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感想 くらまし屋稼業   今村翔吾 夜逃げ屋の江戸時代バージョン。そのトリックが面白い。

夜逃げ屋の江戸時代ものという印象。
ミステリー小説を読み終わったような読後感がありました。

ある組織の幹部であるヤクザ二人が親分に不満で金を持ち逃げし失踪する。
しかし、親分は役人も買収し数百単位の捜索網を作り出し
二人は、親分のライバルの親分のところに逃げるが、そこも追い出されそうになる。

そこで「くらまし屋」の登場です。
ようするに、逃し屋です。
メンバーは三人、リーダー格の飴職人。凄腕の武士。
頭脳明晰な美女。
女形の美男子はメイクの天才。

舞台は宿屋。
周囲に50人のヤクザがいて、建物を包囲している。
建物を出たとたん、八つ裂きにされるのです。

膠着状態が続く。
そこで「くらまし屋」がとった策がすごい
宿屋に80の駕籠を呼び寄せた・・・

そこからの展開は、まるで極上のミステリーを読んでいるかのようでした。
そして、背後に潜む巨悪。
たぶん、この小説はシリーズ化します。

よくできたキャラ設定と
考え込まれた秀逸の逃走手段。

本書の成功理由は、この2つです。


2022 4 19



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