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感想 競争の番人  新川帆立 二期連続でドラマ化決定とのことです、元彼の遺言状の作者の最新作。


弱くても戦え!

警察でも検察でも税務署でもない―独り占めを取り締まる正義の「公取委」ここに参上。

ドラマ化決定。

元カレの遺言状の作者の最新作。
二期連続でテレビドラマ化だそうです。

舞台は、公正取引委員会

体育会系直情女子と毒舌系天才キャリアの凸凹バディが、はびこる悪を成敗する!


巨悪と戦うというのがいいですね。
主人公は白熊さん。あだ名でなく本名。体育会系の優しい女の人。
コンビを組む男性は、小勝負君。
頭脳明晰で記憶力抜群のキャリア。
このツンデレの凸凹コンビが面白い。

こういうエンタメ小説は、話しの展開と、モチーフ、キャラが良ければそこそこ楽しめます。
この3点において、この作品はオールクリアーです。

それにしても公正取引委員会が舞台というのは珍しい。
仕事内容は、不公正を正すこと。正義の実行。

談合とかして値段を引き上げたり、下請けイジメをしているのを摘発する仕事です。

「密室でおじさんたちが集まって何でも決めてしまう。こんなのもうやめないといけない。日本がどんどん駄目になる。」


大切な仕事です。
しかし、巨悪は強い。
立入検査の令状を持っているのに拒否する。公正取引委員会の令状は拒否しても微刑なのである。
それにペナルティが執行されることはまずない。
警察などに比べて立場が弱い。

そんな彼らの葛藤がよく描かれていた。
正義を貫くのは勇気がいります。
白熊は迷う。そんな時に先輩の甲賀さんが履いたセリフがいい。


「正しいことを貫くって、すごく難しいのよ。正しいことが何なのか真剣に考えることから逃げている人たちが、どんな言葉を使うのか、教えてあげようか。正義と正義のぶつかり合いとか、正義は人の数だけあるとか、正義の暴走、正義の押し付け。私、そういう言葉全部嫌い」



正しいことをしなくっちゃ、あたな公務員なんだから!


2022 6  5



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