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感想 幻告  五十嵐律人  リーガルミステリ- × タイムリープ。めっちゃ面白い。有罪の父を救えるのか?。

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SFであるタイムリークに、法廷ミステリーをプラスするなんて・・・
なんてこった。これめっちゃ面白い。

父親が義理の娘にいたずら
有罪判決で刑務所に
しかし、それは冤罪だった。

五歳で父が母を裏切り
それ以来、その存在すらも知らなかった裁判所書記官の男と
父の裁判の担当裁判官である上司の烏間裁判官が

この事件の修正に挑む
タイムリークできるのは、父の裁判中のみ
厳密に言うと少し前から
裁判が終わると現在
つまり五年後に強制的に戻されてしまう

もちろん、その時、何をやったかで未来が変わります
最初のタイムリークで友達の女性に父のことを話したら
現在に戻ると、友達みんながいなくなってて
その女性が恋人だったり

父の無罪を勝ち取ったターンでは
いきなり、父を義理の娘が殺したという裁判が・・・

何をやっても最悪
冤罪なので真犯人がいて
その背後にもある人物の影が
そもそも、どうして、そうなったのか根本の問題も終盤にはわかり
父と義理の妹を助けるには、裁判の真実を守るには何を

これは法律や正義の物語であり
それをタイムリークという方法で
正しい方向に導く物語

人のやることだから完全なものなんてない
人は間違うもの
しかし、裁判の決定は一度出ると変更はできない
一度無罪になると、どんな決定的な証拠が後に出ても
その裁判は覆らない

こんなセリフがある。

裁判は、2度繰り返すものではない。有罪でも無罪でも、宣告した判決は取り消せない。だからこそ、先入観を持たず、全力で被告人と向き合うことが求められる

これぞ裁判官という感じです。


とにかく新鮮、そして、楽しい。


2022 8 28
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