感想 ジャクソンひとり 安堂 ホセ ブラックスミックスのゲイに対する差別意識がモチーフ。しかし、作品としては未熟。
2022年度文藝新人賞受賞作品の一つです。
この賞は、レベルが高いことで有名ですが、ここ数年はダメですね
この作品はモチーフはいいが、まとまりがなく読みにくい。
完成度は低いと感じた。こんなんで受賞なのかと思ってしまいました。
最近の文藝賞は若い女性とかを実力関係なくプッシュしている印象です。
本書の作者の安堂 ホセさんは黒人さんです。
目を引きますが、いかにも最近の文藝賞という印象。
まず、作品にまとまりがない。
とくに後半、展開が雑というのか急
ちゃんと書き込まれてない。
キャラに感情移入しずらい。
たぶん、作品のメッセージがほとんどの人に伝わらなかったと思います。
ですが、モチーフと話しの斬新さやアイデアは楽しかった。
一応はギリ合格点です。
あらすじを説明すると・・・
変態動画を流布されたブラックミックスのゲイの男。しかし、俺じゃない。四人の被害者候補が集結。入れ替わり作戦にて復讐するという話し。
四人の黒人たちが、アニメ嫌いなのに、新海誠の 君の名は の入れ替わりをヒントに
自分たちの中で入れ替わりし復讐しようぜという
あそこは好きだった。
この四人はブラックミックス
黒人と日本人のハーフ
それでいてゲイ
つまり、日本では差別の対象
だから、変態動画を拡散されてイジメられたのですが・・・
その動画の主というか、誰のことなのかわかんないのです。
ドラッグに酒、セックスにみだらな生活
記憶なんかない
知らない間にそういうことされていてもありなのです。
日本人から見たら、見た目が同じで四人をほぼ区別できない
という比喩ですね
ブラックミックスでゲイ
それは差別対象なわけでして
みんな一緒に認識されてしまう
いっしょくたにされてしまう
そういう奴らという具合に
「個人」として認めてもらえないということです。
当然、誰の動画かわかんないとかあるわけないし
ブラックミックスでゲイだからと言って、体形も違えば、顔も違う
犬で同じ種類だって、違いがわかるのですから
ましてや人、入れ替わりとか普通は無理だと思う
もし、作者が黒人の人でなきゃ
レイシストの作品だーーーと騒がれていたと思う。
例えば、タクシーでの悪戯
ある場所まで乗り、そこで別の人に代わり、次の場所で、また、別の人が乗り込むが運転手には同じに見えて不気味で最後は幽霊か何かに間違われて乗車拒否される
これはありかもしれないが
YouTubeの番組に別人が出るとか
彼氏を騙すとか
ああいうのは無理に思う。
この入れ替え作戦は、ただ、服を交換するという単純なものです。
差別する対象への単純化
ステレオタイプに反応する
そういう特性に対するブラックジョークみたいな形なんだと思う
ブラックミックスでゲイ
こういう人達は、単純にある雛型で見られがちで個性とかは見逃される傾向にあるのです。
レッテル貼りが行われます。
レッテル貼りは、物事を単純化する作業です。
レッテル貼りとは、物事を1つの型に填めて、全体を一括りに判断することです。
僕は、その行為の背景には思考停止があると見ています。
こういう奴らは、こうであるに違いないという偏見が背後にあるのです。
人間はそんなに単純じゃない。
つまり、この作品の言いたいことは
現代において、個人として個性的に生きることは難しいということです。
最後に、選考委員の角田光代さんの言葉を紹介したい
2023 5 16
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