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感想 流浪地球  劉慈欣  三体の作者によるSF短編集。呑食者という話しがめちゃグチャ面白い。

三体の作者のSF短編集。2冊同時発売の一つです。

流浪地球 ミクロ紀元/呑食者/呪い5・0/中国太陽/山 というラインナップ

流浪地球の面白さは、地球そのものを宇宙船にしようとした発想
実際は、無理だと思うのですが、かなりリアル。

地球環境が悪化するのですが
作中の表現では

地上はもうすぐ恐ろしい場所になるのよ。寒いときには、吐いた唾が地面に落ちる前に凍ってしまうくらいに寒く。暑いときには、吐いた唾が地面に落ちる前に蒸発してしまうくらいに暑くなる。

同じモチーフの作品がミクロ紀元 です。
ちいさなミクロ人間に進化することによって、この環境悪化をやりすごすという世界

一番おもしろかったのは呑食者です。
地球を丸ごと食らおうという宇宙人がやってくる話し。

人は彼らの家畜となり60才になったら食われるのだという
その年齢の理由が・・・

そんな年まで待ったら、肉が硬くなりすぎないか・・・
という質問に対して
大牙は答える。

呑食人は噛みごたえのあるスナックが好きなんだよ

モラルを問うと、大牙はこう言った。

自己の生存は他者を征服し、滅ぼすことで成り立つ。これは生命と文明が宇宙で生存するための鉄則だ。最初にそれを破り、内省をはじめるものは、まちがいなく死に至る

そして、この宇宙人の正体が、短編集「老神介護」に収録されている話しとリンクしてくる。


2つ目の太陽を作った世界。
中国太陽は、鏡面清掃者の視点から見ている点が面白い。

そして、最後は、この2つ目の太陽を宇宙船にしてしまいます。

2022 9 27
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