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しりとりエッセイ(雑文) す 寿司


しりとりで、エッセイをやっています。成分は、下品とエロと恐怖で構成されており18禁です。

<こ> 濃いカルピス >>>  <す> 寿司

これは日韓国際対決の話しである。
韓国人の留学生のチェ君という人がいた。

たまたま、飲み会で、このチェ君とNは遭遇し寿司の話題となった。
京都には、稲荷ずしに、鯖寿司なんて変わり種があるという話しから
お隣りの滋賀の鮒寿司のまずさ・・・などを話していたという。

Nの頭の中では、富士山、芸者、寿司は日本の三大文化だというのがあって
韓国には、そんなのはないだろうと自慢していたのだという。
チェ君は、微かに笑みを浮かべると「巻き寿司が好きです」と呟いた。
Nも呼応し「俺も好きだーー」となったのだが・・・。

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チェ君、「巻きずしのルーツは、わが国にあるのだよーー」と言い出した。
だから、Nは怒りだした。
「いやいや、いやいや・・・。節分とかあるし・・・、日本のモノやし・・・」
二人は、ここで大喧嘩となった。
チェ君は、神代の時代から韓国では「海苔巻きがあった」と主張し絶対に譲らない。

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韓国のりは有名だろと、どんどん攻め込んでくるのだが、Nは議論が苦手で
「節分」とか「恵方巻き」とか同じことを繰り返すばかりで戦いは並行線だった。
「だいたい、お前の国に鬼はいないだろ」とNは興奮し叫んだ。
「いやいや、鬼のパンツは虎の皮だぜ」
「桃太郎の時代から、鬼退治してんだ」
海苔巻きから、恵方巻に話しが移り、ついには鬼の話しになってしまった。

他の人が参戦してきて、韓国の家庭料理でお馴染みの海苔巻き「キンパ」と日本の「海苔巻き」は違う食べ物ではないかとなった。

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そこで話しを終わらせようとしたのだ。
日韓の対立などしても意味はないし、飲み会で喧嘩ムードは楽しくない。
それに、海苔巻きが日本由来だろうが、韓国由来だろうが、どうでもいいことなのだ。

「それじゃ焼肉はどうなんだ」とチェ君は叫んだ。
「それは・・・、ヨーロッパの食べ物だろ」とNが言うと、チョ君は「我が国のものである」
「嘘つけー、お前の国の食べ物はキムチだけやろ。辛いから韓国」とか子供みたいなことをNは言うのだった。「赤いから韓国や」
「ならば、君の地元の広島カープも韓国なのだな」
「赤くて、辛いのが韓国!!」とNは叫んだ。
とうがらし、キムチ・・・、にんじん、ピーマン、セロリ・・・。
後半は僕の嫌いな食べ物だし、赤くないし・・・。

「やはり、お前たちは差別主義者である」とチェ君は激怒した。
テーブルをたたき、おしぼりを壁に投げつけ「XXXXX」と叫んでいる。
「なあなあ、お前の国って、まだ、徴兵令があるんだろ」
「お前がそれを言うのか」
「言うよ。関係ないし・・・」
「日本が押し付けた文化でないか」
「嘘つけ」
「日本が韓国を植民地にしていたのは知っているよな」
「知らん・・・、直中毒って何やねん」
「きさまは、それでも日本男子か」
「やで・・・」
「ふざけるな!」
「おーー、そう言えば、君の国は手で食べるんだよね」
「何だ、それは馬鹿にしているのか?」
「えっ、食べ物を手で食べる習慣でしょ・・・」
「ふざけんなーーー」
「ほれっ」と奥の席にいたターバンの男性を指さした。
インドである。
確かに、キムチもカレーも赤っぽい色だが・・・。
韓国とインドは別の国だ。
「何や、ちゃうのか?」
「カレーはわが国の食べ物ではないよ」
「辛いやんけ、赤いやんけ!」
「辛いけど、あれはインドだよ」

チェ君は、急に馬鹿らしくなったみたいで「あほくさ・・・」と呟くと
ビビンバ750円と図書館に落書きがあったと言い出した。
「どこの店のかわかるか?」と誰とはなしに聞くと、そこにいた数人が声をそろえて「焼肉ハウスXX」と叫んだ。

学生は肉には詳しいが、海苔巻きには詳しくない。
韓国人が思うほど、日本人は韓国人のことをよくわかっていないという話しでした。

 

次回は、 <す>寿司 >>>  <し> 死人の手

2020 4/3


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