見出し画像

感想 掬えば手には  瀬尾 まいこ 他人の心が読める梨木君と、優しい知人たちの物語。癒し系です。





『幸福な食卓』本屋大賞受賞作『そして、バトンは渡された』に連なる、究極に優しい物語

という紹介だったが、納得した。

優しい、癒される、読後感最高にいい。
瀬尾さんらしい作品だと思いました。

中学3年のときに、エスパーのように人の心を読めるという特殊な能力に気づいた。


主人公の梨木君は大学生。
他人の心が読める。

共感力が高いというのか、コミュニケーション能力が高いというのか。
こういう人、僕も出会ったことがある。
女子に多いのですが、他人のことばかり気を使っていて
みんなにいい顔ばかり見せて
最後は不快にさせることが多いように思います

優しさは残酷なのです。

梨木君も相手の女の子が何となく好きとわかるので
自分の気持ちとか関係なく付き合います
相手の気持ちがわかるは、良いことばかりではなく
付き合うにはしんどい。

最後は、相手を傷つけることになる。

両親や姉には才能はあるのに、自分は平均的で何の才能もない
唯一の才能と言える心を読める能力も、あまり人の役に立っていないと悲観的な梨木に

高校の時からの友達の河野さんが言う
ここは感動した。

不登校だった私が、大学で楽しく過ごしているんだよ。梨木君が、私を次の場所に連れてってくれたんだよ。誰よりも特別な力持ってるじゃん。


バイト仲間の陰気な常盤さんの中にいる守護霊の秋音ちゃんと自由におしゃべりできるところあたりから、物語はますます面白くなっていく。


あの毒舌店長大竹さんのオムライス食べみたい。

出てくる人みんな善人。
読んだ後、良かったと思える本でした。


2023 10 9



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?