質な皇妃の設定が気に入り過ぎて、その過去話を短編で書いてしまいました…。

楽しいと、ついつい余計な設定がふくらみがちなものですが…

設定は「アレもコレも」と欲張って詰め込み過ぎると、話が脱線してしまったり、主軸がブレてしまったりして危険です。

なので、自分の場合は「今回出せなかったら、スピンオフで出せばいいや」という気持ちで、スッパリ切り捨てています。


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