書評 へんこつ 谷治宇 海賊と大塩平八郎の対決が見もののミステリー時代物、おもしろい。
人物造形がよくできていた。
大坂が舞台という時代物では珍しい設定。
主人公は大塩平八郎。
最初の盗賊の残忍なシーンにはじまり
その海賊を追う与力として大塩平八郎が出てくるのだが、この人物が実に魅力的だった。
そして、忍びの者を思わせる手下の左次。
実直なロートル同心の甚兵衛などなど・・・
手下たちも魅力的だし、ヒロイン役の武士の娘も良いキャラだ。
悪役は悪く憎らしく、勧善懲悪の物語。
ストーリー展開も読めないし、バトルシーンも迫力がある。
エンタメに特化した時代ものミステリーだ。
あの盗賊の海賊と、あの悪徳商人父子は裏で繋がっているのはわかっていたが、それでも楽しめる構成になっている。
内容としては、そんなにたいしたことはないのだが、読ませる何かがあり、気がつくと読み終わっていた。夢中になっていた。
おもしろいと思った。
好き嫌いはあると思うが、エンタメ時代物が好きな人は、ぜひ、読まれたらいいと思う。
おもしろいよ。
2021 7 17
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