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感想 裏世界ピクニック6 Tは寺生まれのT 宮澤 伊織 一巻すべて、このtの話し。少しマンネリ化してきている。

初の長編と言えば期待値が上がりますが、ちょっと失敗したような気がします。

「寺生まれのTさん」という話しを取り扱っています。
この男、誰も名前を知らない。でも、みんな同級生として彼の存在を認識している。彼が破!と叫ぶと目の前の人の記憶がなくなるというもの。
原則として「裏世界ピクニック」シリーズで採用する怪談は実話に限定していたようなのだが、本作に限っては長編ということで、あえて、そのルールを歪めたということのようです。

このtは異世界の人間で、異世界にとって邪魔になる人間に干渉してくるようです。空魚の記憶が消されたのは、彼女が鬱陶しい邪魔な存在になっているからだと思います。

今回は、向こう側が現実世界にやってきて攻撃してくるというパターンでした。今までの異世界と怪談のコラボというホラーテイストの気味の悪い話しから、ソフトな感じになっています。

もう、ネタ切れなんじゃないのかと考えたりもします。
実際、せっかくの長編だというのに中だるみがあり、作品としての質はそれほどではなかったと感じます。

2023  11 22




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