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感想 いまさら翼といわれても 「古典部」シリーズ  米澤 穂信  やらなければならないことは、なるべく手短にやる。

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シリーズ六作目は短編集でした。
古典部をめぐる学園ミステリーという色合いが強いシリーズでしたが
本作は、部員の内面まで描く
どちらかというとミステリーよりも人の物語という側面が強く
だから、面白いのですが、人によってはミステリー要素が弱くて不満足に思えるかもしれません。


表題作「いきさら翼と言われても」
エルが会場に遅れています。
さて、彼女はどこに、どうして遅れているのかという謎解きですが・・・

それはたいした意味はなくて
彼女に何があったのかが大切になります。

約束は絶対に守る彼女が動揺するようなことがあったのです。

「鏡には映らない」という作品は、折木奉太郎の過去が描かれている。
クラス全員に嫌われていた過去の奉太郎。
しかし、その真実は切なくて
誰かにとってはヒーローだった。
構成も謎もなかなかに面白い。
完成度の高いミステリー作品でした。

「わたしたちの伝説の一冊」
この作品が一番好きです。
これは漫画研究会の内紛を描いた話し
マヤカが巻き込まれます。

マヤカは、友達に同人誌を作ろうと言われる
それに反対する勢力がいる。

そんな中、彼女のノートがなくなる・・・

それを盗んだ人間の背後にいる人の真意
これはびっくりだったし

この主張は説得力があり面白かった。
そして、マヤカがこれに賛同するあたりがいい
マヤカの成長がきちんと描かれている。


2022 8 11
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